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妊娠検査薬に尿をかけすぎると判定できない?3つのデメリットとそのときすべきこと

妊娠検査薬は、自宅で簡単に妊娠しているかどうかを判定できる試薬です。

妊娠検査薬の種類によっても異なりますが、ほとんどの場合先端部分に尿をかけることで判定窓に結果が表示される仕組みになっています。

また、検査がきちんと行われたか判断できる終了窓にも線が表示されるようになっており、ごく稀に終了窓に線が入らないなど失敗してしまうこともあるようです。

ときに、妊娠検査薬に規定量以上の尿をかけすぎてしまったことで判定がうまくいかず、判定結果が見えにくくなったり反応がなかったりと、失敗してしまうことも。

妊娠検査薬を使用したことのある方の中には、そのような失敗を経験されたことのある方もおられるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、妊娠検査薬に尿をかけすぎたときの3つのデメリットと、尿をかけすぎたときにすべきことをご紹介します。最後に妊娠検査薬を使用する際によくある疑問についてもご紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。

妊娠検査薬に尿をかけすぎたときの3つのデメリット

✕マークを見せて間違えをしている女性

いまや、妊娠を希望されている女性は、妊娠に向けて体調や環境を整える「妊活」は一般的なものになりつつあります。食事や適度な運動など、生活習慣を整えたり、基礎体温を毎日測ったりしている方も多いのではないでしょうか。

そんなとき、「もしかしたら妊娠しているかも!」と思い妊娠検査薬を使用したところ、尿をかけすぎてしまったという方もいるようです。

「少ないよりは多い方がよいのでは?」と思われるかもしれませんが、妊娠検査薬に尿をかけすぎてしまうと、次のようなデメリットがあることを知っておきましょう。

判定結果の表示が見えにくくなる

ほとんどの妊娠検査薬の説明書には、尿をかける適切な時間が記載されています。

その時間は商品によって異なるため、前回使用したものではない商品を使用する際は、都度きちんと確認しなければいけません。

もし説明書をきちんと読まず尿をかける時間を間違えてしまったり、多い方がよいだろうと尿を多くかけすぎてしまったりすると、判定窓の表示自体が見えにくくなることもあるため、正確な判定ができなくなってしまうので注意しましょう。

間違った判定が出る可能性もある

妊娠検査薬は、尿の中のhCGヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンを検出して妊娠しているかどうかを判断します。

万が一尿をかけすぎると、多くのhCGが検出されてしまい、本当は陰性にもかかわらず陽性という判定が出てしまうこともあります。これは偽陽性という状態で、正しく検査がされなかったり、体調によっても起こったりする現象です。

また、この偽陽性は以下のような場合にも起こる可能性があります。

  • 子宮外妊娠などの異常妊娠
  • hCG産生腫瘍がある
  • 閉経が近い
  • 不妊治療でhCGが含まれている排卵誘発剤を服用している

その反対に、フライング検査をした場合や水分を摂り過ぎた場合などは、本当は妊娠しているのに陰性と表示されてしまう偽陰性の可能性もあるので注意が必要です。

終了窓に線が現れない可能性もある

上述したように、妊娠検査薬は商品によって尿をかける適切な時間が異なります。

その適正な時間を大幅に超えてしまったり、尿の勢いが強過ぎたりすると、妊娠検査薬と尿が正しく反応できず、判定ができない可能性もあります。

検査終了後、終了窓に線が表示されるはずの時間を過ぎても線が現れない場合は、検査が正しく行われなかったということになりますので、残念ながらいくら待っても正しい判定結果は得られないでしょう。

妊娠検査薬に尿をかけすぎたときにすべきこと

陽性反応が出た妊娠検査薬

妊娠検査薬は、尿吸収体に十分な量の尿が入らなければ判定は不可能です。しかしだからといって、尿をかけすぎてしまうと、上記でご紹介したように正しい結果が得られません。

とはいうものの、はじめて妊娠検査薬を使用する方などは、尿をかけすぎてしまうことがないとは言い切れないのも事実です。

では、妊娠検査薬に尿をかけ過ぎてしまったら、どうすればよいのでしょうか。

使用済みの妊娠検査薬はすぐに廃棄する

妊娠検査薬は、検査後10分以上経過してからうっすらと判定窓にグレーの線が現れることもあります。

これは「蒸発線」といって尿吸収体にかかった尿が蒸発していくときに成分濃度が上がるために現れるものです。妊娠を強く望んでいる方は、蒸発線を陽性反応と勘違いしてしまうこともあるようですが、残念ながら陽性反応とは違うものです。

尿をかけすぎてしまった場合、終了窓に線が入らない可能性もあることは上記でもご紹介しましたが、なかなか終了窓に印が出ないために長時間妊娠検査薬を放置していると、蒸発線が現れて陽性反応が出たと勘違いしてしまうことも。

もしも判定時間が過ぎても終了窓に線が入っていない場合は、その妊娠検査薬では正しい判定が期待できないということです。

判定結果の誤認識を生まないためにも、尿をかけすぎてしまった妊娠検査薬は、規定の判定時間が過ぎたら結果を確認してすぐに廃棄しましょう。

正しい方法で再度検査を行う

妊娠検査薬に尿をかけすぎてしまったときは、正しい方法で再度検査を行うことも重要です。

なぜなら、妊娠検査薬は正しい方法で正しい時期に使用した場合にのみ、正しい判定結果を得られるからです。

妊娠検査薬を正しく使用するためには、以下のポイントをおさえておきましょう。

  • 使用期限が切れていないか確認する
  • 説明書に記載されている通りの時間、量の尿をかける
  • 採尿後はキャップを被せて平らな場所に置く
  • 説明書に記載されている判定時間待つ
  • 終了ラインが出ていることを確認する

妊娠検査薬は、商品ごとに尿をかける時間や量、判定時間が異なります。尿をかけすぎてしまった場合でも、正しい判定結果が得られる場合もあります。しかし、結果が正しいかどうかの判断はできないことも多いので、新しい妊娠検査薬でやり直した方が確実に正しい結果が得られるといえるでしょう。

妊娠検査薬を使用する際によくある疑問

妊娠検査薬で陰性が出て疑問を抱いている女性

「もしかしたら妊娠したかも」「今度こそ赤ちゃんを授かっていますように!」など、期待と不安が入り混じった気持ちで妊娠検査薬を使用する方も多いことでしょう。

妊娠検査薬は、使用する際に感じる疑問を解消してから使いたいものです。ここでは、妊娠検査薬を使用する際によくある疑問についてご紹介します。

Q:妊娠検査薬は最短でいつから使用可能ですか?

一般的な妊娠検査薬は、最短で生理予定日の1週間後から使用できます。なぜなら、妊娠4週目頃になると妊娠検査薬で感知できる50IU/LのhCGが分泌されるからです。

さらに早く妊娠しているか知りたい方は、最短で生理予定日当日から使用できる「早期妊娠検査薬」がおすすめです。早期妊娠検査薬は、一般的な妊娠検査薬の半量の25IU/LのhCGで判定ができます。

ただし、hCGの分泌量には個人差があるので、陽性だったときだけでなく陰性だった場合でも、体調に不安があるときはクリニックを受診するようにしましょう。

Q:妊娠検査薬の精度は正確ですか?

現在の妊娠検査薬は、非常に精度が高いのが特徴です。

正しい方法と手順、タイミングで使用した場合の正確さは99%以上といわれており、ほとんど確実に陽性もしくは陰性が判定されるでしょう。

Q:尿はどのくらいかけたらよいですか?

妊娠検査薬にかける尿の量は、使用する商品によってそれぞれ異なります。そのため、妊娠検査薬を使用する前に適切な量をしっかりと把握しておくことが重要です。

多くの妊娠検査薬の説明書には、「尿を○秒間かける」「紙コップなどに○秒間浸す」などと記載されています。その時間をきちんと守り、正確な判定を得られるようにしましょう。

Q:尿が判定窓にかかってしまったらやり直さなくてはいけませんか?

少量の尿であれば、判定窓にかかってしまっても正確な判定が可能です。もし尿吸収体以外に尿がかかってしまった場合は、拭き取って使用してください。

ただし、尿が大量にかかってしまうと、判定が見えにくい可能性もあります。結果が判断しにくいときは、念の為新しい妊娠検査薬で再検査をしてもよいかもしれません。

Q:紙コップを使用した方がよいですか?

尿のかけ方や量に自信のないときは、紙コップを使用して検査を行った方が尿の量が調整しやすく安心です。

説明書には、尿を浸して検査を行うときのやり方も記載されているので、必ずよく確認してから行うようにしましょう。

まとめ

妊娠検査薬に尿をかけすぎたときの3つのデメリットと、尿をかけすぎたときにすべきことをご紹介しました。

妊娠しているかどうか早く知りたい方は、はやる気持ちをおさえながら緊張した状態で検査を行います。そのため、うっかり尿をかけすぎてしまうことや、尿の量が少なくて正しい結果が出ないことを恐れて、適正な時間よりも長く尿をかけてしまうこともあるでしょう。

しかし実際は、かける尿が多すぎても少なすぎても正しい判定結果が得られません。正しい判定結果を知るためには、説明書に記載された適正量をきちんと守り、正しいタイミングと方法で検査を行うことが重要です。

妊娠検査薬で尿をかけすぎてしまった場合は、今回ご紹介したことを参考に、正しい判定結果が得られるようにしましょう。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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