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新型コロナウイルスに感染したのがわかったとき

新型コロナウイルスに感染したのがわかったとき

新型コロナの抗原検査もしくはPCR検査でCOVID-19と確定した場合、どうすればいいのか、濃厚接触者はどうなるのか、中和抗体薬・抗ウイルス薬投与対象となるのかなど皆様が知っておいた方がいいことをまとめました。

感染者がほかの人に感染させてしまう可能性がある期間(感染可能期間)とは

新型コロナウイルスの感染者がほかの人に感染させてしまう可能性がある期間は、発症の2日前から発症後7~10日間程度です。この期間のうち、発症直前・直後は特にウイルス排出量が多く、感染性が高いと考えられています。

そのため、新型コロナウイルス感染症と診断された人は症状がなくても不要・不急の外出を控えるなど、感染防止に努める必要があります。

濃厚接触者とは?

新型コロナウイルス陽性者の感染可能期間(発症日よりも2日前以降(無症状の方は検体採取日よりも2日前以降)から療養終了日)に陽性者と接触した方が濃厚接触者になります。濃厚接触は以下の条件がありますのでご確認ください。

1.患者と同居、あるいは長時間の接触(車内・航空機など)があった人
2.適切な感染防護なしに患者を診察、看護もしくは介護した人
3.患者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い人
4.その他、手で触れることの出来る距離(目安として1メートル)で、必要な感染予防策(マスクなど)なしで15分以上接触があった人(周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)

東京都多摩府中保健所|濃厚接触者の方へより引用)

航空機の場合、座席の位置によって違ってきます。国際線と国内線でも変わってきますのでご確認ください。

  • ◯国際線機内
  • 陽性者の前後2列以内の列に搭乗していた人

  • ◯国内線機内
  • 周囲2m以内に搭乗していた人が原則

また、医療機関や介護施設での濃厚接触者は以下の条件が濃厚接触に該当します。

  • ・適切な感染防護なしにあなたを診察、看護もしくは介護した人
  • ・あなたの気道分泌液(たん、唾液)もしくは体液等の感染性のある汚染物質に直接触れた可能性が高い人
  • ・その他、手で触れることの出来る距離(目安としては1メートル以内をさします)で、マスクなどの必要な感染予防策なしで15分以上接触があった人

濃厚接触者の待機期間とは

濃厚接触者の待機期間は陽性者との最終接触日を0日として5日間(6日目に解除)です。ただし、2日目及び3日目に抗原検査キット(自費で用意する)で陰性と判定されたら3日目から待機解除が可能です。

濃厚接触者の待機期間

東京都多摩府中保健所|濃厚接触者の方へより画像を引用)

濃厚接触者の接触者はどうすればいいの?

濃厚接触者に接触した人は、濃厚接触者が陽性判定を受けるまでは特に制限はありません。
濃厚接触者が陽性となった場合には、濃厚接触者に該当するかを判断されることになります。ただし、濃厚接触者は感染している可能性が高いので、日々十分に感染対策をして過ごすことが重要です。

PCRなどの検査で新型コロナウイルス陽性だった場合、いつからいつまでが療養期間で療養解除はいつですか?

2022年9月7日より基準が変更となりました。まずは下の画像をご覧ください。

療養解除

厚生労働省|新型コロナウイルス感染症についてより画像引用)

  • ◯陽性者に熱・咳など何らかの症状がある場合
  • 発症日から7日間経過している場合、8日目から療養が解除されます。また、症状が出ても解熱剤を使用せずに熱が下がり、咳や息苦しさがなくなってから24時間経過した場合も療養解除になります。

  • ◯陽性者が無症状の場合
  • 検体採取日から7日間経過したら療養解除が可能です。無症状のまま5日過ぎたときに検査キットによる検査で陰性が確認できたら6日目から療養解除できます。

  • ◯陽性者が当初無症状であっても途中で症状が出現してしまった場合
  • 新型コロナウイルス感染症は発症から10日間は感染性があるとされているため、発症日が起算日になります。

    症状がある人、無症状者の方も以下のお願いを確認の上、生活をして頂くようお願いします。

    ※症状がある方は10日間、無症状の方は7日間、感染リスクが残存することから、自身による検温、高齢者等重症化リスクのある方との接触や感染リスクの高い行動を控えていただく等、自主的な感染予防行動の徹底をお願いします。
    ※療養期間中の外出自粛について、有症状の場合で症状軽快(※)から24 時間経過後又は無症状の場合には、外出時や人と接する際は短時間とし、移動時は公共交通機関を使わないこと、外出時や人と接する際に必ずマスクを着用するなど自主的な感染予防行動を徹底することを前提に、食料品等の買い出しなど必要最小限の外出を行うことは差し支えありません。

    厚生労働省|新型コロナウイルス感染症についてより引用)

    ※症状軽快・・・薬を飲まずに解熱し、かつ、呼吸をしても苦しくないことを言います。

    退院基準・解除基準

    ・有症状者の退院基準について期間は従来どおり10日間のままです。

    • ① 発症日から10日間経過し、かつ、解熱剤を使用せずに解熱しており、呼吸器症状が改善傾向である場合(症状軽快)後72時間経過した場合
    • ② 症状軽快後24時間経過した後、24時間以上間隔をあけ、2回のPCR検査で陰性を確認

    ・症状病原体保有者の退院基準についても変更はありません。以下の通りになります。

    • ① 検体採取日から10日間経過した場合
    • ② 検体採取日から6日間経過後、24時間以上間隔をあけ2回のPCR検査陰性を確認

    宿泊療養等の解除基準

    退院基準同様、今までと同じです。

    新型コロナウイルス感染症療養隔離期間
    厚生労働省|退院基準・解除基準より画像引用)

    療養終了の判断

    療養終了の判断は、以下の要件を全て満たしていることを必要とします。

    • ・発症日から10日が経過していること
    • ・症状が軽快(薬剤を服薬していない状態で、症状がよくなっている)してから、72時間以上経過していること

    療養解除については、保健所が指導します。

    同居している家族の自宅待機はいつからいつまでですか?

    同居家族は原則濃厚接触者となりますので、2022年9月7日から7日間が隔離期間となりました。自宅待機期間は陽性者も自宅待機ならば可能な限り別室で生活をし、極力その部屋から出ないようにする、家の中でもマスクを着用する、手で触れる共有部分を消毒する、タオルなどは共同使用しないで別にする、適切に特に陽性者からのウイルスに汚染されている可能性のあるゴミ(鼻をかんだティッシュペーパーなど)は個別にゴミ袋に入れて封するなど接触を避けるようお願いします。

    自宅療養が可能な方

    新型コロナウイルス検査で陽性が確定した方は、東京都では原則として、都が用意した宿泊療養施設で療養していただくことになりますが、一定の要件を満たせば自宅療養が可能です。条件は以下の通りです。

    • 〇無症状又は症状軽快
    • 〇基礎疾患がない
    • 〇独居、または同居者全員が陽性、または高リスク同居者と隔離可能である

    濃厚接触者の自宅療養については下の画像を参照してください。

    自宅療養期間(濃厚接触者)
    中央区(東京都)HP|陽性者の自宅療養期間及び濃厚接触者(同居家族等)の自宅待機期間についてより画像引用)

    今回、一度陽性になりましたが、新型コロナワクチン接種はどうなりますか?

    一度陽性になった場合でも新型コロナウイルスに再感染する可能性もあります。もし4回目のワクチン接種対象者(3回目接種から5か月以上が経過した、①60歳以上の方、②18歳以上60歳未満で、基礎疾患を有する方や重症化リスクが高いと医師が認める方、医療従事者等及び高齢者施設等の従事者)であれば、接種をおすすめします。

    自然にできる抗体は主に新型コロナウイルスのSタンパクに対する中和抗体です。これに対してワクチンで誘導される中和抗体は新型コロナウイルスのNタンパクに対する抗体ですので、ウイルスのゲノムが変異することがあまりない部位を選んでおり、接種することでより免疫力が上がって重症化しにくくなるからです。

    ただし、発熱などの全身性副反応や、接種部位の痛みなどの局所的な副反応が、感染歴のない人と比べて高い割合で発現するといった報告もあります。感染後や治療後は、接種まで1か月以上の一定の期間をおく必要がありますので、不明な場合は、主治医に確認してください。

    新型コロナウイルスに対する特異的治療

    ウイルスそのものをターゲットにした治療を特異的療法と言います。現在、中和抗体薬、抗ウイルス薬がこれに該当しますが、全員が投与対象となるわけではなくリスクが高い人のみが対象となります。下記の記事でどういう方が対象になるのかについてご覧ください。

    ミネルバクリニックでは抗ウイルス薬、中和抗体薬のどちらも投与可能です。

    関連記事:COVID-19における重症度の定義
    COVID-19における重症化危険因子
    重症化リスクのある外来COVID-19患者に対する治療

    この記事の筆者:仲田洋美(医師)

    プロフィール

    1995年医師免許取得。血液・呼吸器・感染症内科を経て、臓器別・疾患別の縦割りの医療の在り方に疑問を感じ、人を人として”全人的”に診療したいという思いを強くし、臓器を網羅した横断的専門医となり、2010年にがん薬物療法専門医取得(2019年現在全国1200人程度)。臓器を網羅すると遺伝がんへの対策が必要と気づき、2011年に臨床遺伝専門医取得(2019年現在全国1000人程度)。遺伝相談はセンシティブな分野にもかかわらず、昼間の短い時間しか対応できない大病院のありかたに疑問を感じて、もっと必要な人がハードルを感じずに診療を受けられるようにしたいと2014年12月に開業。以来、全国から大学病院でも難しい内容の対応を求める人々を受け入れ、よろづお悩み相談所として多くの人々の様々な”家族(計画)の問題”を改善に導く。

    著書に”女性のがんの本当の話”(ワニブックス)、”遺伝するがん・しないがん”(法研)がある。
    少ない専門家で、正直で嘘のない言葉選びから週刊誌等の取材も多く、医療系の特集に時折コメントが掲載。(週刊現代、週刊ポスト、週刊新潮など)。
    テレビ出演も時々あり、小林真央さんの病状を市川海老蔵さんが初めて記者会見した日、フジテレビの午後4時台のニュース番組に生出演して解説。その他TBS, AbemaTVなど出演。

    一人一人の事情に合わせた個別対応をするべく、しっかり時間を取って本当のニーズは何かを聞き取りすることを大切にしている。短い時間でもお互いが出会ったことが相手の人生に大きな意味があるような医師患者関係の構築を理想として日々精進。

    患者さんが抱えている問題を解決するにはどうしたらよいのかを考えて医師歴8年目に法学部に学士入学した程度に”凝り性”。女医が少なかった時代に3人の母親として難関専門医を3つ取得して社会進出を続けた経験から、女性のライフスタイルを医学以外の部分でも支援したいと願っている。いろんな人生経験から心に響く言葉を投げかけるため、”会うと元気になる”ということで有名。飼いネコ4匹。

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    プロフィール

    この記事の筆者:仲田洋美(医師)

    ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

    仲田洋美のプロフィールはこちら

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