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妊活とは何か?子どもが欲しい夫婦が知っておきたい基礎知識

妊活という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。ニュースなどで取り上げられることも増えてきましたが、実際にどういった行動が妊活なのか知らない方もいます。また、妊活を始めようか悩んでいる方も多いでしょう。

本記事では、妊活について解説いたします。始めるタイミングや成功させるポイントについても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

妊活とは?

お腹を触る男性と妊婦

妊活とは「妊娠活動」の略称です。その名のとおり、妊娠をするための活動のことです。また、一般的には女性だけが行うというイメージがあるかもしれませんが、妊活は夫婦で行うものです。そして排卵日を予測したり、性交渉をするタイミングを調整したりといった直接的な行為だけが妊活に該当するわけではありません。

妊娠について夫婦で話し合ったり、妊娠に関する正しい知識を学んだりすることも妊活に該当します。妊娠した後の生活を考えたり、子どもができた後の家庭の変化を想像したりするのも広い意味でいえば妊活に該当するでしょう。つまり、妊活とは非常に括りの広い言葉なのです。

妊活という言葉は、ここ数年でメディアなどで取り上げられるようになりました。しかし、妊娠をするために夫婦で準備を行うという行為自体は、妊活という言葉が登場するよりも前から行われていました。妊活という言葉が広まったのには、近年顕著になっている晩婚化や不妊などの問題に理由があります。

徐々に男性も女性も初婚年齢が高くなってきており、それにともなって妊娠のタイミングも高齢化しつつあります。妊娠には女性ホルモンが大きく影響するのですが、女性ホルモンの分泌量は加齢にともなって徐々に少なくなってくるため、妊娠する可能性は高齢化すればするほど少なくなってしまうのです。

晩婚化によって妊娠したいタイミングで妊娠ができないというケースは珍しくありません。それでも妊娠を希望する女性は非常に多いので、妊活によって妊娠できる可能性を高くするという行為が広まったのです。これが妊活という言葉が広まった理由です。

妊娠について正しく理解することも妊活に含まれますが、それを行ったとしても直接的に妊娠の可能性が高くなるわけではありません。妊娠の可能性を高めるために具体的にどのようなことを行うべきかについて確認していきましょう。

妊活で具体的に行うこと

妊活において始めに取り組むべきことは生活習慣の見直しです。妊娠をするためには健康的な体づくりが欠かせません。そのためには、生活習慣を見直して体づくりを行っていく必要があります。

1日3食栄養バランスの取れた食事をするとよいでしょう。また、適度な運動習慣を身につけることも欠かせません。さらに、質の良い睡眠をとってホルモンバランスを整えることも大切です。妊活を始めるタイミングで生活習慣を見直すこともできますが、将来的な妊娠に備えて早めに生活習慣を見直しておくことも大切です。

生活習慣を変えるというのはシンプルなことではありますが難しいです。すぐには変えられない場合もあるので、妊娠をするつもりがあるのなら早めに取り組むのがおすすめです。生活習慣を見直すことは妊娠の確率を高める以外にも数多くのメリットがあります。健康的な生活をおくるためにも、生活習慣が乱れていると感じている方は見直すようにしてください。

次に行うべきなのが葉酸の摂取です。葉酸とは、胎児の二分脊椎などの神経管閉鎖障害の発生リスクを少なくするために欠かせない栄養素です。妊娠初期の女性も摂取する必要があるのですが、妊娠を望んでいる女性も必要量の葉酸を摂取することが推奨されています。

葉酸の摂取量ですが、1日あたり400gがベストとされています。ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜、枝豆や納豆、いちごなどに含まれているので、それらを意識して摂取するようにしてください。

もちろん、サプリメントを使って補っても問題ありません。しかし、サプリメントで葉酸を摂取すると、ついつい摂取しすぎる可能性があります。葉酸を摂取しすぎると発がんリスクが上昇するという研究結果もあるので、過剰摂取には気をつけるようにしてください。

最後に産婦人科で行うブライダルチェックが妊活においては重要です。内容は病院によって異なるのですが、血液検査や性感染症検査、女性ホルモン分泌検査などが行われるのが一般的にです。妊娠の可能性を下げたり、お腹の中の子供に悪影響を及ぼしたりする要素がないかを調べるのがブライダルチェックの目的です。

ブライダルチェックは男性も受けることが可能です。血液検査や精液検査などが検査の内容となり、不妊となる原因がないかどうかをチェックします。

妊活は夫婦で一緒になって行っていくことが大切です。女性ばかりが取り組んでいると、途中で頑張れなくなってしまったり、不安になったりしてしまいます。夫婦で一緒に妊活に取り組んで、協力して子供を迎えるための準備をしていきましょう。

妊活を始めるタイミング

悩む女性

妊活を始めるタイミングについてですが、夫婦によってちょうどよいタイミングは異なるため、いつから始めても問題ありません。結婚した直後は生活を安定させたいという理由で、妊活を行わずに2人の時間を大切にしたいという考えの方もいるでしょう。

逆にカップルの時点で子供が欲しいと考えている方もいます。そういった方は結婚をする前から妊活を始めてもよいかもしれません。さきほども述べたように妊活は夫婦で行うものです。夫婦の足並みさえ揃っていれば、いつから始めても問題はありません。

しかし、避妊をやめたとしても体の状態などによってはすぐに妊娠できない可能性もあります。生活習慣の見直しなどから妊活に取り組んでいかなくてはいけないことを考えると、妊娠したいタイミングよりも早めに妊活を始めておくことが大切になります。

年齢が高くなればなるほど妊娠する確率は下がっていくため、どうしても妊娠したいのであれば早めに妊活を始めるしかありません。もちろん、焦って妊娠に臨んだとしても良い結果は得られないので、じっくり考える期間を設けることも大切です。しかしあまりにものんびりしていると、どんどん妊娠できる可能性が下がっていくかもしれないということは頭に入れておくようにしてください。

経済的な問題や環境面での不安がないのであれば、結婚した直後から妊活を始めたとしても決して早すぎるといったことはないでしょう。いつから妊活を始めるか相談をしてから結婚をしてもよいかもしれません。

妊活を成功させるためのポイント

妊活とは?始めるタイミングや成功させるためのポイントを紹介

妊活を成功させるために重要なポイントは主に2つあります。それぞれのポイントをおさえたうえで妊活を行うようにしてください。

現在の状態を理解する

まずは現在の状態について理解をしましょう。産婦人科などで検査をすれば、妊娠をするうえでどういった障害があるのか、何を改善しなくてはいけないのかなどを教えてくれます。それをふまえたうえで妊活を進めていくことが大切です。

妊活において必要なことについて説明しましたが、それらを行ったとして必ずしも望む結果が得られるわけではありません。妊活はあくまでも妊娠する確率を上げるために行う行為です。妊娠するための障害を取り除くことが最重要ということを認識しておくようにしてください。

女性主体にならないようにする

妊活は女性主体になりがちです。産婦人科に通う回数も女性の方が多くなります。妊娠をするうえでの障害も女性の方が多く持ちがちです。だからといって女性主体で妊活を進めてはいけません。男性と女性は生物学的な構造が異なるので、完全に同じ立場になって妊活を進めることはできないでしょう。ある程度は仕方のないことなのですが、女性ばかりに妊活を任せてしまうと、妊活自体がストレスになる可能性があります。

ストレスはホルモンバランスの乱れに繋がります。ホルモンバランスが乱れるということは、女性ホルモンが正常な機能を果たしてくれないことにつながるため、結果として妊娠が遠のいてしまうのです。男性側は女性が抱えている悩みについて理解をして、協力して妊活を進めていくという意識を保つことが重要でしょう。

妊活にかかる費用の目安

平面上に置かれたミニチュアのベビーカーと電卓の3Dレンダリングイラスト

妊活にかかる費用は家庭によって異なりますが、年齢が高くなればなるほど高額になっていく傾向にあります。なぜなら、年齢が高くなればなるほど妊娠をする確率が下がってくるため、より高度な妊活を行う必要があるかもしれないためです。

妊活にかかる平均費用を調査してみたところ、29歳以下の方であれば、年間3万円程度しか妊活の費用がかかっていないというデータがあります。これが30歳〜34歳になると8万円程度まで高くなり、35歳を過ぎると年間35万円程度もかかるという結果があります。

妊活がどんどん進むと、人工授精体外受精などを行わなくてはいけない場合があり、そうなるとかかる費用が高くなってしまうのです。妊活にかかる費用を少しでも少なくするのならば、早めに妊活に取り組むことをおすすめします。

妊娠は体にかかる負担も大きいので、若いうちに妊娠したほうがリスクは少ないです。無理に取り組む必要はありませんが、加齢によるリスクがあることは理解しておいてください。

【まとめ】妊活は思い立ったらすぐに始めよう

妊婦のお腹を触る男性

妊活は思い立ったらすぐに始めてみましょう。早ければ早いほうがおすすめです。夫婦の状況を考えて妊活を進めていくことが大切ですが、できるだけ早く始めたほうが負担は少ないことをお互いに知識しておきましょう。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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