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妊娠した日はいつ?安定期は?|妊娠週数の計算方法

ご自分の友人や知人が妊娠をすると「○ヵ月だね」なんて会話をしたことがあると思います。ところが、自分が産婦人科に行くと医師から「○週目ですね」と告げられて「どうして週数なの?」「いつから週が切り替わるの?」といった疑問が湧いてきたと思います。

実は産婦人科では妊娠を週数で数え、40週0日を出産予定日としているため週数にしているのです。「40週だと10ヶ月にならないのでは?」と思ったかもしれません。そこで今回は妊娠週数についての説明や数え方について詳しく紹介をします。これがわかれば安定期はいつ頃からか出産予定日はいつくらいなのか予測ができるのでぜひご覧ください。

妊娠週数とは?

「妊娠したかな?」と思って産婦人科へ診察を受けたら「最後に生理(月経)がきたのはいつですか?」と聞かれたことがあるでしょう。妊婦さんなら誰でも経験したと思います。生理(月経)がこなくて妊娠に気づくきっかけになったママさんもいると思います。診察を受けて妊娠がわかれば妊娠週数をもとに出産予定日が計算されます。

どうして産婦人科で妊娠週数にしたかと言いますとWHO(世界保健機関)が妊娠期間は280日±15日と定義したからです。それにより産婦人科で妊娠の時期を満週数で数えるようになったのです。

下の記事でも妊娠週数について紹介しているので参考にしてください。

あなたは大丈夫?妊娠期間の数え方

まず、いつから妊娠0日になるのでしょう?日本では生理の最終日を妊娠初日として換算しています。最後に生理がきた日から6日間が妊娠0週となります。最後の生理がはじまった日から数えて8日目は、妊娠0週7日目と数えずに妊娠1週0日という数え方です。7日で1週ではなく6日で1週となりますのでご注意ください。

月の数え方は28日を妊娠の1ヶ月とします。そして280日目が出産予定日です。28日にしているのは生理周期が28日だからです。つまり6日×4週間で28日という計算です。28日×10ヶ月で出産となりますので40週で10ヶ月になるのです。もちろん出産予定日はずれが生じますので必ずしも280日で出産するわけではありません。ただ、目安にはなりますので数え方を覚えておくと出産前後の予定が立てやすくなります。

出産日の計算方法を教えます

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先述したように妊娠0日は最後の月経日です。ただ、そんなことを言われてもいつだったか記憶をたどらないといけないし、指折り数えるのも面倒くさいでしょう。

そこで簡単に出産予定日を算出する方法としてはネーゲレ換算法というものがあります。この方法は月経(生理)日の初日の月に9を足すか、3を引き、日に7を足す計算方法です。月が12を超える場合は3を引くので4月以降は3を引いてください。

例えば、5月15日が最終月経日だとすると「月-3=2月」「15日-7=8日」となり、出産予定日は「翌年の2月8日」になります。下の記事にも詳しく書いていますのでご覧ください。

ただし、ネーゲレ換算法で出産予定日が計算できるのは生理が28日周期で規則正しくくる方のみです。生理不順がある場合は成り立ちません。もしご自分が生理不順の場合、超音波(エコー)検査で赤ちゃんの大きさをはかり、大きさから妊娠週数や出産予定日を推測する形になります。妊娠8~11週のCRL頭殿長:とうでんちょう)と呼ばれる赤ちゃんの頭からおしりまでの長さには、個人差がほぼありません。この時期のCRLから算出される出産予定日が、最も誤差がないといわれています。以下のリンクにある記事では超音波エコーで妊娠週数の決め方を解説しています。

妊娠週数・月数の早見表

ネーゲレ換算法で出産予定日は計算して目安がわかりますが、妊娠初期や妊娠安定期に入る頃がいつなのか予測する計算式はありません。

そこで妊娠月数、週数、日数を表にしました。これですぐに安定期や臨月に入る頃もわかりますので活用してください。

妊娠月数 妊娠週数 妊娠日数  
1ヶ月 妊娠初期 0週 0~6日 流産
21週まで
1週 7~13日
2週 14~20日
3週 21~27日
2ヶ月 4週 28~34日
5週 35~41日
6週 42~48日
7週 49~55日
3ヶ月 8週 56~62日
9週 63~69日
10週 70~76日
11週 77~83日
4ヶ月 12週 84~90日
13週 91~97日
14週 98~104日
15週 105~111日
5ヶ月 妊娠中期 16週 112~118日
17週 119~125日
18週 126~132日
19週 133~139日
6ヶ月 20週 140~146日
21週 147~153日
22週 154~160日 早産
22週~36週まで
23週 161~167日
7ヶ月 24週 168~174日
25週 175~181日
26週 182~188日
27週 189~195日
8ヶ月 妊娠後期 28週 196~202日
29週 203~209日
30週 210~216日
31週 217~223日
9ヶ月 32週 224~230日
33週 231~237日
34週 238~244日
35週 245~251日
10ヶ月 36週 252~258日
37週 259~265日 正期産
41週まで
38週 266~272日
39週 273~279日
  40週 280~286日
41週 287~293日
42週 294~300日 過期産
43週 301~307日

出産予定日がずれるのはどうして?

気を付けないといけないこと

先述したようにネーゲレ換算法はあくまでも目安です。生理周期が28日で規則正しくくる方向けの方法になります。生理(月経)周期は個人差があり、28日ではなく34日でくる人もいれば25日でくる人もいます。中には生理不順でくる日数がバラバラな人もいるので予定通りにいかない場合があるのです。

妊娠中に体質が変われば胎児の発育にも影響が出る場合もあります。2019年度の日本産科婦人科学会周産期委員会の調査によると、予定日を過ぎた出産となる40週以降の出産は約7%となっています。

なお、妊娠22週以降の出産のうち、妊娠37~39週の出産は約60%です。遅れたり早まったりしても特に気にする必要はないでしょう。

妊娠に安定期はない?

実は医学的に妊娠安定期という言葉はありません。一般的に妊娠中期の妊娠16週からを妊娠安定期と呼んでいるようです。赤ちゃんの胎盤が完成しており、流産やつわりのリスクが軽くなっているからだと思われます。また、つわりでなくしていた食欲も戻ってくる妊婦さんも多いのが特徴です。妊娠中ですが旅行に行くといった活発に動ける時期でもあるので一般的に安定期と呼ばれています。

いつまでが安定期になるかはさまざまで、臨月までという人もいれば妊娠中期そのまま安定期だという人もいます。ただ、妊娠16週目以降は後期流産(妊娠12週以降22週未満の流産)の可能性はあるので無理をしないで過ごしてほしい時期なのは間違いありません。流産や早産といった症状のリスクを下げるためにも適度な運動をしたり、体重管理をしたり、妊婦健診を受診したりして体調管理を心がけてください。

他にも安定期と呼ばれる時期の過ごし方については下の記事に詳しく説明していますので参考にしてください。

正期産とは?

妊娠中に産婦人科の医師から「生期産」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これは妊娠37週0日から41週6日までの間に出産することを指します。妊娠37週0日に入ると胎児の身体機能や臓器は充分に発育するため、正期産であればいつ出産に至っても発育上の問題ないからです。

先述したように妊娠予定日というのはあくまでも目安です。母子ともにリスクの少ない期間であり、分娩の95%以上が正期産です。正期産の目安である37週以前に生まれることは「早産(そうざん)」といいます。早産だと赤ちゃんに呼吸困難などの非常に重い障害が残る可能性が高まります。

反対に妊娠42週0日以降の出産は「過期産(かきさん)」です。妊娠期間が長くなることで胎盤の機能が低下してしまい、それに伴い羊水が濁ったり、過熟児・巨大児になってしまったり胎便吸引症候群を引き起こしたりする可能性があります。

もちろんすべての人にこうしたリスクが起きるわけではありません。妊娠40週を過ぎると母子の様子を見て誘発分娩での出産を促すといった方法でリスクを避けていきます。

出産予定日を超過しているときの過ごし方は?

出産予定日を過ぎても出産の兆候がないと気持ちが焦り、不安になってしまいます。できれば、リラックスして過ごしてストレスをためないように心がけてください。

赤ちゃんの胎動を気にかけたり、話しかけたりするのもいいかもしれません。また、無理のない程度に歩いたりするのもよいでしょう。パートナーと近所を散歩するのもおすすめです。

NIPT(新型出生前診断)は妊娠9週目からOK!

計算式で妊娠の時期や出産予定日がわかったら気になるのはお腹の赤ちゃんが正常に成長しているかどうかかもしれません。もし早めに状態を知りたいのではあればNIPT新型出生前診断)を受けるのがいいでしょう。なぜなら不安定な時期でもある妊娠初期で受け付けができ、妊婦さんの負担が少ないからです。

NIPT(新型出生前診断)は、妊婦さんの血液を採取してダウン症候群21トリソミー)などの先天異常を調べる検査です。日本全国で多くの医療機関が実施をしています。ミネルバクリニックはNIPT(新型出生前診断)では欠かせない検査前の遺伝カウンセリングを実施できる臨床遺伝専門医がいるクリニックです。妊娠9週目から検査可能であり、オンライン診療で全国から受け付けをしていますのでお気軽にお問い合わせください。

まとめ

ここまで妊娠週数の計算方法や妊娠安定期についての説明をしてきました。赤ちゃんが生まれる日を知りたいと思うのは親なら当然のことです。自分が妊娠してからどれくらいの週数なのかを知れば自ずと過ごし方についてもより細かく配慮するでしょう。

もし、計算方法がわからなくなったら上に載せた表で一目瞭然なのでいつでも確認をしてください。そして無事に出産をして元気な赤ちゃんを授かることをお祈りしております。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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