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NIPTの検体の輸送はどうしているの?

海外輸送の留意点

海外の検査会社に検体を送る際に実際どうしているのかについてよくご質問を頂きますので
お答えいたします。実は少し時代背景が影響しています。

バイオテロのリスク回避のためルールが厳格化されている

2001年9月11日にアメリカで起きた同時多発テロ以降、バイオテロの懸念から
アメリカをはじめ各国に血液検体を送るのはそれまでよりルールが大変厳しくなりました。
※それまでは一般の方がどこかの医療機関で採血してもらって発送などもできたようですが…

現在は、検疫に引っかかるため、無理です。そのまま誰でもお出しできるというわけではなく
そもそも一般の方々が検体を運ぶ契約ができません。

どのようにして発送できるようになっているのか?

医師が感染性の有無について証明書をお書きしたり税関を通るための書類を作成して
初めて税関を通過できます。

検体は専用のコンテナで運んでいます.
一般のお荷物とは別になっていて上にものを重ねられるということもありません。
こうして患者さんたちの検体は、安全な輸送方法で各国に到着します。

梱包方法のガイドライン

輸送のチェックの中には検体の梱包方法にも明確なガイドラインが定められています。
ここでは一例としてFEDEX社のガイドラインをご紹介します。

FEDEX社のガイドライン

ラベル貼付に関しては、当該の地方、州および国の法律に準拠することが義務づけられて
います。さらに病原菌を含む、または含む可能性のある血液、尿、体液、その他の
標本は、当該政府や国際航空運送協会 (IATA)、国際民間航空機関 (ICAO) の規則に準拠して
出荷することが義務づけられています。
このガイドで取り扱う医療用見本(サンプルつまり検体のことです)とは、人間や動物の排泄物
分泌物、細胞組織、組織液、血液、そして米国食品医薬品局 (FDA) 承認の血液製剤など
病毒をうつす心配のない物質と一般的に定義されています。

梱包方法のガイドライン

液体見本
1. 防漏型第1内装容器
第1容器には、確実に封緘 (ねじ留め式、スナップ式、あるいは押し込み式ふた等)
でき、かつテープで封印可能な防漏型容器をご使用ください。壊れやすい第1容器が複数
ある場合、相互接触を防ぐために個別に梱包するか、またはそれぞれの容器が触れ合わな
いように第2容器の中に入れてください。
2. 吸収剤
第1容器と第2容器の間に吸収剤を入れてください。その際、吸収剤は第1容器の
全内容物を吸収可能な量をご用意ください。吸収剤には、セルロース製の詰め物、コットン・ボー
ル、高吸収性パック、ペーパータオルなどの吸収材が推奨されます。
3. 防漏型第2内装容器
防漏型の密封式ビニール袋、プラスチック容器、またはネジぶた式缶をご使用ください。
4. 頑丈な外装容器
段ボール、木材、金属、またはプラスチック製で内容物に合った大きさの頑丈な外装容器
をご使用ください。ボール紙や板紙製の容器、紙封筒、ビニール袋はお引き受けできません。

当院でも厳重チェックの上発送しています!

当院でお預かりする検体は、医師自らが採血~梱包~輸送業者の手配・受け渡し~輸送状況のチェック
(リアルタイムで確認できるようにしています)そして、検査会社への検体到着確認まで行っています。

皆様により安心・安全を感じて頂けるよう、日々細心の注意を払っています。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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