NIPT(新型出生前診断)で自閉症の検査はできる?不安の解消法紹介!

NIPT新型出生前診断)で自閉症を調べることはできるの?」
「発達障害の可能性を出産前に知ることはできないの?」

発達障害や自閉症についての研究が進み、メディアなどでも報道されるにつれ、良くも悪くも自閉症に関する認知度が高まっています。

それに伴い、「生まれてくる子どもが自閉症だったら育てる自信がない」と考える方が増えています。

自閉症は先天性の疾患であることが確認されていますが、遺伝子先天性異常の検査であるNIPTによってリスクの高さを知ることはできるのでしょうか?

このコラムでは、自閉症と出生前診断との関連について解説します。
医師と夫婦

1、NIPT(新型出生前診断)で自閉症は分かるの?

遺伝子の染色体異常を高精度で検査できるNIPT(新型出生前診断)は、国内に導入された2013年以降、徐々に認知度が高まり利用者が増加しています。

NIPTは、22種類の染色体の数や構造の異常を調べることで染色体異常を検査する方法ですが、先天性の疾患である自閉症についての検査が可能なのかについて、まずは解説します。

1-1. 自閉スペクトラム症はNIPT(新型出生前診断)では基本的には確認できない

自閉症は、先天性の脳の障害ではありますが、NIPT(新型出生前診断)では検査をすることはできません。

自閉症は発達障害の一つで、自閉スペクトラムと今では表現されています。
自閉スペクトラムの中には、高機能自閉症とアスペルガー症候群なおも含まれていますが、それらもNIPTによりリスクの高さを調べることはできません。

また、ADHD(注意欠陥多動性障害)・LD(学習障害)といった他の発達障害に関してもNIPTでは検査できません。

ミネルバクリニックのNIPTメニューであるスーパーNIPTgeneプラスには一部自閉症が含まれていますが、これは多種多様な自閉症のほんの一つにすぎません。

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1-2. 自閉症の症状

自閉症者は社会関係の構築を苦手としていて、言葉の使い方に異常が見られたり、強迫的・儀式的な行動が見られたりする傾向があります。

自閉症の症状は人それぞれで、程度の差もマチマチですが、特徴を表すと次のようになります。

・コミュニケーション・・・とても困難
・言葉の遅れ・・・ある
・知的障害・・・ある
・こだわり・・・とても強い

自閉症者は、他者とのコミュニケーションが苦手なことから、精神疾患などの二次的な障害が発症しやすい傾向もあります。

1-3. NIPT(新型出生前診断)とは?

NIPT(新型出生前診断)とは、先天性の染色体異常を調べるためのスクリーニング検査です。
妊娠9週目以降の妊婦さんの血液を採取し、染色体の数などを検査することにより異常のリスクを判断します。

基本的な検査として、21トリソミーダウン症候群(21トリソミー))・18トリソミー(エドワード症候群)・13トリソミーパトウ症候群)の検査をおこなうことができます。
また、検査を受けるクリニックによっては、これら3項目の他に全22種類の染色体異常についてのスクリーニング検査も可能です。

NIPTは、確定診断とは異なり、検査結果が100%ではない検査です。
従って、NIPTの検査結果が「陽性」であったとしても、その後確定診断をすると「陰性」に結果が覆ることがあります。

それでもNIPTが利用されるのは、妊娠早期から流産のリスクがほとんどなく受けられるという理由があります。

確定診断である羊水検査絨毛検査は、1%以下程度の確率ではありますが、流産のリスクがあります。
NIPTの「陰性」の的中率は99・9%なので、先にNIPTを受けてリスクが低いと分かった場合には、リスクを負って確定診断を受けなくても、遺伝子異常のリスクが低いことが確認できます。

1-4. なぜNIPT(新型出生前診断)で自閉症の検査ができないの?

自閉症の研究は急速に進められていますが、現在はまだ原因などが明確に解明されていない現状があります。

また、自閉症は複数の遺伝子の微妙な変化が引き起こしていると考えられており、ダウン症候群(21トリソミー)やエドワーズ症候群(18トリソミー)などのように、特定の染色体を見て明確に判断できるものではありません。

このことは、アスペルガー症候群やADHDなど他の発達障害に関しても同様のことが言えます。

1-5. 自閉症は一般的にいつ診断されるの?

何らかの発達障害を持つ人は、10~20人に1人と言われています。
症状の程度の違いこそあれ、発達障害は今非常に身近な疾患であると言えます。

では、自閉症がどのように診断されるかというと、基本的には症状から判断されます。

自閉症の場合、主にご家族がお子様の遊んでいる様子や他者との関わり方などを見て診察すべきかどうかを判断し、医師が実際にコミュニケーションのテストなどをおこなったうえで診断します。

以下に診断基準を明示しておきますが、明確な基準があるわけではないのですが、自閉症者における傾向や特性などから診断されます。

高機能自閉症・アスペルガー症候群・ADHD・LDなどについても同様です。
軽度の場合には、ご家族やご本人にも自覚がなく、大人になってから診断されるケースも最近増えています。

DSM-5における自閉症スペクトラム(ASD:Autism Spectrum Disorder)の診断基準

以下のA、B、C、Dを満たしていること。
A:社会的コミュニケーションおよび相互関係における持続的障害
①社会的・情緒的な相互関係の構築障害。
②他者との交流に用いられる非言語的コミュニケーションの障害。
③年齢相応の対人関係性の発達や維持をすることができない。
B:限定された反復する様式の行動、興味、活動(以下の2点以上の特徴で示される)
①常同的で反復的な運動動作、話し方。
②同一性へのこだわり、日常動作への融通の効かない執着、
 言語・非言語上の儀式的な行動パターン。
③集中度・焦点づけが異常に強くて限定的であり、興味が固定されている。
④感覚入力に対する鋭敏あるいは鈍麻、感覚を生じる環境に対する普通以上の関心。
C:症状は発達早期の段階で必ず出現するが、成長とともに明らかになるものもある。
D:症状は社会や職業その他の重要な機能に重大な障害を引き起こすものである。

1-6. 自閉症の治療

自閉症の治療は、本人が生活しやすい環境を整えることをメインとすることが多いです。

特に、学校や会社などの社会生活については、本人が思い通りにコミュニケーションが取れず周囲から誤解を受けてしまったり、本人がイライラや発作的な症状を起こしてしまったりすることがあります。

こうした状況が継続すると、うつなどの精神疾患を始めとした二次的な障害が生じてしまうこともあるため、周囲が本人の状況を理解して生活しやすい環境を整えることが重要視されるということです。

症状や状況によっては、薬の投与がおこなわれることもあります。

2、NIPT(新型出生前診断)以外の方法で赤ちゃんの自閉症リスクを検査する方法は?

上述の通り、自閉症の原因は明確になっているわけではありません。
また、先天的な脳機能の障害ではあるものの100%遺伝するものでもないことが知られています。

自閉症はこうした状況から、これまでは検査や診断が非常に難しいとされてきました(上述の通り、現に今でも自閉症の診断は、症状の観察によっておこなわれています)。

このような状況から、胎児の自閉症リスクを検査する方法はありません・・・
とこれまでは断言していましたが、最近はほんの少しずつですが風向きが変わってきました。

ごくわずかではありますが、自閉症のリスクについて相談に乗ってくれるクリニックが登場しています。

検査方法としては、妊婦さんとパートナーの方の遺伝子検査をおこない、それぞれの遺伝子エラーを調べます。
赤ちゃんの遺伝子情報はそれらの遺伝子の組み合わせによって決まるため、エラーが生じうる確率を計算するというものです。

とても専門的な内容にはなりますが、ミネルバクリニックでは遺伝子検査の専門家として自閉症検査も提供していますので、赤ちゃんの自閉症について心配だと感じている方はご相談下さい。

minerva-clinic.or.jp/genetictesting/autismpanel/

3、まとめ

自閉症に関する知名度や認識度は高まってきましたが、まだ世間の理解が深まったとは言えない状況です。
そして、自閉症を含む発達障害を持つ人の割合が10~20人に1人とも言われる中、妊娠中の赤ちゃんが自閉症を持っていないかと心配に思う妊婦さんが増えるのは、自然な流れです。

残念ながら、NIPT(新型出生前診断)で自閉症を検査することはできません。
自閉症は、先天的な疾患であるとはいえ、さまざまなエラーが複雑に絡み合って生じるエラーだからです。

どうしても心配な方は、記事内でご紹介した赤ちゃんの自閉症に関する検査・相談を検討するのも方法の一つです。

新型出生前診断をこれから受けることを考えている方は、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを受けられるミネルバクリニックをおすすめします。

ミネルバクリニックは新型出生前診断に関する最新技術や豊富な経験、知識が全て備わった遺伝子専門のクリニックです。

出産に対する悩みの相談先に困っている妊婦さんは、この機会に是非ご相談ください。

ミネルバクリニックNIPTトップページ
ミネルバクリニックNIPTメニュー
スーパーNIPT|スーパーNIPT(13トリソミー・18トリソミー・21トリソミー)・スーパーNIPTプラス(+微小欠失4疾患)・スーパーNIPTgeneプラス(100遺伝子の重篤な遺伝病を検出)
マルチNIPTカリオセブン|全部の染色体を7Mbでスキャン+微小欠失9疾患。胎児のDNA2.5%から可能なので9週から検査できます。
マルチNIPTデノボ|父親の加齢と相関する25遺伝子44疾患
ペアレントコンプリート:通常のNIPT(母親の側に原因がある疾患をチェック)+デノボ(父親側に原因がある疾患をチェック)
コンプリートNIPT:ペアレントコンプリート+カリオセブンの全部が入っています
イルミナVeriseq2(全染色体を7Mbで欠失・重複のスキャンが可能。但し、胎児のDNAが8%ないと正確性を担保できないため、妊娠11週からとなります)
オンラインNIPT:全国どこにお住まいでもミネルバクリニックのNIPTが受けられます

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

仲田洋美(医師)

プロフィール

1995年医師免許取得。血液・呼吸器・感染症内科を経て、臓器別・疾患別の縦割りの医療の在り方に疑問を感じ、人を人として”全人的”に診療したいという思いを強くし、臓器を網羅した横断的専門医となり、2010年にがん薬物療法専門医取得(2019年現在全国1200人程度)。臓器を網羅すると遺伝性がんへの対策が必要と気づき、2011年に臨床遺伝専門医取得(2019年現在全国1000人程度)。遺伝相談はセンシティブな分野にもかかわらず、昼間の短い時間しか対応できない大病院のありかたに疑問を感じて、もっと必要な人がハードルを感じずに診療を受けられるようにしたいと2014年12月に開業。以来、全国から大学病院でも難しい内容の対応を求める人々を受け入れ、よろづお悩み相談所として多くの人々の様々な”家族(計画)の問題”を改善に導く。

著書に”女性のがんの本当の話”(ワニブックス)、”遺伝するがん・しないがん”(法研)がある。
少ない専門家で、正直で嘘のない言葉選びから週刊誌等の取材も多く、医療系の特集に時折コメントが掲載。(週刊現代、週刊ポスト、週刊新潮など)。
テレビ出演も時々あり、小林真央さんの病状を市川海老蔵さんが初めて記者会見した日、フジテレビの午後4時台のニュース番組に生出演して解説。その他TBS, AbemaTVなど出演。

一人一人の事情に合わせた個別対応をするべく、しっかり時間を取って本当のニーズは何かを聞き取りすることを大切にしている。短い時間でもお互いが出会ったことが相手の人生に大きな意味があるような医師患者関係の構築を理想として日々精進。

患者さんが抱えている問題を解決するにはどうしたらよいのかを考えて医師歴8年目に法学部に学士入学した程度に”凝り性”。女医が少なかった時代に3人の母親として難関専門医を3つ取得して社会進出を続けた経験から、女性のライフスタイルを医学以外の部分でも支援したいと願っている。いろんな人生経験から心に響く言葉を投げかけるため、”会うと元気になる”ということで有名。飼いネコ3匹。

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