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新型コロナ|WHOがミュー株(B.1.621)を注目すべき亜種に指定

コロナウイルスのイメージ

世界保健機関WHOが2021年8月31日にミュー株(B.1.621)をVariants of Interest (VOI)に指定しました。

ミュー株は感染力の高さと免疫を逃れる、二つの脅威を持っていますので、要注意な変異株であることに間違いはありません。この記事ではミュー株についてご説明します。

新型コロナウイルスのミュー株(B.1.621)が指定されたVOIとは?

Variants of Interest (VOI)とは注目すべき亜種という意味で、ミュー株はColombiaで2021年1月に見つかった変異株です。

Variants of Interest (VOI)とは、SARS-CoV-2の亜種であって、過去の感染やワクチン接種によって人々が獲得した免疫を部分的に回避する可能性があるという懸念があるため特に監視対象とすることを意味しています。VOIは以下をみたすものを言います。

  • ・伝達性、重症度、免疫逃避、診断・治療逃避などのウイルス特性に影響を与えることが予測または既知の遺伝子変化を有するもの。
  • ・複数の国において、地域社会での重大な感染や複数のCOVID-19クラスターを引き起こし、相対的な有病率が増加し、時間の経過とともに患者数が増加していること、あるいは世界の公衆衛生に対する新たなリスクを示唆するその他の明らかな疫学的影響が確認されていること。

WHOが発表したパンデミックに関する週報によると、Muの変異体は「免疫逃避の潜在的な特性を示す一連の変異を有する」としています。予備的なデータでは、南アフリカで最初に発見されたベータ株と同様に、免疫防御を回避する可能性があるとされていますが、さらなる研究で確認する必要があります。

Muバリアントは、2021年1月にコロンビアで初めて確認されました。それ以降、散発的な症例やいくつかの大規模なアウトブレイクが世界各地で記録されています。南米以外では、英国、欧州、米国、香港で症例が報告されています。この亜種は、全世界のCOVID感染者の0.1%未満ですが、コロンビアとエクアドルでは、コビット感染者の39%と13%を占めており、この亜種が定着しつつあるようです。

英国では、少なくとも32例のMu型が検出されており、その感染パターンから、旅行者によって複数回持ち込まれたことが示唆されています。英国公衆衛生局(PHE)が7月に発表した報告書によると、ほとんどがロンドンで20代の人で、中には、コロナワクチンを接種した人もいました。

PHEは、VUI-21JUL-01(別名:B.1.621)のリスクアセスメントを発表しました。VUI-21JUL-01は、複数の国に拡散していること、英国に輸入されていること、懸念される変異としてE484K、N501Y、K417Nがあることから、7月21日に調査中の変異体(VUI)に指定されました。これらの変異は、調査中の他の変異体(VUI)および懸念される変異体(VOC)からも検出されています。2021年8月4日現在、イングランドで確認されたVUI-21JUL-01の症例は37件です。イングランドの6つの地域で症例が検出されており、ほとんどの症例がロンドンで発生しています。また、他のいくつかの国でも症例が報告されています。

VUI-21JUL-01への感染を防ぐためには、ワクチン接種と過去の感染が効果的でない可能性を示唆する実験室の予備的な証拠があります。しかし、このデータは非常に限定的であり、さらなる研究が必要です。また、VUI-21JUL-01が優性のDelta型よりも感染力が高いことを示す証拠はありません。

英国保健安全局の最高責任者であるジェニー・ハリーズ博士は次のように述べています。

最新の入院患者数は、私たち全員が、可能な限り早く2回分のワクチンを接種することがいかに重要であるかを改めて示しています。ワクチン接種は、COVID-19がもたらす深刻な病気のリスクから自分自身や大切な人を守るための最良の手段です。

しかし、ワクチンはすべてのリスクを排除するものではないことを忘れてはなりません。特に感染者数が多い間は、注意が必要です。屋内よりも屋外で会う方が安全であることを忘れずに、NHS Test and Traceで隔離するように言われた場合は隔離し、症状が出た場合は家にとどまり、できるだけ早くPCR検査を受けましょう。私たち全員が自分の役割を果たし続けることがとても重要です。

assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1009009/6_August_2021_Risk_assessment_for_SARS-CoV-2_variant_VUI_21JUL-01.pdf

こちらは英国公衆衛生局PHEが8月に発表したMu変異体のリスクアセスメントですが、この変異体がワクチン接種による免疫に対して少なくともBeta変異体と同等の耐性を持つことを示唆する実験結果を紹介しています。しかし、さらなる研究や実際の感染事例からさらに多くの研究データと証拠を得る必要があります。この亜種がどの程度の脅威となるかはいまのところ非常に不確かです。

「現時点では、VUI-21JUL-01がDeltaバリアントを凌駕しているという証拠はなく、感染力が高まっている可能性は低いと考えられます」としながらも、次のように警告しています。”免疫逃避が将来の感染拡大に寄与する可能性があります。”

新型コロナウイルスが細胞に感染する部位などの立体構造イメージ

ミューに関する懸念は、ミューが持つ特定の変異のためです。ミュー株のもつ変異にはN末端ドメインアミノ酸変化T95I、Y144T、Y145Sと挿入146N、受容体結合ドメイン(RBD)のR346K、E484K、N501Y、スパイクタンパク質のS1/S2切断部位のP681H1などが含まれます。

  • ・P681H変異:Alpha株に見られる遺伝子変異で、感染速度の速さに関連しています。
  • ・E484K、K417Nなどミュー株の他の変異:ウイルスが免疫の防御を回避するのに役立つ可能性があります。
  • ・N501Yはそれ自体は免疫回避せず、ワクチンの効果も変わらないのですが、そこにE484Kが加わると免疫を回避する(中和抗体が効きにくくなる)という現象が報告されています。

秋になってデルタ株に対する免疫力が上がってくると、それを逃れるこの変異がデルタよりも有利になる可能性があることを意味しています。

日本でのミュー株の報道内容

www.nikkei.com/article/DGXZQOUA01DGO0R00C21A9000000/

変異型「ミュー株」空港検疫で2例確認、厚労省
経済
2021年9月1日 22:04 (2021年9月1日 23:38更新)

厚生労働省は1日、コロンビアで1月に初めて確認された新型コロナウイルスの変異型「ミュー株」を6月と7月、空港検疫で2例確認していたと発表した。世界保健機関(WHO)が8月30日に注目すべき変異型(VOI)と位置づけてミュー株と命名したことを受け、国立感染症研究所のこれまでの検査結果を厚労省が改めて集計した。

ミュー株は6月26日にアラブ首長国連邦(UAE)から到着した40歳代女性と、7月5日に英国から着いた50歳代女性から確認した。いずれも無症状の病原体保有者だった。VOIは感染力が強いインド型(デルタ型)よりは警戒レベルが低い。

厚労省は「各国政府やWHO、専門家らと連携しつつ、諸外国の感染状況を注視しながら機動的な感染拡大防止対策に努めていく」との見解を示している。

日本ではまだ、空港検疫で発見されたのみで、市中感染は報告されていません。

まとめ

以上、突然WHOがVOIに指定したと思ったら、厚生労働省が2例の空港検疫陽性例を報告したので、デルタ株が蔓延している中、一体ミュー株とは何なのか?と思っているみなさんのために、記事を書きました。

お伝えしたように、アルファ株が持っているP681H変異は、Sタンパクの折り目であるS1とS2の境目にあり、タンパクの構造を変化させ、ACE2受容体に対して実際に結合する部位とACE2受容体との結合のしやすさにつながっているため、感染力が高いのが特徴で、ミュー株はこの変異を有していて、さらにミュー株が持っているその他の変異は免疫を逃れるのに役立つという研究報告もあります。

昨今話題になっていたラムダ株は、感染力の高さについてはまだエビデンスがありませんが、南米では猛威を振るっています。
ミュー株は感染力の高さと免疫を逃れる、二つの脅威を持っていますので、要注意な変異株であることに間違いはありません。

長丁場になることはすでに2020年初夏のサイエンスの論文で指摘されておりますので、みなさまはご自身と愛する人を守るため、ワクチンをお受けになり、そのうえで、マスク着用、手洗いなど感染防御をしてお過ごしください。

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この記事の筆者:仲田洋美(医師)

医師・仲田洋美の保有資格

医籍登録番号 第371210号
麻酔科標榜医 厚生労働省医政発第1017001号 麻 第26287号
日本内科学会 認定内科医 第19362号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本プライマリ・ケア連合学会 指導医 第2014-1243号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号
日本感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター ID3121号
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医 第J-535号

見ての通り、感染症専門医ではありませんが、感染症に関する二つの資格は一応持っているのと、「遺伝子検査」の専門医でもあります。
あと、この凝り性な性格でお勉強したので、通常の内科専門医よりは断然詳しいと思います。

間違っているところがあったらお知らせください。

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