高齢出産の定義は何歳から?より安全安心な35歳からの妊娠出産のために

赤ちゃん
高齢出産は何歳からなのでしょうか?実は普遍的な定義はありません。1990年代は30歳以上の初産婦が高齢出産でした。最近では晩婚化に伴い高齢出産の年齢も上がり、日本産科婦人科学会では35歳以上の初産婦と定義しています。経産婦については高齢出産の定義はありません。高齢出産と向き合うためにすべきことをお伝えします。

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関連記事の中でも書いたのですが、実は、女性がいくつになったら高齢出産なのかについての普遍的な定義はありません。
1990年代には高齢出産は何歳からなのかと言われると、実は30歳以上の初産婦をさしていました。
わたしが大学医学部を卒業したのが1995年なので、このころの高齢出産は実に30歳だったのですが、今では
www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai18/dl/h3-4.pdf
こちらの厚生労働省の統計にあるとおり、30歳未満の妊婦さんは1/3くらいになっているので、圧倒的多数の30歳過ぎの女性全員に高齢出産というと怒られますね。

高齢出産は何歳からなのかについてですが、日本産婦人科学会は「高齢出産」を「35歳以上の初産婦」と定義しているようです。わたしが医学生の頃、産婦人科の授業でダウン症候群の妊娠確率が上がる閾値が35歳と習いましたので、高齢出産の定義はここからきているのかなと感じています。

平成30年(2018年)の厚生労働省統計では、新生児の5.6%が40歳以上の母親から生まれています。実に20人に一人を占めている全く普通の光景になりました。

高齢出産はリスクが高いと言われる原因とは?

高齢出産のリスクは、一義的には卵子の加齢により赤ちゃんの染色体異常などによる障害が増加するためでしょう。

関連記事:高齢出産で染色体異常が増える原因とは

女性の大学進学率があがり、社会進出が進んだ結果としての晩婚化、未婚率の上昇が、初産の年齢が上がる大きな原因と言われています。
しかし妊娠・出産できる身体的な機能は年齢とともに衰えていくとされています。
高齢出産のリスクとして有名なのはダウン症候群などの染色体異常による赤ちゃんの障害でしょう。
ダウン症候群の赤ちゃんを妊娠する確率は数年前は平均すると1000人に1人、0.1%と言われていたのですが、昨今の晩婚化に伴い500人に一人に増えているとも言われています。有名な研究報告では20歳では1667人に1人、0.06%ですが40再では106人に1人と16倍もリスクが上がっています。女性の高齢化とともにダウン症候群が増える理由については「卵子の加齢」が大きな原因とされています。

高齢出産のリスク回避ためにできること

それでは、35歳を過ぎたら妊娠・出産しないほうがよいのでしょうか?いえいえ、決してそんなことはありません。ダウン症候群の発症率は確かに、20歳よりはグンと上がりますが、それでも40歳で1%ですので、ほとんどの人は心配ないのです。
また、35歳を過ぎてからの妊娠出産のメリットとしては、若いころに比べて経済的に良い状況にあったり、キャリア形成に大体めどがたった状態で落ち着いて妊娠出産し、豊富な人生経験をもって余裕のある子育てができるいうことがあると感じています。
また、現在では医学の進歩により血液検査で赤ちゃんの障害がわかる新型出生前診断(NIPT)があり、羊水検査しかなかった1990年代とは雲泥の違いです。こうした出生前診断検査を利用して、赤ちゃんに異常がない事を知り、落ち着いて妊娠時期を過ごせることも、現代ならではのメリットでしょう。もしも陽性になったとしても、産む・産まないをご夫婦でゆっくり話し合いの上、自己決定できることは大きな意味があるでしょうし、産む場合でもどのような医療ケアが必要そうかを事前に知ることができるのは大きなメリットでしょう。全ての医療機関で受けられる検査ではなく、費用も高額ではありますが、高齢出産のリスク回避の選択肢として重要ではないでしょうか。
妊娠出産で女性が退職することは、生涯賃金としては最大2億円の損失をもたらします。

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まとめ

高齢出産のリスクについてお伝えしてきましたが、若くても妊娠出産にはリスクはつきものです。障害のあるお子さんを持つ原因の半数は出産時に臍帯が首に絡まってしまったなどの出産時の事故ですので、これは妊婦さんの年齢とは全く関係ないことで、すべての妊婦さんに等しく同じリスクがあります。妊娠出産は当たり前に何事もなくできるもの、という考えが間違いなのです。昔も今も妊娠・出産は命がけで何が起きるか分かりませんし、一つの命を授かること自体が天文学的確率で奇跡なのです。
キャリアを積み、経済的にも安定した大人の女性の皆さん、是非、意気揚々とその手に赤ちゃんを抱いて、幸せをかみしめてください。

ミネルバクリニックでは、たくさんのNIPTメニューを取り揃え、出生前診断をはじめとする遺伝子検査の経験豊富な臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、皆様方のより安心・安全なマタニティライフのお手伝いを致します。

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マルチNIPTカリオセブン|全部の染色体を7Mbでスキャン+微小欠失9疾患。胎児のDNA2.5%から可能なので9週から検査できます。
マルチNIPTデノボ|父親の加齢と相関する25遺伝子44疾患
ペアレントコンプリート:通常のNIPT(母親の側に原因がある疾患をチェック)+デノボ(父親側に原因がある疾患をチェック)
コンプリートNIPT:ペアレントコンプリート+カリオセブンの全部が入っています
イルミナVeriseq2(全染色体を7Mbで欠失・重複のスキャンが可能。但し、胎児のDNAが8%ないと正確性を担保できないため、妊娠11週からとなります)
オンラインNIPT:全国どこにお住まいでもミネルバクリニックのNIPTが受けられます

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

仲田洋美(医師)

プロフィール

1995年医師免許取得。血液・呼吸器・感染症内科を経て、臓器別・疾患別の縦割りの医療の在り方に疑問を感じ、人を人として”全人的”に診療したいという思いを強くし、臓器を網羅した横断的専門医となり、2010年にがん薬物療法専門医取得(2019年現在全国1200人程度)。臓器を網羅すると遺伝性がんへの対策が必要と気づき、2011年に臨床遺伝専門医取得(2019年現在全国1000人程度)。遺伝相談はセンシティブな分野にもかかわらず、昼間の短い時間しか対応できない大病院のありかたに疑問を感じて、もっと必要な人がハードルを感じずに診療を受けられるようにしたいと2014年12月に開業。以来、全国から大学病院でも難しい内容の対応を求める人々を受け入れ、よろづお悩み相談所として多くの人々の様々な”家族(計画)の問題”を改善に導く。

著書に”女性のがんの本当の話”(ワニブックス)、”遺伝するがん・しないがん”(法研)がある。
少ない専門家で、正直で嘘のない言葉選びから週刊誌等の取材も多く、医療系の特集に時折コメントが掲載。(週刊現代、週刊ポスト、週刊新潮など)。
テレビ出演も時々あり、小林真央さんの病状を市川海老蔵さんが初めて記者会見した日、フジテレビの午後4時台のニュース番組に生出演して解説。その他TBS, AbemaTVなど出演。

一人一人の事情に合わせた個別対応をするべく、しっかり時間を取って本当のニーズは何かを聞き取りすることを大切にしている。短い時間でもお互いが出会ったことが相手の人生に大きな意味があるような医師患者関係の構築を理想として日々精進。

患者さんが抱えている問題を解決するにはどうしたらよいのかを考えて医師歴8年目に法学部に学士入学した程度に”凝り性”。女医が少なかった時代に3人の母親として難関専門医を3つ取得して社会進出を続けた経験から、女性のライフスタイルを医学以外の部分でも支援したいと願っている。いろんな人生経験から心に響く言葉を投げかけるため、”会うと元気になる”ということで有名。飼いネコ3匹。

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