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SARS-cov-2(新型コロナ)ウイルスの感染能力【1】感染様式

感染様式の種類

感染様式には,
経口感染
接触感染
飛沫感染
空気感染
があります.

経口感染

病原体に汚染された食物を生または十分に加熱しないで食した場合,または感染した人が調理中に病原体の付着した手指等を介して食品や水を汚染してその汚染食品を摂取して感染する様式.

接触感染

耐性菌感染症・偽膜性腸炎・腸管出血性大腸菌・赤痢・A型肝炎・ロタウイルス・RSウイルス・疥癬・流行性角結膜炎・水痘・SARS など
皮膚や粘膜が直接的な接触し,または医療従事者の手や医療器具その他ドアノブ,白衣表面など物体の表面を介する間接的接触により病原体に感染する様式.

飛沫感染

B型インフルエンザ菌・髄膜炎菌性髄膜炎・喉頭ジフテリア・マイコプラズマ・百日咳・肺ペスト・インフルエンザ・ムンプス・風疹・アデノウイルス・ライノウイルス・A群連鎖球菌抗菌剤治療の最初の24時間 など
病原体がせき・くしゃみなどにより、細かい唾液や気道分泌物につつまれて空気中に飛散し,約1m(最大2メートル)の範囲で浮遊し,他人の鼻粘膜や上気道に取り込まれて感染する様式。エアロゾルは飛沫核の周囲に水分を含む直径5μmより大きい粒子をいいます.

空気感染

結核・水痘・麻疹
病原体が 直径5μm以下の飛沫核に包まれて2m以上超えて空気中を浮遊し、下気道まで取り込まれる形で感染する様式。

SARS-cov-2(新型コロナウイルス)の感染様式

ヒトに感染するコロナウイルスには,
ヒト呼吸器コロナウイルス(229E,OC43,NL63,HKU-1)
重症急性呼吸器症候群(SARS)SARS-cov-1コロナウイルス(2002年に発生)
中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス(2012年~発生)
新型コロナウイルスSARS-cov-2があります.

コロナウイルスは,飛沫感染により感染します.
ですので,2m離れると感染しないといわれています。
2mまで到達する前に,エアロゾルは乾燥して飛沫核となり,インフルエンザウイルスを含む多くのウイルスは乾燥することで感染性を失います.

コロナウイルスはインフルエンザウイルスとおなじよう2m離れたら感染しないと考えられています。
しかし,湿気のある密室では空中に浮遊するエアロゾル中のウイルスは乾燥を免れ,数分から30分程度,感染性を保持すしていることが報告されています.

ヒト呼吸器コロナウイルス

潜伏期間は大体3日.
鼻汁の多いいわゆる「鼻風邪」を生じますが,ウイルス性なので透明な鼻水です。
感染様式は飛沫というよりはティッシュで鼻をかむ際に鼻を触った手がウイルスで汚染されて,その手でドアノブなどの物を触り,そこに付着したウイルスが物を介して別の人の手にうつり,その手を顔面にもっていくことで感染するという接触感染様式をとります.
物体の表面でどれぐらい感染性が保持されるかについては,従来3時間程度と言われてきましたが,中国からの研究でプラスティックなどの表面で3日程度,痰や糞便では5日,尿中で10日と報告されています。

SARS-cov-1(SARSの原因ウイルス)

SARSが香港のホテルで集団発生した事例では,感染者が宿泊した部屋で使用した雑巾で,同じ階の各部屋を掃除し,雑巾を介してウイルスが同じ階のほかの部屋に広がり,感染が各国の宿泊者に拡大したと報告されています。
SARS-cov-1では,間質性肺炎という形式の肺炎を起こして,そこで増殖したウイルスが気道に出て咳などにより放出されるという飛沫感染形式だけでなく,感染者から出た咳や痰,下痢便など,ウイルス量が多い排泄物が付着していたものが感染源となりました.

SARS-cov-2(新型コロナウイルス)

SARS-cov-1とおなじく物を介する感染を防ぐために,顔に手をもっていかない,手の消毒や手洗いが重要と考えられています.
また,飛沫感染については,咳やくしゃみの飛沫だけでなく,呼気にたくさん含まれる1μm以下のエアロゾルも感染性を有する可能性が示唆されます。

この記事の筆者

医師・仲田洋美の保有資格

医籍登録番号 第371210号
麻酔科標榜医 厚生労働省医政発第1017001号 麻 第26287号
日本内科学会 認定内科医 第19362号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本プライマリ・ケア連合学会 指導医 第2014-1243号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号
日本感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター ID3121号
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医 第J-535号

見ての通り、感染症専門医ではありませんが、感染症に関する二つの資格は一応持っているのと、「遺伝子検査」の専門医でもあります。
あと、この凝り性な性格でお勉強したので、通常の内科専門医よりは断然詳しいと思います。

間違っているところがあったらお知らせください。

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