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つわりのピークはいつ?先輩ママの体験談とシーン別の乗り越え方

妊娠が初めての方にとっては、先輩ママから聞く「つわりの辛さ」に不安を感じている人も多いかと思います。
とはいえ、事前につわりに関する知識を身につけ、対策方法を知っておけば、症状を緩和できる可能性は大いにあります。

本記事では、つわりピーク時の症状や対策について、わかりやすく解説していきます。辛いつわりの症状を少しでも抑えるため、ぜひ活用してください。

つわりとは?

「つわり」とは、妊娠初期に起こる不快症状を指すことが多いです。
医学用語で「悪阻(おそ)」といい、吐き気や消化不良、食欲不振などが症状として現れます。

妊娠してつわりに悩む方は多いです。明確な原因は不明となっていますが、妊娠による急激なホルモンや代謝の変化によって、つわりが誘因されると考えられています。
とくに、妊娠初期に胎盤から分泌されるホルモンであるhCG(ヒト絨毛性性線刺激ホルモン)が、つわりと関係していると考えられています。
なぜなら、つわりピーク時とhCG(ヒト絨毛性性線刺激ホルモン)の分泌が高まる時期が一致しているからです。

とはいえ、上記はまだ研究段階で、つわりはホルモン分泌以外にもストレスや環境にも影響がでやすいと考えられており、原因は複雑なものといえます。

軽度のつわりの症状

つわりが始まったばかりの頃はまだ比較的症状が軽く、「これがつわりかと思う程度」の自覚症状であることが多いです。
軽度のつわりの自覚・他覚症状は下記の通りです。

  • ・軽度に全身がだるくなる
  • ・頭がぼーっとする
  • ・早朝や空腹時に気持ちが悪くなる
  • ・食欲が湧かない
  • ・味覚が変化する
  • ・1日中眠くなる
  • ・乗り物で酔いやすくなる

「つわり」は症状やピーク時に個人差があり、人によっては症状がまったくない人もいます。
妊娠初期であっても、自分にとって「重いつわり」と感じたら、無理せず主治医に相談すると良いでしょう。

つわりのピークはいつごろ?

つわりは、妊娠5〜6週目から始まることが多く、悪心や嘔吐、食欲不振といった症状が現れます。
妊娠9週目前後がつわりのピークとされており、胎盤が完成する妊娠12〜16週目には、ほとんど消失します。

とはいえ、人によっては中々つわりの症状が治らなかったというケースも少なくありません。
妊娠12〜16週目以降もつわりの症状が緩和されない場合は、無理せず主治医に相談しましょう。

つわりピーク時の症状

つわりピーク時の症状や対策をわかりやすく解説

つわりピーク時は軽度のときとは異なり、「非常に重症だと感じる程度」の自覚症状があります。
つわりピーク時の自覚・他覚症状は下記のとおりです。

  • ・1日数回の苦痛をともなう悪心・嘔吐
  • ・冷や汗が止まらない
  • ・頭痛がする
  • ・食事が摂ることが困難
  • ・強い全身の倦怠感
  • ・時間に関係なく強い眠気に襲われる

つわりピーク時では、軽度のときよりも悪心や嘔吐の回数が増えます。
誘因となるのは、食べ物のにおいであったり、環境のにおいであるケースが多いです。
また、自分のよだれの味やネバネバとした感覚を不快に思ってしまい、それらが吐き気を誘因することもあります。
さらに悪心や嘔吐だけでなく、冷や汗や頭痛、強い倦怠感を覚える症状も出現します。

上記にともない、食事を十分に摂ることが困難になりやすいため注意が必要です。
場合によっては主治医に鎮吐剤や鎮静剤を処方してもらうと、症状が緩和されます。

つわりがひどいのは妊娠悪阻かも?

つわりピーク時に、症状が重すぎる場合は「妊娠悪阻(にんしんおそ)」である可能性もあります。
「妊娠悪阻」はピーク時のつわり症状が持続的に続き、脱水や飢餓状態となった状態です。
「重いつわり」と「妊娠悪阻」の判別方法は、体重の減少です。

妊娠前の体重よりも減少していた場合は、妊娠悪阻の可能性が考えられます。
そのほかにも、尿検査によりケトン体が陽性であったり、血液検査での血液濃縮や電解質のバランスの乱れもあったりするため、早めの検査をすることが得策でしょう。

妊娠悪阻になる割合は、全妊婦の0.5%前後といわれています。
妊娠悪阻となり、症状が悪化すると内臓や脳に支障をきたし、母子共に危険な状態に陥る恐れも十分にあり得ます。
「つわりは我慢するもの」「今が辛くてもいずれは良くなっていく」などと、つわりの辛さを我慢せずに、つわりが重すぎる場合は必ず主治医に相談しましょう。

つわりを緩和する対策

妊娠した方の半数以上の方がつわりを経験します。
辛いつわりを完全になくすことは難しいですが、少しでも症状を緩和するために適切な対策を知っておくことは大切です。

本章では、症状に合わせたつわりを緩和する対策について解説していきます。
対策によって、改善する可能性があるつわりの症状は下記のとおりです。

  • ・食べ物の味で悪心・嘔吐してしまう場合
  • ・食べ物を食べていないと嘔吐してしまう場合
  • ・食べ物や環境のにおいで悪心・嘔吐してしまう場合
  • ・眠かったり倦怠感があったりする場合

人によって症状が異なるため、それぞれの対策をしっかりと確認しておきましょう。

食べ物の味で悪心・嘔吐してしまう場合

食べたり飲んだりした際に、悪心や嘔吐をしてしまう場合は、無理して全量を食べる必要はありません。
とはいえ、何も食べない状態だと空腹状態によって血糖値が下がり、吐き気を催す可能性もあります。

対応策として、食べられる分だけを「少量ずつ食べる」と良いでしょう。
果物やヨーグルト、アイスなどは妊娠中に比較的食べやすいとされています。
コンビニなどで売っているグミやカリカリ梅などであれば、持ち歩きが可能で手軽に食べられるため便利です。

また、こまめに水分補給することも大切です。
1日に何度も嘔吐を繰り返していると、体内の水分が不足してしまい脱水症状に陥りやすくなります。
果汁ジュースや炭酸水などは比較的飲みやすいため、積極的に摂取すると良いでしょう。

食べ物を食べていないと嘔吐してしまう場合

食べ物を食べていないと嘔吐してしまう場合は、飴やグミ、梅干しなどを携帯しておくと良いでしょう。
また、起床時にすぐに食べられるように、おにぎりやパンを事前に準備しておくことも得策です。

とはいえ、「食べ物の食べ過ぎ」には注意が必要です。
つわりを予防するために、常に食べてしまっていると体重オーバーとなりお腹に負担がかかってしまいます。
さらに、常に食べ続けていると胃の休まる時間がないため、負担をかけてしまい、つわりを悪化させる要因にもなり得ます。
バランスの良い食事を心がけ、体重が大幅に増加しないように意識しましょう。

食べ物や環境のにおいで悪心・嘔吐してしまう場合

食べ物やタバコ、香水などのにおいで悪心・嘔吐の症状を引き起こす場合は、不快なにおいを避けることが大切です。
たとえば、食べ物のにおいが不快に感じる場合は、冷たい食べ物を積極的に摂取するとにおいが軽減できます。
また、環境のにおいが不快に感じる場合は、香料のある柔軟剤や化粧品は使用しない、パートナーへ室内のタバコは控えるように伝えるなどの対策を行いましょう。

眠かったり倦怠感があったりする場合

眠気や倦怠感がある場合は、可能な限り「無理せず仮眠をとる」ことが大切です。
仕事をしている方であれば、休憩時間中に横になったり、仮眠をとったりするだけでも楽になります。

その際に、スマホ画面やテレビを見ながら仮眠を取ることは避けましょう。
ブルーライトを見続けると、疲労の原因になったり、不眠や頭痛を引き起こす可能性もあります。
眠気や疲れがある場合は、スマホなどの電子機器には触らずにしっかりと休息するようにしましょう。

また、寝る前にマッサージをするのもおすすめです。
マッサージをすることで、血流が良くなり自律神経のバランスが整いやすくなります。
また、体をほぐしてあげることでリラックス効果も期待できます。

セルフケアで症状が改善できない場合は薬の処方も検討しよう

「少量ずつ食事を摂る」「仮眠をとる」など、セルフケアをしても、つわりの症状に改善が見られない場合は、薬の処方も検討してみましょう。
注意点として、薬局で売られている吐き気止めや酔い止めなどの市販薬は避ける必要があります。
つわりの症状が緩和されない場合は、必ず主治医に相談した上で処方された薬を服用するようにしましょう。
また、場合によっては漢方やビタミン剤の処方をしてもらえる可能性があるため、主治医としっかり相談した上で処方してもらうと良いです。

【まとめ】つわりのピーク時は無理をせず受診するか症状が緩和しそうな方法を試そう

妊娠中で横になって休んでいる女性

「つわり」は、症状やピーク時に個人差があり、人によっては症状がまったくない人もいます。
つわりピーク時の自覚・他覚症状は下記のとおりです。

  • ・1日数回の苦痛をともなう悪心・嘔吐
  • ・冷や汗が止まらない
  • ・頭痛がする
  • ・食事が摂ることが困難
  • ・強い全身の倦怠感
  • ・時間に関係なく強い眠気に襲われる

妊娠初期であっても、自分にとって重いつわりと感じたら、「妊娠悪阻」の可能性もあるため、無理せず主治医に相談すると良いでしょう。

妊娠した方の半数以上がつわりを経験します。
辛いつわりを完全になくすことは難しいですが、少しでも症状を緩和するために適切な対策を知っておくことは大切です。
本記事を参考に、つわりがきたときに少しでも緩和ができるように、しっかりと対策を確認しておきましょう。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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