NIPT(新型出生前診断)でわかること|先天性疾患の種類など

未来
NIPT新型出生前診断)は、胎児の染色体異常などの先天疾患の可能性を調べることのできる検査として注目されています。NIPTでは具体的にはどのような疾患を検査できるのでしょうか?今回は対象疾患の12疾患を解説します。併せてNIPTの検査方法やリスクなどにも触れていきます。これから検査を検討している方は参考にしてくださいね。

NIPTでわかること

NIPTではトリソミーモノソミーなどの染色体異常がわかります。

● トリソミー:本来2 本でペアの染色体が3 本になる染色体異常
● モノソミー:本来2本でペアの染色体が1本しかない染色体異常

NIPTの対象疾患は、21,18,13番染色体の異常、全染色体のトリソミー・モノソミー(数的異常)、遺伝子異常性(微小欠失症)です。それぞれを解説します。

21,18,13番染色体の異常

日本産科婦人科学会がNIPTの検査で認める疾患が以下のトリソミーです。

21トリソミーダウン症候群
18トリソミーエドワーズ症候群
13トリソミーパトー症候群

それぞれを解説します。

21トリソミー:ダウン症候群

ダウン症候群は、21番目の染色体が1本多くなる染色体異常で、1,000人に1人の割合で発生します。ダウン症候群の子どもでは、発育や精神発達の遅れ、つりあがった目や低い鼻、しばしばみられる低身長などが特徴です。

病気にかかりやすい傾向にあり、心臓や内臓の疾患を合併する可能性も高く、約半数には、出生時から心臓の異常が見られます。しかし予後はエドワーズ症候群やパトー症候群に比べ良好で、平均寿命は55歳です。

ダウン症候群は根本的な治療法はなく、合併症に対する治療が一般的です。

18トリソミー:エドワーズ症候群

エドワーズ症候群は、18番目の染色体が1本多い染色体異常で、6,000人に1人の割合で発症します。しかし、そのほとんどは自然流産になることが多く、男女比は1:3で女児に起こりやすい疾患です。

エドワーズ症候群は、胎児の段階で胎動が微弱、羊水が多くなる、胎盤の矮小、単一臍動脈などの傾向があります。根本的な治療法はなく、患児の半数以上は生後1週間以内に亡くなることが多いのが特徴です。1年後まで生存する割合は10%未満となっています。

13トリソミー:パトー症候群(パトウ症候群)

パトー症候群は、13番目の染色体が1本多い染色体異常です。米国では10,000人に1人の割合で発症します。

パトー症候群の胎児は、羊水の量が多すぎたり少なすぎたりして子宮内での動きが活発ではないのが特徴です。また出生時の体格が小さい傾向にあり、脳の発育が悪く、口唇裂口蓋裂、目の発育不良など、顔に多くの異常がみられるのもパトー症候群の特徴です。

パトー症候群も根本的な治療法はありません。小児の80%は生後1カ月を迎える前に亡くなる事が多く、1年後まで生存する割合は10%未満です。

性染色体のトリソミー・モノソミー

NIPTは、オプションや別プランとして性染色体のトリソミーやモノソミーを調べることができます。主な疾患は以下です。

● モノソミーX:ターナー症候群
トリソミーXトリプルX症候群
クラインフェルター症候群
● ヤコブ症候群

性染色体の異常は見た目の特徴がなく自覚症状がないため、病気に気づいていない人も多くいます。それぞれを解説します。

モノソミーX:ターナー症候群

ターナー症候群は、2本のX染色体のうち1本の一部または全体の欠失する女の子に起こる染色体異常です。ターナー症候群の子どもは典型的には身長が低く、大人になったときの平均身長は138cm前後です。

また首の後ろに皮膚のたるみや二次性徴が現れないことが多いなどの身体的な特徴があります。発症率は約1,000人に1人です。この染色体異常は受胎の時点では、はるかに高い頻度で発生しており99%が自然流産になります。

ターナー症候群の根本的な治療法はなく、合併症として起こる疾患への治療を行います。

トリソミーX:トリプルX症候群

トリプルX症候群は、女児がX染色体を3本持って生まれてくる染色体異常です。妊婦の年齢が高くなるほど、胎児がこの疾患を持って生まれてくる確率が高くなるとされており、女児の出生1,000人に1人の割合です。

トリプルX症候群は、身体的特徴はまれにしか起こりません。この疾患の女児は、知能が若干低く、言語能力に問題があるなどの特徴がみられることもあります。この疾患が原因で月経不順や不妊症が起こることもあるため、妊娠を希望する場合には治療が必要です。

クラインフェルター症候群

クラインフェルター症候群は、男児がX染色体を余分に持って生まれてくる染色体異常です。性染色体異常のなかでは最も頻度が高く、500人に1人の割合で発生します。

クラインフェルター症候群では学習障害や言語能力の低下がみられるため日常生活や学校生活などでしばしばトラブルが起こることもあります。身体的な特徴には背が高く、腕と脚が長く、精巣が小さいため男性不妊の原因となります。また、ほかの男性に比べて糖尿病や慢性肺疾患、静脈瘤、乳がんなどを発症しやすい傾向にあります。

ヤコブ症候群

ヤコブ症候群(47,XYY症候群)は、男児が2本のY染色と、1本のX染色体を持って生まれる性染色体異常です。男児の出生1,000人に1人の割合で起こります。

この疾患の男児は背が高いという見た目の特徴があります。そのほかにも学習障害やADHDなどがあり、知能指数は家族と比べやや低下する傾向があります。

染色体の小さな領域の部分的な欠損(隣接遺伝子症候群、微少欠失症候群)

NIPTでは染色体の小さな領域の部分的な欠損(隣接遺伝子症候群、微少欠失症候群)についても検査することができます。

● ディジョージ症候群(22q11.2
1p36欠失症候群
● ウルフ・ヒルシュホーン症候群(4p16.3)
ねこなき症候群5p症候群5pマイナス症候群
● プラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群(15q11.2-q13)

難病指定となっている疾患もあり、根本的な治療法がないものもあります。それぞれを解説します。

ディジョージ症候群(22q11.2)

ディジョージ症候群は、免疫不全を起こす先天性の疾患です。出生時に胸腺が全くないか、あっても未発達で、先天性心疾患や、副甲状腺がないためにけいれんを起こすこともあります。見た目では、口蓋裂など特徴的な顔つきをしています。

けいれんを防ぐためにカルシウムとビタミンDのサプリメントを内服します。また胸腺が全くない場合は、胸腺組織の移植が必要です。

1p36欠失症候群

1番染色体の一部の欠失によって起こる染色体異常です。成長障害や、重度の発達遅延、難治性てんかんなどが主な症状です。見た目の特徴としては、おちくぼんだ眼、尖った顎などが認められます。また合併症として先天性心疾患、難聴、斜視、白内障などを生じることがあります。

根本的な治療方法はありません。てんかん発作の予後にはばらつきがあるため、寛解する場合と生涯にわたり持続する場合があります。

ウルフ・ヒルシュホーン症候群(4p16.3)

ウルフ・ヒルシュホーン症候群は4番染色体の一部の欠失により起こる疾患で、50,000人に1人の割合です。重度の精神遅延、成長障害、難治性てんかん、多発奇形が起こります。またさまざまな合併症を伴うこともあります。

ウルフ・ヒルシュホーン症候群の根本的な治療方法はありません。それぞれの症状ごとに治療やケアを行います。

ねこ啼き症候群(5pマイナス症候群、ねこ鳴き症候群)

ねこ啼き症候群は、5番染色体の一部が欠失することで起こる染色体異常です。15,000~50,000人に1人の割合で起こります。低出生体重や、成長障害を特徴とし、新生児期から乳児期に甲高い猫の鳴き声のような啼泣から「ねこ啼き症候群」と呼ばれることもあります。

根本的な治療法はなく、年齢に応じて症状が変わるため、それに応じた治療が必要です。

プラダー・ウィリー症候群(15q11.2-q13)

プラダー・ウィリー症候群は15番染色体の異常による起こる染色体異常です。15,000人に1人の割合で起こります。

症状は多岐にわたり、年齢に応じて変化する特徴があります。
生後間もない頃(新生児期)には、筋緊張低下、色素低下、外性器低形成を3大特徴とする。

新生児期は力が弱く、呼吸や哺乳がうまくできません。
3歳を過ぎたころから食欲が抑制できず、過食と肥満の傾向がある疾患で、外性器の低形成も特徴の一つです。

この場所はインプリンティングと呼ばれる効果があり、父親、母親どちらから病的に欠失した染色体をもらったかで症状の出かたが違います。
同じ場所が欠けているのがアンジェルマン症候群です。

NIPTの検査方法

NIPT(新型出生前診断)は、妊婦の血液中に含まれる胎児のDNAを分析して、胎児の特定の染色体疾患を調べる検査です。母体の採血のみで負担が少なく、胎児の染色体異常を高い精度で見つけることができます。

NIPTのリスク

NIPTは非確定的検査に分類されており、腕から血液を採取するため体への負担が少ないのが特徴です。確定的検査である羊水検査絨毛検査に比べると母体や胎児への負担が少なく、流産・死産などのリスクはありません。

一方で、NIPTはあくまでも疾患の可能性を評価するための検査です。NIPTでは偽陽性や偽陰性の可能性が含まれており、検査結果を保証するものではなく、疾患の診断のためには、羊水検査を行う必要があります。

NIPTで分からないこと

NIPTは精度が高くさまざまな疾患を精度高く発見することができますが、染色体異常に特化した面があり、すべての胎児異常を発見できるわけではありません。特に以下はNIPTでは発見できない分野です。

単一遺伝子疾患(ミネルバクリニックでは一部検査可能です。詳しくはマルチNIPTデノボスーパーNIPTgeneプラスのページをご覧ください。)
多因子遺伝疾患
 環境・催奇形因子による障害
 視覚障害や聴覚障害
 発達障害

遺伝子の数的異常や形態の異常を伴わないものは、NIPTで調べることができません。これらの疾患は現時点では出生前に把握することは難しいでしょう。

まとめ

NIPTは多くの染色体異常の可能性を見つけることができます。母体や胎児へのリスクが少なく精度の高い検査ですが、非確定的検査であるため、検査結果を断定するものではありません。確定のためには羊水検査を行いましょう。また、NIPTでも検査できないものもあるため、事前に確認しておくことが大切です。

ミネルバクリニックNIPTトップページ
ミネルバクリニックNIPTメニュー
スーパーNIPT|スーパーNIPT(13トリソミー・18トリソミー・21トリソミー)・スーパーNIPTプラス(+微小欠失4疾患)・スーパーNIPTgeneプラス(100遺伝子の重篤な遺伝病を検出)
マルチNIPTカリオセブン|全部の染色体を7Mbでスキャン+微小欠失9疾患。胎児のDNA2.5%から可能なので9週から検査できます。
マルチNIPTデノボ|父親の加齢と相関する25遺伝子44疾患
ペアレントコンプリート:通常のNIPT(母親の側に原因がある疾患をチェック)+デノボ(父親側に原因がある疾患をチェック)
コンプリートNIPT:ペアレントコンプリート+カリオセブンの全部が入っています
イルミナVeriseq2(全染色体を7Mbで欠失・重複のスキャンが可能。但し、胎児のDNAが8%ないと正確性を担保できないため、妊娠11週からとなります)
オンラインNIPT:全国どこにお住まいでもミネルバクリニックのNIPTが受けられます