ターナー症候群の症状と治療法について|重要ポイントを解説

妊娠初期の女性

妊娠は必ずしも健康な赤ちゃんを生めるとは限らず、とても重い症状のある染色体異常症を患っている可能性もあります。

出生前診断では21トリソミー18トリソミーといった染色体検査が行われていますが、ターナー症候群という染色体異常が存在することを皆さんはご存知でしたか?

この記事では、ターナー症候群の症状(合併症)と治療法を重要ポイントに絞ってご紹介していきます。

染色体異常はどのような妊娠でも起こる可能性があるため、しっかり予備知識を入れておきましょう。

ターナー症候群はどんな染色体異常?

妊娠出産
赤ちゃんは胎児の時点で染色体異常によって引き起こされる疾患を持っている可能性があります。

染色体異常症の一種とされるターナー症候群とは一体何なのか?発生する原因や症状・合併症をご説明していきます。

ターナー症候群が発生する原因

赤ちゃんが患う可能性がある疾患の中でも「ターナー症候群」は聞き慣れない言葉だと思います。

ターナー症候群は、赤ちゃんの性別を決める性染色体に異常が起こることで発生する疾患で、別名モノソミーXとも呼ばれています。

性染色体は、細胞の中に2本が1ペアになって存在しています。性別が男性になる場合は母親由来のX染色体と父親由来のY染色体が組み合わさったXY染色体になります。性別が女性になる場合は、父親由来のX染色体と母親由来のX染色体が組み合わさったXX染色体になります。

ターナー症候群はXX染色体を持つ女性にのみ起こる染色体異常です。

細胞分裂が行われる際の突然変異によって、XX染色体の片方のX染色体の一部、または全部が失われることでターナー症候群は発生します。

ターナー症候群になる確率

出生女児におけるターナー症候群の発生頻度は2,500人に1人とされていますが、出産まで至らずに流産になるケースもたくさんあります。

流産前の胎芽、胎児を含めて考えた場合は、さらに頻繁にターナー症候群が発生していることになります。

ターナー症候群に伴う症状と治療法

妊婦さん

自分の赤ちゃんがターナー症候群を患ってしまった場合、具体的にどのような症状が起こるのか気になる方は多いと思います。

ターナー症候群の具体的な症状(合併症)と治療法についてご説明していきます。

低身長

ターナー症候群の女児のほとんどにみられる症状が低身長です。

低身長になる原因は、SHOX欠失(性染色体が持つ遺伝子の欠失)・GCY欠失(成長遺伝子領域の欠失),染色体不均衡(遺伝子情報の不足)といわれています。

生まれた時点で平均よりも低い身長であり、成長に伴って成長曲線から徐々に離れていくという経過になり、成人になると138cmくらいの身長に落ち着きます。

治療法

診断によってターナー症候群であることが確定している場合、すぐに成長ホルモンを注射で打つことで成人に向けて身長を伸ばすことが可能です。

成長ホルモン注射を打った場合、成人になると平均身長は145cm以上になります。

二次性徴が現れない|月経異常

二次性徴とは、女性が10歳〜12歳くらいになると初経がみられたり乳房が成長したりする女性特有の変化を指します。

女性ホルモンの分泌量が少ないことから二次性徴が現れる年頃になっても何の変化もみられないケースが多々あります。場合によっては乳房は成長したものの、月経がこないこともあります。

ターナー症候群の女性は卵巣機能の働きが健常者よりも弱いという特徴から、卵子のもとになる卵母細胞が早い段階で死滅することで卵胞形成不全が起こってしまいます。その結果、腺癌の前癌病変となる腺異形成に繋がります。

思春期前に卵母細胞が死滅すると18歳までに初経がこない原発性無月経になり、40歳手前で死滅した場合は月経が急に止まってしまう続発性無月経になります。

性染色体が欠失する基本的なターナー症候群では、約20%の出生児が続発性無月経になるとされ、稀に妊婦さんにも続発性無月経が発生する可能性があります。

治療法

二次性徴は女性ホルモンの投与を行うことで発生を促すことができます。

女性ホルモンの投与は10歳〜14歳頃が推奨されており、一度ではなく複数回に分けて投与し、段階的に量を増やしていきます。

月経異常については思春期を過ぎてからは2種類の薬を用いて月経を促し、正常な女性の月経周期になるように治療が行われます。

奇形徴候

身体的な特徴は身長以外にも複数みられます。

  • リンパ浮腫み(手の甲と足の甲が浮腫む)
  • 外反肘(肘から手のひらにかけて腕が外側に曲がる)
  • 乳首と乳首が異様に離れている
  • 翼状頸(首から肩にかけて、広い皮膚がついている)
  • 発育性股関節形成不全(股関節が不安定になり脱臼などを起こす)

多くは新生児の頃から症状がみられますが、発育性股関節形成不全は乳児期に発症するリスクが高いとされています。

治療法

奇形徴候は先天的なものが多く、根本的に治療できない症状もあります。発育性股関節形成不全などは成長の観察を行った上で補正手術をするなどの治療をすることが可能です。

内蔵奇形

大動脈のいち部が狭まる大動脈縮窄症や、左右の腎臓がくっついてひとつになった状態になる馬蹄腎などの内臓に関する深刻な奇形も新生児の頃からみられる可能性があります。

気をつけなければならないのが、歳を重ねるごとに発生頻度が高くなる高血圧や糖尿病などの疾患の数々です。突然腸から異常な出血が起こることもあり、思春期を過ぎても定期的に超音波検査を受けるようにすることをおすすめします。

治療法

内蔵奇形については、無症状の場合は経過をみた上で治療が行われます。

大動脈縮窄症の場合、症状が重い場合は心不全をきたす可能性があるため、大動脈縮窄部を切除した後に端々吻合をする手術を受けることができます。

馬蹄腎については無症状の場合は様子をみて、腎臓機能の低下や感染症が伴った場合は繋がった腎臓を切り離す手術をして治療が行われます。

内蔵奇形は深刻な合併症に繋がることもあるため、症状がみられた場合はすぐに医療機関で診てもらうようにしましょう。

知的面

ターナー症候群を持った女性の多くは注意欠如・多動症・学習障害などがみられ、視覚・空間に関係する情報を把握することが苦手で計画性と注意力に欠けるといった特徴があります。

知的面は正常ではありますが、特定の能力検査で成績が低いなどの傾向がみられます。

治療法

不得意な科目については学習で克服することも可能です。

ただし、稀に明らかな知能障害がみられることがあります。知能障害が軽度でない場合は適切な発達サポートを行うなどして成長を見守っていきましょう。

ターナー症候群の検査する前のポイント

治療薬
染色体異常は根本的な治療法がないものの、出産前に高精度で検査をすることができます。

胎児がターナー症候群を患っているかどうかは、出生前診断の「絨毛検査」と「羊水検査」でほぼ確実に判定することができます。

ただし、これらの検査は胎児の流産を引き起こす可能性があり、検査を受けるのはNIPT母体血清マーカーで陽性反応が出てからが推奨されています。

検査胎児死亡率
絨毛検査
(妊娠10週〜13週6日目まで)
1%
羊水検査
(妊娠14週以降〜)
0.3%

これらの検査は全ての染色体異常を調べることができますが、流産のリスクを避けるためにまずは安全な非侵襲的検査を受けるのが一般的です。

【非侵襲的検査・出生前診断】

非侵襲的検査ではターナー症候群を検査することはできませんが、しかし、染色体異常症の中でも発生頻度が高い疾患を安全に検査することができます。

特におすすめしたいNIPTは、ダウン症候群・18トリソミー13トリソミーという3つの項目を感度99%・特異度99%で検査することができます。

NIPTで万が一陽性反応が出た場合は、羊水検査を受ける流れになるのが一般的で、そこでターナー症候群を含めた全ての染色体を検査することが可能になります。

いきなり侵襲的検査を受けるというのはリスクがあるため、まずは妊娠10週頃から実施されているNIPTを受けることをおすすめします。

まとめ

ターナー症候群は女性にのみ発生する可能性がある染色体異常症であり、出生児の2,500人に1人という発生頻度だといわれています。

ターナー症候群の症状は、低身長や奇形徴候などの身体的な特徴に加え、内蔵奇形や稀に知能障害を伴うこともあります。

染色体異常自体を治療することはできませんが、ターナー症候群における一部の症状の治療や進行の防止をすることは可能となっています。

染色体異常は受精卵の時点で決まっているものであり、出生前診断で出産前に疾患の有無を調べることができます。

東京の「神宮外苑ミネルバクリニック」では、ダウン症候群などの疾患頻度の高い染色体異常を高精度で検査できるNIPTを妊娠9週目から実施しております。

大学病院レベルの臨床遺伝専門医が在籍する遺伝子専門のクリニックであり、染色体異常・遺伝子疾患に精通する医師とスタッフが、患者様ひとりひとりに寄り添った診療を行っております。

出産前に染色体検査を行ないたい場合は、この機会に是非「ミネルバクリニック」までご相談ください。

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