NIPTによる性別判定の精度と性別が違う稀なケースを紹介

NIPTによる性別判定がどれくらい正しいかという精度と、NIPTの検査結果の性別と実際に生まれた赤ちゃんの性別が違う稀なケースを紹介いたします。

妊娠中に男の子と女の子どちらが生まれてくるか想像して盛り上がるのは、夫婦にとって幸せなひとときです。
現代では、NIPTや超音波検査でいち早くお腹の中の赤ちゃんの性別を知ることができ、ベビー用品を買い揃えたり名前を考えておくことができます。
出生前診断にはNIPT・超音波検査・羊水検査・絨毛検査などがありますが、それぞれ性別を判定できる時期や検査精度は異なります。
そこでこの記事では、NIPTによる性別判定の精度と、極稀に起こる性の不一致の特殊なケースをご紹介していきます。
お腹の中の赤ちゃんの性別が気になって仕方ない方は是非参考にしてみてください。

出生前診断の性別判定の精度!NIPTの確率は?

胎児の性別は受精の段階で実は決まっており、妊娠の時期に応じたNIPT・超音波検査・羊水検査・絨毛検査といった出生前診断で男の子か女の子かを判別することができます。
ただし、これらは性別のみを判定するための検査ではなく、あくまで結果として性別が分かるということを心得ておきましょう。
ここからは、NIPTと比較対象になる出生前診断の性別判定の精度をご説明していきます。

NIPTによる性別判定

NIPTは、母体から採血した血液から胎児の染色体の異数性(染色体の余分なコピーと欠失コピー)をみて、胎児の染色体異常や遺伝子異常によって起こる疾患の有無を検査する「非侵襲性出生前診断」で、同時に性別の判定も可能です。
男性の染色体はXY、女性の染色体は早く性別を判定できる検査XXとなるため、Y染色体が見つかれば男の子の方が生まれるというのが一般的に認識されている性別決定の法則です。Y染色体はSRY(Sex-determining region Y)という遺伝子に含まれており、このSRYが哺乳類における男性の性別を決定しています。
ただし、稀にSRYがX染色体の方にのってしまい、Y染色体があるにも関わらず男性になれないケースもあります。一方女性の場合は、2本のX染色体から性別を特定することができます。

性別がわかる時期と判定の精度

NIPTを行っている認可施設では、35歳以上・妊娠10週0日という条件のもとで検査を行うことができますが、認可外施設の場合は、年齢制限なしで妊娠10週0日(ミネルバクリニックは9週0日)から検査を行って性別を判定することができます。
NIPTは超音波検査よりも早く性別を判定できる検査であり、NIPTの検査精度は99%と非常に高い確率になっています。
また、胎児の状態を傷つけるリスクなく染色体異常や遺伝子異常から起こる疾患を早期発見でできるため、妊婦さんにとっておすすめの出生前診断といえます。

超音波検査(エコー)による性別判定

医師と一緒に妊婦さんも視覚的に胎児の状態を確認できる方法が超音波検査(エコー)です。
超音波検査は2D、3D、4Dとそれぞれ精度が異なり、母体に超音波を当てて跳ね返ってきたデータから胎児の体を映像化し、その姿から男女の性別を判定することができます。
古くから使われてきた2Dは、平面写真で胎児の様子を確認することができます。2Dよりも精度が高い3Dはさらに奥行きが加わったもので、胎児が立体的に見えるので顔立ちなどの特徴も分かりやすくなります。
最も精度が高い4Dの超音波検査は、3Dの検査に時間を加えたもので、立体的な胎児の体をリアルタイムで確認することができます。4Dはより鮮明に胎児の状態を見れるというメリットがありますが、2Dのように心臓の動きなど体の内部までは見ることができません。
一般的には2Dの超音波検査を用いるケースが多く、3Dや4Dはどの医療機関でも扱っているわけではないことを覚えておきましょう。

性別が分かる時期と判定の精度

妊娠早期の超音波検査は内診で行うことになりますが、早くて妊娠12週くらいから男の子と女の子が判別できる可能性もあります。
胎児の体の向きなどが判定の早さに関わってくるため、まだはっきりしていない時点で医師から胎児の性別を告げられることはありません。
主に妊娠24週目以降から赤ちゃんの性別がはっきり分かるとされており、高い確率で性別判定が可能ですが100%の確率ではないため、どうしても性別を早く知りたい場合はNIPTなどの精度が高い他の検査もあわせて受けることを視野に入れましょう。

羊水検査による性別判定

羊水検査は、胎児や胎盤の正確な位置を予め超音波で調べた上で行う検査です。
腹部に羊水検査用の細い針を指して子宮から採取した羊水を検査し、染色体異常や性別を調べることができます。
必ず知っておきたいことが、羊水検査は100%安全な検査ではないということです。子宮に針を刺す検査のため、0.3%〜0.5%の確率で流産・早産といったリスクが伴います。
染色体異常を調べる検査は安全性の高いNIPTが推奨されるため、必ず医師に相談した上で、羊水検査を行うかどうかを決めましょう。

性別が分かる時期と判定の精度

羊水検査の場合、羊水量によって検査できる時期が多少異なり、だいたい妊娠15週〜16週以降に検査が可能となります。
検査の精度は非常に高く、リスクは伴いますがほぼ100%の確率で性別判定をすることができます。
絨毛検査による性別判定
絨毛は妊娠早期の胎盤の一部を指し、その絨毛を採取して検査する方法が絨毛検査になっています。
その検査方法は2種類あり、超音波画像に基づいてお腹に針を刺し、絨毛を採取する方法、そしてもう1つは膣内に鉗子(カテーテル)を入れて絨毛を採取する方法です。
胎児の染色体を顕微鏡で確認し、胎児の染色体異常や性別を検査することが可能です。染色体のみの検査となるため、全ての先天性疾患が分かるわけではありません。

性別が分かる時期と判定の精度

絨毛検査を行える時期は、妊娠11週〜14週になります。
羊水検査と同様に100%に近い確率で性別判定を行うことができますが、同じ侵襲的な検査となることを十分に理解しておきましょう。
リスクを考えた上で検査を行う必要があるので、まずはより安全でなおかつ精度も高いNIPTを選ぶことをおすすめします。

性の不一致が起こる稀なケースを紹介

NIPTや超音波検査といった出生前診断で高い精度の性別判定が可能ですが、それぞれの検査で性別間違いが起こるケースも稀にあります。
非常に高い精度の性別判定でなぜ、性別間違いが起こってしまうのか?
ここからはNIPTと超音波検査で性別間違いが起こってしまう原因と、実際にみなさんの胎児に対して性別間違いが起こってしまった場合の対処方法について詳しくご説明していきます。

バニシングツイン

NIPTと超音波検査の検査結果でそれぞれ性別が違っていた場合、そもそも間違いではない可能性があります。
その1つの原因として考えられるのが「バニシングツイン」です。
バニシングツインは、双子を妊娠したものの1人が健全な成長をできずお腹の中で亡くなって消えてしまうという症状です。
亡くなってしまった胎児の性別のDNAがしばらく存在することになり、その微量なDNAを誤って拾ってしまうことで性別の不一致が起きてしまいます。
しかし、このバニシングツインは妊娠が判明する前に胎児が消えてしまっている可能性も否定できないため、検査結果を比較して性別の不一致が起こっても間違いだと言い切ることはできません。
証拠を掴むこともできないため、こういうものだと割り切って前を向くことも大事になってきます。

性分化疾患

ただの性別間違いではなく、表現型の性が変わってしまう性分化疾患を胎児が持っていた可能性もあります。
性分化疾患は、卵巣や精巣などの内性器や外性器が本来あるべきである男女の典型的な形態ではない先天性疾患です。生まれた赤ちゃんの外性器が普通の男の子、女の子と異なっている場合にこの症状が疑われます。
性別を決める染色体は多くの場合男性がXY、女性XXとなり、この性染色体に基づいて卵巣や精巣が発達して男女の内性器や外性器がつくられます。この過程で何らかのトラブルが生じた場合に先天性疾患が起こってしまいます。
法律上の性を決定するにはさらなる検査が必要とされる場合もあり、医師の診断書があれば生後14日以降も受理されることになります。
性分化疾患をもって生まれる確率は世界でも約4,500人に一人とされています。このようなケースも稀にあることを覚えておきましょう。
まとめ
NIPTを始めとした出生前診断の性別判定の精度や、稀に起こる性の不一致のケースをご紹介しました。
お腹の中の子の性別を早く知りたいという場合は、染色体異常・遺伝子異常を早期発見できるNIPTがおすすめです。超音波検査による性別判定は24週目以降から精度が高くなりますが、それでも100%性別を特定することはできません。
また、稀にバニシングツインや性分化疾患といった症状が起こる可能性もあるため、NIPTと超音波検査による性別の間違いが起こっても、慌てることなく担当の医師を頼りましょう。
安全かつ高精度の出生前診断をされたい方は、遺伝子検査・新型出生前診断において豊富な実績を持つ「神宮外苑ミネルバクリニック」をおすすめします。
ミネルバクリニックは、世界的にも最新鋭の技術や検査を取り入れた遺伝子専門のクリニックで、NIPTを初めて体験される方にその全てを包み隠さずご説明することができます。
妊婦さんが抱える悩みと真剣に向き合い、心から安心できる出生前診断の場を作ることができるので、是非この機会にご相談ください。

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この記事の筆者:仲田洋美(医師)

仲田洋美(医師)

プロフィール

1995年医師免許取得。血液・呼吸器・感染症内科を経て、臓器別・疾患別の縦割りの医療の在り方に疑問を感じ、人を人として”全人的”に診療したいという思いを強くし、臓器を網羅した横断的専門医となり、2010年にがん薬物療法専門医取得(2019年現在全国1200人程度)。臓器を網羅すると遺伝性がんへの対策が必要と気づき、2011年に臨床遺伝専門医取得(2019年現在全国1000人程度)。遺伝相談はセンシティブな分野にもかかわらず、昼間の短い時間しか対応できない大病院のありかたに疑問を感じて、もっと必要な人がハードルを感じずに診療を受けられるようにしたいと2014年12月に開業。以来、全国から大学病院でも難しい内容の対応を求める人々を受け入れ、よろづお悩み相談所として多くの人々の様々な”家族(計画)の問題”を改善に導く。

著書に”女性のがんの本当の話”(ワニブックス)、”遺伝するがん・しないがん”(法研)がある。
少ない専門家で、正直で嘘のない言葉選びから週刊誌等の取材も多く、医療系の特集に時折コメントが掲載。(週刊現代、週刊ポスト、週刊新潮など)。
テレビ出演も時々あり、小林真央さんの病状を市川海老蔵さんが初めて記者会見した日、フジテレビの午後4時台のニュース番組に生出演して解説。その他TBS, AbemaTVなど出演。

一人一人の事情に合わせた個別対応をするべく、しっかり時間を取って本当のニーズは何かを聞き取りすることを大切にしている。短い時間でもお互いが出会ったことが相手の人生に大きな意味があるような医師患者関係の構築を理想として日々精進。

患者さんが抱えている問題を解決するにはどうしたらよいのかを考えて医師歴8年目に法学部に学士入学した程度に”凝り性”。女医が少なかった時代に3人の母親として難関専門医を3つ取得して社会進出を続けた経験から、女性のライフスタイルを医学以外の部分でも支援したいと願っている。いろんな人生経験から心に響く言葉を投げかけるため、”会うと元気になる”ということで有名。飼いネコ3匹。

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