13トリソミー(パトウ症候群)胎児のエコーで分かる特徴|いつから分かる?

13トリソミーパトウ症候群とは正常では2本1組しかないはずの第13番染色体が3本に増えてしまうことにより身体に様々な症状がでるトリソミー症候群のことです。歴史的に産婦人科の妊婦健診では超音波検査と母体血清マーカー検査を組み合わせたコンバインド検査などを開発して出生前検査をしてきました。トリソミーなどの染色体異常は奇形(外から見てわかる形態異常)を伴うため、妊婦検診のエコーや胎児ドック(より精密な胎児超音波検査)で発見することも場合によっては可能で、出生前診断の最もよい対象となります。この記事では13トリソミーのエコーで分かる特徴にはどの様な特徴があるのか、またその特徴は妊娠何週ごろから現れるのかについて記載していきます。

13トリソミー胎児のエコーで分かる特徴|1.全前脳胞症

全前脳胞症
発生の過程で左右に分離するはずの大脳半球(前脳)が分離不全を起こし、左右の大脳半球が癒着している状態です。無葉型(最重症型)、半葉型、分葉型に分類されています。
無葉型あるいは半葉型の50~60%に染色体異常の合併があり、そのうちの50~75%が13トリソミーであったといわれる一方、13トリソミーの内39%に全前脳胞症が見られたとも言われているように、13トリソミーの胎児のエコーでよく見られる特徴となります。

13トリソミー胎児のエコーで分かる特徴|2.脳梁欠損

脳梁
脳梁とは大脳の左右の半球を繋ぐ一番大きな神経の束のことをいいます。この脳梁が部分的または全て無くなっている状態を脳梁欠損といいます。大体の場合、胎児前脳に全前脳胞症(ぜんぜんのうほうしょう)のような大きな奇形が発生するのに合併し、結果的に頭蓋骨の内部構造がいびつになります。側脳室など脳室は大体の場合大きくなり(拡張し)、左右の両半球の間に嚢胞(なにがしかの袋をこういいます)を形成することが多くなっています。

13トリソミー胎児のエコーで分かる特徴|3.眼間狭小

眼間狭小というと、左右の瞳孔の間の距離が広いというイメージをする方が多いでしょうが、医学的には眼窩(眼球の入っているくぼみ)の左右の大きさを意味する場合があります。
この場合は眼窩自体の左右径が頭部の一番大きな径(大横径)と比べて小さいことを指します。
眼間狭小は全前脳胞症、とりわけ無葉全前脳胞症などで認められることが多くなっています。眼間狭小のできるメカニズムと頭部・頭蓋の中心線上の形成が阻害されることが密接に関係しているためです。眼間狭小を認める疾患としては、様々な染色体異常(特に13トリソミー)、小頭症など多数あります。出生前診断された眼間狭小の症例では口唇裂の合併が多いという報告もあります。

13トリソミー胎児のエコーで分かる特徴|4.小眼球症、無眼球症

小眼球症とは先天的に眼球が小さい状態で、眼球全体の小さい物と、角膜・水晶体・網膜・硝子体等の発生異常に伴い眼球の発達が阻害されて起こるものもあります。無眼球症は小眼球症の最重症例となります。
これらの症例では染色体異常(特に13トリソミー)を検討し、妊娠中の薬剤使用、放射線被曝、サイトメガロウイルス、風疹、トキソプラズマなどの母体感染症に関する検査が必要となります。

13トリソミー胎児のエコーで分かる特徴|5.口唇裂および口蓋裂、口唇口蓋裂

口唇裂・口蓋裂口唇口蓋裂は顔面裂の一種で、奇形の中でも発生率が高く、日本では500人に一人と報告されています。白人では1000人に一人なのに日本人では倍になっていることも注目される点です。
口唇裂があると、およそ1/3で口蓋裂を合併するといわれています。 口蓋裂の頻度は意外に高いのですが、口唇裂の口唇裂・口蓋裂に合併する奇形としては小顎症、心奇形、耳奇形に注意が必要で、13トリソミー(パトウ症候群)、18トリソミーエドワーズ症候群)、21トリソミーダウン症候群)といった染色体異常に口唇裂・口蓋裂が合併することが多いことから羊水穿刺(羊水検査)の上、染色体検査を行う必要があります。

13トリソミー胎児のエコーでわかる特徴|6.小耳症

胎児の耳の大きさ(耳介長)は妊娠週数とともに大きくなることは想像に難くないと思いますが、耳介の長さは妊娠週数とは無関係に頭の最大横径(大横径)の約1/3だと報告されています。耳が小さい小耳症は、さまざまな奇形症候群に合併するのですが、特に13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーなどの染色体異常(数的異常)では小耳症を合併する頻度が高いという報告が数多くなされています。

13トリソミー胎児のエコーでわかる特徴|7.嚢胞性ヒグローマ

嚢胞性ヒグローマはリンパ管系に発生する奇形で、特に頚部に多いものです。妊娠のいつから見られるようになるのかというと、大体早ければ妊娠12週頃から赤ちゃんの首のうしろ(項部、うなじ)に認められるようになります。一番おおいのはTurner症候群ですが、他の染色体異常である13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーなどのトリソミーに合併して見られることが多いのも特徴です。

13トリソミー胎児のエコーで分かる特徴|8.肺低形成

肺の形成が悪い、という症状は13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーなどの奇形症候群で認められます。

13トリソミ胎児ーのエコーで分かる特徴|9.心奇形

胎児に心奇形を認めた場合には染色体異常の可能性が高まります。
13トリソミーの場合には心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、大動脈弁狭窄症、肺動脈弁狭窄症が見られる場合があります。

心内膜床欠損症

心内膜床という心臓の内部を形成するのに欠かせない組織が不完全に発達することにより左右の心房を隔てる心房中隔、左右の心室を隔てる心室中隔がきちんと形成されないという先天奇形です。心内膜床欠損症の約50%は染色体異常と関連があり、とりわけその染色体異常の半数以上が21トリソミー、 1/4が18トリソミーですが13トリソミーでも見られます。
実は心室というのは心房を隔てる中隔から発生するため、典型的な心内膜床欠損ではでは心房中隔欠損をきたし、心内膜床からの心室中隔も形成されず、大きな心室中隔欠損を認めることになります。心房と心室の間で逆流しないようにするための弁で左心系には僧帽弁、右心系は三尖弁と言われる大事な弁たちがありますが、こうした房室弁も共通房室弁となるという奇形が伴います。両心室の形成されるバランスがわるくて、一方の心室が低形成となる場合もあります。
心内膜床欠損症は不整脈も来します。心臓の「収縮しなさい」という指令(刺激)は心房から心室へと順番に伝わります。互いに勝手に収縮したり拡張したりすると心臓の一番大事なポンプ機能が果たせません。ポンプは中身がいっぱいになったタイミングで押さないと(収縮しないと)空うちになって無意味ですよね。心内膜床欠損症では心房から心室に順番に伝わるはずの刺激を伝導する繊維の形成もうまくいかないため、房室ブロック(心房と心室の間で信号がブロックされる)という重篤な不整脈を合併します。
心内膜床欠損だけが心奇形としてあり、胎児水腫の合併がない場合、生後に心臓の手術をするなどの治療により85~90%以上の生存率が期待できます。どちらかの心室の低形成があったり、大動脈、肺動脈どちらかの動脈が極端に細い場合は根治術は大変困難となります。

肺動脈狭窄症

肺動脈流出路が狭くなることで右室から肺動脈への血流が妨げられている状態となる病気です。右心室から先天性心疾患の8~10%を占めると言われている比較的多い疾患です。
最も多い合併奇形は心房中隔欠損と心室中隔欠損であり、染色体異常との関連は少なくはありますが、13トリソミーや4p、5pの部分欠損が認められる場合があります

大動脈狭窄症

大動脈弁は通常三尖弁ですが、三つの弁の交連のうちの一つが融合し二尖弁となり大動脈弁狭窄を起こす事があります。
一般的に、胎児期では大動脈弁が低形成となっている場合を除き、問題となるような循環不全を引き起こすことはありません。しかし、大動脈弁狭窄のなかには二尖弁を形成し、残りの交連も一部融合している場合や二つもしくは三つの交連が融合し、一尖弁となっている場合や弁そのものが低形成となっている場合が存在し、これらの症例では重症となり、左心室の線維化が起こり、左心機能の低下を起こしたり、左室壁肥厚をきたしたりするため、子宮内胎児死亡の危険があるだけでなく、出生後も上行大動脈の血流が減少します。そのため、動脈管を介する血流で全身を維持しなければならなくなり予後不良となります。
女児で大動脈弁狭窄を認めた場合、Turner症候群を否定する必要があります。13トリソミーの場合も比較的多く認められます。

13トリソミーのエコーで分かる特徴|10.臍帯ヘルニア

臍帯ヘルニアは実は最初は赤ちゃん全員が持っています。妊娠第1三半期(初期)では生理的膳帯ヘルニアと呼ばれる現象があるからです。妊娠7週末から8週、中腸(腸をつくるもとになります)が急速に発育してループを形成し、臍帯の付着部位から臍帯内へと脱出してヘルニアを必ず生じます。この時点では肝臓と腎臓が赤ちゃんのお腹のほとんどの部分を占めているため、腸が入るスペースがないからわざとヘルニアという形で外に出しているのです。それではいつから腸が腹腔内に収まっていくのかというと、妊娠12週ころになります。したがって、異常な臍帯ヘルニアをエコーで評価できるのは少なくとも13週以降となります。
しかし、生理的ヘルニアは径7mmより大きくなることはないので、妊娠8~12週でも病的な臍帯ヘルニアの診断は可能です。
臍帯ヘルニアはよく染色体異常を合併することが知られていますが、染色体異常の合併する確率は40%と報告されています、臍帯ヘルニアの合併する染色体異常は18トリソミーがもっとも多く、次に13トリソミーとなります。

13トリソミー胎児のエコーで分かる特徴|11.膀胱出口部閉塞

膀胱出口の閉塞は男児におこりやすく、とくに後部尿道弁があることで起こります。後部尿道弁とは本来、アポトーシスをおこしてなくなるべき泌尿生殖膜がうまくなくなることができないまま残ってしまうことで後部尿道内に残存して発生すると考えられています。尿道閉鎖などでも膀胱出口の閉塞と同じような症状がおこるのですが、これは女児にも発症します。尿路の腎臓の下流の閉塞は腎臓からの尿の出口がふさがってしまって水腎症とよばれる腎臓が腫れる状態をおこします。膀胱の出口がふさがると、膀胱が大きくなり、巨大膀胱と言われる状態になります。いつからこのエコー所見がみえてくるのかというと、はやければ妊娠10~14週で気付かれることもあります。巨大膀胱では13トリソミーやは18トリソミーなどの染色体異常のリスクがおよそ25%あります。

13トリソミーのエコーで分かる特徴|12.停留精巣

停留精巣はエコーで見える陰嚢の中に精巣が描出されないことで明らかになります。精巣は妊娠末期にならないと下降しないこともあります。殆どの停留精巣は単独、つまり停留精巣だけが赤ちゃんに存在する、という状態ですが、停留精巣を合併する症候群には、prune-belly症候群、Noonan症候群、13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーなどがあります。

13トリソミー胎児のエコーでわかる特徴|13.単一膳帯動脈

単一膳帯動脈とは胎子期に通常なら2本ある臍動脈のうち1本がないという先天性の奇形をいいます。ヒトでは約1.0%の確率で発生し、ほかの奇形を併発することもあります。単一膳帯動脈は染色体異常も合併しやすいことがわかっていて、18トリソミーでは半数以上が単一膳帯動脈を合併しています。13トリソミーでも10%以上で単一膳帯動脈が見られます。

13トリソミー胎児のエコーで分かる特徴│14. 子宮内胎児発育遅延

何らかの原因で胎児の発育が遅れ、妊娠週数に相当した赤ちゃんの体重がなく小さい状態を子宮内胎児発育遅延と言います。
染色体異常、特に18トリソミー、13トリソミー、三倍体の児には早期から発育遅延が現れることが知られており、妊娠第1三半期でCRL(頭殿長/頭からお尻までの長さ)が妊娠週数期待値より14mm以上小さい場合には染色体異常のリスクが明らかに高いとも言われています妊娠中期からの発育遅延が13トリソミーの43%、18トリソミーの59%に見られたという報告もあります。

まとめ

13トリソミー(パトウ症候群)はNIPT新型出生前診断)の対象疾患となっていることから、その認知度が昨今上がって来ている疾患です。NIPTはお母さんから採血を行い、赤ちゃんの胎盤(絨毛)から母親の血液に流れるDNAの断片を検査することで赤ちゃんの染色体異常や遺伝子疾患を知ることができる検査であり、NIPTで陽性になると羊水検査や絨毛検査などの確定的検査が必要となります。
13トリソミーにみられる代表的なエコーでわかる特徴的な所見を網羅的に記してみました。このページを見られた皆様は、エコーで見られる特徴的な異常所見の出現する時期が、NIPTよりだいぶ遅いことがわかると思います。

13トリソミーなどの染色体異常はNIPTなどの出生前診断で出産前に検査することができるため、妊娠初期の段階で検査を受けて、出産に向けて準備を進めることが可能です。

東京の「ミネルバクリニック」では、年齢制限なし・妊娠9週目からNIPTを実施しています。

染色体に関するプロフェッショナルである臨床遺伝専門医が在籍しており、大学病院クラスの環境でNIPTを受けていただくことができます。

遺伝カウンセリング体制も整っているため、出産に対する不安を抱える方の悩みを親身に受け止め、緩和・解消に導くことができます。

13トリソミーなどの染色体異常の検査を検討されている方は、この機会に是非「ミネルバクリニック」までお気軽にご相談ください

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