Chapter5-6-2 vanishing twin更新日05/27/2019

 

vanishing twin

 

cffDNAベースの出生前診断(NIPT)の偽陽性と生物学的側面

cffDNAを用いたNPTの偽陽性(FP; false positive)の2番目に多い原因は,双生児の一方の消失です.

子宮内で死亡した多胎妊娠の胎児と定義されます.
大規模コホート研究1件しかないのですが,
双生児の消失頻度は0.6%と推定されています[25].

核型が正常でも異常でも,自然流産では,胎盤由来も総数としてもcfDNAを増加させます.
分娩後なら2時間以内と急速に消失するcffDNA(cell free fetal DNA)ですが
消失してとどまったままという状態ですので,アポトーシス(細胞が壊れて分解されることをいいます)がおこり
母体に吸収されていく,ということですから
cffDNAが高くなるのも理論的にはうなづけるものです.

したがって,vanishing twinは,生存している胎児に対して
偽陽性のcfDNA NIPT結果をもたらす可能性があります.

理論的には,母体循環に過剰量のcffDNAを放出する「過剰表示」の正倍数体消失双生児は,
生存している胎児の異数性を隠し,偽陰性のcffDNA NIPT結果をもたらす可能性もあります.

cffDNA NIPTの結果と超音波画像による胎児の性差は,
気づかれないままの男性消失双生児が原因となりえます.

死亡した胎児の胎盤が母体血漿中のDNA濃度に影響する期間
に関するデータはほとんどないのですが

SNP技術を使うことにより,
双生児の推定自然死後8週間まで続くことがわかりました.[1].

 

検査結果を正し解釈するには,最終的には双生児が消失することがある
ということに注意を払って早期の超音波検査をすることが不可欠となります.

同様に,cffDNA NIPTの結果が異常であれば,
消失している双生児がいないかどうかをしっかり探す超音波検査を実施したほうがよいでしょう.

[1]Curnow KJ, Wilkins-Haug L, Ryan A, Krrktzlar E, Stosic M, Hall MP, et al. Detection of triploid, molar, and
vanishing twin pregnancies by a single-nucleotide polymorphism-based noninvasive prenatal test. Am
J Obstet Gynecol 2015;212:79.el-9.

 

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