InstagramInstagram

羊水検査と絨毛検査の違い|費用やリスクなどを徹底比較

胎児の染色体異常を調べるために行われる羊水検査絨毛検査。これらの検査は確定的検査ともいい精度の高い診断ができます。しかし、母体や胎児にとってはリスクを伴うため、検査を受けるのに不安になる人もいるかもしれません。今回は羊水検査と絨毛検査の違いを費用面やリスクなどを含めて、徹底比較します!

羊水検査と絨毛検査の違い

羊水検査と絨毛検査はどちらも確定的検査ですが、採取する検体や検査できる妊娠週数に違いがあります。それぞれを解説します。

羊水検査のイメージ画像です
羊水検査
こちらは絨毛検査のイメージ画像です
絨毛検査

羊水検査 絨毛検査
検査方法 母体の腹部に針を刺して、子宮内の羊水中に含まれる胎児の細胞を採取し、胎児の染色体やDNAの変化を調べる検査 母体の腹部に針を刺して絨毛を採取し、胎児の染色体や DNA の変化を調べる検査
検査できる先天性疾患
染色体疾患全般 2~3種類※
検査精度(検出精度)
ほぼ100% 80~98%程度
検査可能期間
妊娠11~16週前後 妊娠10~17週前後※※
流産・早産のリスク
0.3~1% なし

※ミネルバクリニックでは世界有数の広範なNIPTを提供しております。わかる疾患は100種類以上となっています。
※※ミネルバクリニックではNIPTは9週から承っております。

確定的検査と非確定的検査の違い

出生前診断には確定的検査と非確定的検査の2つがあります。

非確定的診断は、胎児の疾患の有無を評価する検査です。この検査では疾患の可能性を指摘します。一方、非確定的検査で疾患に罹患している可能性を指摘された場合に行うのが確定的検査です。詳しい検査を行い、疑いのある疾患の有無を確定させます。

確定的検査 非確定的検査
検査できる先天性疾患  染色体疾患全般 染色体疾患全般
検査精度(検出精度)
ほぼ100% ほぼ100%
検査可能期間
妊娠11~14週 妊娠15~16週
流産・早産のリスク
0.3% 1%

 

遺伝カウンセリングの重要性

遺伝や染色体異常などでの悩みは、自分だけで悩んだり家族に共有したりしてもなかなか具体的な解決策が見つからないことがあります。そんなときは遺伝カウンセリングを受けてサポートを受けることも可能です。

遺伝カウンセリングでは、遺伝に関わる悩みや不安などを持つ人に、正確な医学的情報を提供しています。その上で、カウンセリングを受ける人の話を聞きながら心理面や社会面を含めた支援を行うことが目的です。

専門の知識を持ったカウンセラーや専門医がカウンセリングを行うため、より正確で的確なアドバイスを受けることができ、不安や悩みに寄り添ったカウンセリングを受けることができます。羊水検査や絨毛検査で指摘されたとき、とても大きな不安を抱えてしまうかもしれません。そんなときは遺伝カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか?

出生前診断の正しい知識を身に付ける必要性

出生前診断では胎児異常を検査することができますが、非確定的検査も確定的検査も完全な検査ではありません。

出生前診断の目的は、出生前に胎児の状態や疾患等の有無を調べておくことで、母体を守りながら赤ちゃんが生まれてすぐに治療開始できるように準備をすることです。また万が一、赤ちゃんに疾患が見つかった場合には、情報を提供したり事前に知識を深めたりして、出産後の負担を少なくする目的もあります。

出生前診断で「異常なし」と言われても、障害をもった赤ちゃんが生まれてくる可能性はあります。出生前診断は完璧なものではないことを理解して、出生前診断への正しい知識を付けることが大切です。

まとめ

羊水検査や絨毛検査は、出生前診断の確定的検査です。流産や破水などのリスクを伴いますが、非確定的検査に比べると感度の高い検査です。しかし、羊水検査や絨毛検査を含む出生前診断は疾患の有無を断言する検査ではありません。遺伝カウンセリングを受けながら、出生前診断への正しい知識を付けることが大切です。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

関連記事