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新型出生前診断とは?初めて検査を受ける際の3つの注意点を紹介

新型出生前診断とはどういう検査なのかを初めて受ける方のために3つの注意点をご紹介します。
近年、日本で拡大し続けている新型出生前診断と呼ばれる検査について、みなさんはどこまで理解していますか?

新型出生前診断は妊娠初期の段階から受けることができ、胎児がダウン症21トリソミー)などの疾患を持つ可能性を非常に高い精度で調べることができる妊婦さんにおすすめの検査です。

新型出生前診断を受けられる施設は増え続けているため、みなさんの身近な医療施設でも受検できる日がやってくるかもしれません。

そこでこの記事では、新型出生前診断とは何かをご説明した後、初めて検査を受ける際に知っておきたい3つの注意点を詳しくご紹介していきます。

新型出生前診断とは?

NIPT
妊娠・出産は、女性の人生で最も大きなライフイベントといっても過言ではありません。

幸せな気持ちで胸がいっぱいになる一方で、赤ちゃんが健康体で生まれてくれるかどうかという不安な気持ちに押し潰されそうな時もあるでしょう。

新型出生前診断は、出産に初めて挑む妊婦さんの心を整えるための検査でもあります。新型出生前診断とは何かをまずはご説明していきます。

検査内容について

新型出生前診断は、母体、胎児ともにリスクゼロでダウン症候群(21トリソミー)などの疾患の可能性を調べられる検査です。

検査内容ですが、まずは妊婦さんから血液約20mlを採取してその血液から胎児の胎盤に由来する「cell-free(cfDNA)」の断片を分析します。本来あるべき染色体数と差異がないかを調べることで、特定の染色体異常症を持つ可能性を陽性・陰性で判定することができます。

妊婦さんの採血だけで検査を行えるため安全性が保証されており、出生前診断の中で最もおすすめできる検査といえます。

検査対象の3種類の染色体異常症とは

検査の対象となる染色体異常症は以下の3種類です。

  1. ダウン症候群(21トリソミー)(別名:21トリソミー)
  2. エドワーズ症候群(18トリソミー)(別名:18トリソミー)
  3. パトウ症候群(別名:13トリソミー

ダウン症候群(21トリソミー)は染色体異常症の全体の半数以上を占めるもので、800人から1,000人に1人の割合で生まれます。妊婦さんの年齢とともに発症する確率も上がり、35歳以上になると確率はぐんと上がります。

エドワーズ症候群(18トリソミー)は3,000人から10,000人に1人、パトウ症候群は5,000人から10,000人に1人の疾患頻度とされています。

検査を受けて陽性と判定された場合、医師の案内に沿って確定的検査を受けてこれらの疾患を実際に持っているかどうかをはっきりさせる必要があります。

検査を受けられる医療施設

新型出生前診断を取り扱う施設は主に認可施設と無認可施設に分けられます。

認可施設は、日本医学会が定めた条件を満たした施設で、一定水準以上の医療技術と臨床遺伝専門医・認定遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリング体制が整っています。

しかし、検査を受けるためには以下の条件を満たさなければなりません。

  • 母体血清マーカー検査・またはエコー検査で染色体異常症であることを示唆された
  • これまで染色体異常を持つ子を妊娠した経験がある
  • 35歳以上かつ妊娠10週目以降
  • 両親のいずれかが均衡型ロバートソン転座を持っている

一方で無認可施設は、妊娠10週目以降であれば35歳未満でも検査を受けられる体制になっています。(ミネルバクリニックの場合は妊娠9週目以降から対応可能)

新型出生前診断は2013年に初めて日本で実施されたため、現在は普及が進みつつもまだまだ検査を受けられる医療施設が多いとはいえません。

限られた施設の中から選ぶ必要があり、医療技術や専門知識に特化した施設で検査を受けたい場合は、臨床遺伝専門医が在籍しているかどうか、遺伝カウンセリング体制が整っているかどうかがポイントになってきます。

初めて新型出生前診断を受ける際の3つの注意点とは

お医者さん

リスクゼロで胎児が特定の疾患を持つ可能性を検査できる新型出生前診断は、妊婦さんにとってメリットがたくさんある検査です。

しかし、検査を受ける前に必ず把握しておかなければいけない注意点がありますので、ここから詳しくご説明していきおます。

健康保険・医療費控除は対象外

新型出生前診断の相場は大体15万円〜20万円とされており、妊娠から出産までにかかる医療費を少しでも軽減したいと考える方も多くいます。

しかし、妊娠・出産にかかった医療費は健康保険が適用されないため、自費診療となることを覚えておきましょう。

医療費控除についても新型出生前診断は対象外となります。

胎児が染色体異常症を持つ可能性を検査するという点からあくまで診断であると分類され、その後の治療に繋がらないという理由から医療費控除対象外となっています。

新型出生前診断よりも費用が安いクアトロテストやコンバインド検査がありますが、これらは感度特異度がだいぶ下がってしまいます。

とにかく高い精度で染色体異常症のリスクを検査したい場合は、割高でも新型出生前診断を選択することが推奨されます。

スクリーニング検査のため疾患を確定するものではない

母体にも胎児にも安全な新型出生前診断ですが、ダウン症候群(21トリソミー)などの疾患を持っているかどうかを確定させることまではできません。

しかし、その検査精度は非常に高く、疾患を持っている場合に陽性になる確率を示す感度、疾患を持っていない場合に陰性になる確率を示す特異度は100%に近い数字となっています。

症候群 感度 特異度
ダウン症候群(21トリソミー)
(21トリソミー)
99.1% 99.9%
エドワーズ症候群(18トリソミー)
(18トリソミー)
99.9% 99.6%
パトウ症候群
(13トリソミー)
91.7% 99.7%

また、陰性と判定された場合に実際に疾患を持っていない可能性は99.99%であるため、早く安心したいという多くの妊婦さんに新型出生前診断が推奨されます。

陽性が出た場合は侵襲的検査が必要

先述の通り、新型出生前診断では疾患の有無を確定されないため、陽性と判定された場合は、一般的に侵襲的検査(確定的検査)を受ける流れになります。

羊水検査絨毛検査が侵襲的検査にあたりますが、侵襲という名前の通り、母体と胎児にリスクが伴う検査が行なわれます。

どちらの検査も注射器で母体に針を刺すことになり、羊水検査の場合は子宮内の羊水を採取、絨毛検査の場合は胎盤にある絨毛を採取して分析が行なわれます。

羊水検査は1,000人に3人〜5人という割合で流産をする可能性があり、検査を受ける前はカップルや親族でそのリスクを十分に理解しなければなりません。絨毛検査はさらにリスクが高まり、100人に1人の割合で流産に繋がります。

検査結果で陽性が出た場合はカウンセリングが行なわれ、妊婦さんや親族に対して必要な準備や支援サポートなどが案内されます。

検査前後のカウンセリングは、経験と知識が豊富な臨床遺伝専門医・認定遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリングが望ましいですが、無認可施設の場合は遺伝カウンセリングを受けられないケースもあるので注意しましょう。

まとめ

従来の出生前診断よりも高い精度で受けられる新型出生前診断は、母体からの採血のみで胎児の染色体異常症のリスクを検査でき、その検査精度も非常に高いという点がとても魅力的です。

検査を受ける際は「健康保険と医療費控除は対象外になる」「あくまで診断のため疾患を確定させることはできない」「陽性判定が出た場合は侵襲的検査が必要になる」という点に注意しましょう。

新型出生前診断は、今後地域のクリニックにも拡大していくことが予想されるため、妊婦さんはどの施設で受ければいいのか悩んでしまうこともあるでしょう。

そこでみなさんにおすすめしたいのが、経験と知識が豊富な臨床遺伝専門医による新型出生前診断を受けられる東京のミネルバクリニックです。

ミネルバクリニックは、世界最新鋭の医療技術を用いた新型出生前診断や、より精度の高い第2世代・第3世代のNIPTを受けられる国内唯一の施設です。

新型出生前診断を受ける施設にお悩みの際は、ミネルバクリニックまで是非ご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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