InstagramInstagram

妊娠検査薬で終了線が出ないと失敗?原因と対処法を詳しく解説

「妊娠検査薬で終了線が出ないのはなぜ?」「もう一回尿をかければ検査できるの?」妊娠検査薬を使用して終了窓に線が出ず、不安を感じていませんか?

一般的に、妊娠検査薬の精度は非常に高いといわれており、正しい使用方法で検査を行えば、99%以上もの確率で正しい判定結果が得られます。

多くの妊娠検査薬はスティック状で2つの窓があり、右側に終了線、左側には判定窓があるのが一般的です。検査終了時に判定窓に線が出ていれば妊娠、出ていなければ妊娠していないと判別できます。

しかし自分では正しく使用したつもりでも、検査が終了するはずのタイミングになっても終了窓に線が入らないこともあるようです。これは検査が正しく行われなかったことを示しており、妊娠しているかどうかの判定はできません。

この記事では、妊娠検査薬で終了線が出ない原因と、終了線が出なかった場合の対処法をご紹介します。妊娠検査薬を使用したものの、終了線が出ずに不安を感じている方や、これから妊娠検査薬を使用する方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

妊娠検査薬で終了線が出ない原因

妊娠検査薬の判定結果が出なくて困っている女性

現在、ドラッグストアなどでも簡単に手に入り、さまざまな商品が販売されている妊娠検査薬。妊娠しているかどうかを自宅で簡単に判定できるので、妊活をしている方をはじめ、生理が遅れたときなどに使用したことがあるという方も多いアイテムです。

ただし、正しい判定結果が得られるのは、あくまでも正しく使用したときのみです。尿をかけてから10分以上経過しても終了線が出ていないのであれば、残念ながら検査が正常に行われなかったということでしょう。

ではなぜ妊娠検査薬で終了線が出ないという事態が起こってしまうのでしょうか。ここでは、その原因についてご紹介します。

直接尿をかけた場合

妊娠検査薬は、尿吸収体に直接尿をかけて検査するのが一般的な使用方法です。しかし、この方法は、尿の量や出方によっては失敗する可能性も高いといえます。

以下は、尿吸収体に直接尿をかけて検査を行った場合に、終了線が出ない原因の例です。

  • 説明書に記載されている秒数以上尿をかけた
  • 尿の勢いが強すぎた
  • かけた尿の量が少なすぎた

尿をかけすぎてしまった、勢いが強すぎた場合は、試薬が薄まってしまうために正しい反応ができなくなります。一方、尿が少なすぎた場合は、試薬が反応する箇所まで尿が届かなかったために反応しないという事態が起こるようです。

紙コップなどに尿を入れて検査をした場合

妊娠検査薬は、尿が多すぎても少なすぎても正しい検査結果を得られない可能性があるため、説明書には紙コップなどに採尿して検査を行う方法も記載されています。

以下は、紙コップなどに尿を入れて検査をした場合に、終了線が出ない原因の例です。

  • 尿吸収体の先端しか浸かっていなかった
  • 尿に浸ける時間が短すぎた
  • 尿に浸けた時間が長すぎた

紙コップを利用すると、尿量の調整はしやすくなりますが、スティックの浸し方によっては正しく検査が行えないことも。稀に時間がかなり経ってから終了線が現れることもあるようですが、これは尿の成分が変化したことによるものなので、検査が正しく行われたとはいえないでしょう。

保存方法にも注意が必要

使用した妊娠検査薬が長期にわたって保管されていた場合、保存方法によっては使用期限が過ぎたり、劣化していたりする可能性もあります。とくに、妊活などで数回分の妊娠検査薬をまとめて購入している場合や、保管場所が高温になりやすい場合は注意が必要です。

また、可能性としては低いものの、不良品が混じっていないとも限りません。なんにせよ、終了線が出ないということは、正しい検査結果は得られないことを理解しておきましょう。

妊娠検査薬での検査が失敗したかどうかの判断基準

現在、日本国内で販売されている妊娠検査薬のほとんどが、判定結果が出るまでの時間を「1分」としています。10分経過した時点で終了線が出ていなければ、今回の検査は失敗したと判断してよいでしょう。

上述したように稀に10分以上経過してから終了窓に線が出ることもありますが、この場合の検査結果は無効なので注意が必要です。

また、終了線が出ていないにもかかわらず、陽性反応が出てしまうことも。そもそも、妊娠検査薬で終了線が出ないのは、検査が失敗したことを示しています。残念ですが、判定窓に線が出たとしても、終了線が出ていない以上正しい結果だとはいえないでしょう。

妊娠検査薬で終了線が出なかった場合の対処法

使用した妊娠検査薬で結果が出なかったため怒っている女性

妊娠検査薬で終了線が出ないということは、いかなる場合でも正しい判定結果は得られません。ただでさえ生理が遅れたり、妊娠しているか早く知りたかったりして不安なのは非常によくわかりますが、終了線が出なかった場合は焦らず落ち着いて対処しましょう。

ここでは、妊娠検査薬で終了線が出なかった場合の対処法をご紹介します。

基本的には再利用できない

結論から申し上げると、妊娠検査薬は基本的に再利用できません。

その理由は、妊娠検査薬は終了線や判定線を出すために、スティック内で化学反応を起こしているからです。

1つ目は、hCGヒト絨毛性ゴナドトロピンという妊娠すると急激に分泌されるホルモン)だけにくっつく抗体があり、妊娠していればこの抗体をくっつけて次の場所に移動します。そして2つ目の場所には先ほどの抗体を固定する成分があり、酵素によって色が変わるため陽性のラインが浮かび上がります。

これらの2つの成分はhCGにしか反応しないので、尿にhCGが分泌されていない場合は素通りしてしまい陽性ラインは作られません。

このように、妊娠検査薬は尿をかけた時点で内部の働きが終了してしまうため、終了線が出ていない場合でも、すでに検査薬としての機能が失われています。

また、稀に妊娠検査薬で終了線が出ないからといって再利用し、陽性になるケースもあるようですが、これは尿の量が多すぎることによる誤作動である可能性が高いので注意しましょう。

明らかに尿の量が少ない場合はもう一度尿をかけてみる

上述したように、妊娠検査薬は基本的に再利用することはできません。しかし、妊娠検査薬の種類によっては、しばらく経ってからもう一度尿をかけてみるよう説明書に記載されている場合もあります。

確実な結果を求めている場合は新しいスティックを使用して再検査をすべきですが、明らかに尿の量が少ない、尿吸収体の先端しか濡れていないなど目に見えて原因がわかっている場合は、もう一度尿をかけてみるのもひとつの方法でしょう。

ただし、この場合は99%以上の精度で正しい判定が得られるとは限りません。たとえ妊娠検査薬を再利用して結果が陰性だったとしても、1週間経過して生理がこない場合は、病院を受診してみることをおすすめします。

正しい判定を得たいのであれば新しいスティックで再検査

上記のように、明らかに尿吸収体の先端にしか尿がかかっておらず、内部にまで浸透していないなど目に見えて尿の量が少ない場合以外は、必ず新しいスティックで再検査するようにしましょう。

その際は、判定までの時間や採尿のタイミングなど、検査方法を再度きちんと説明書やパッケージで確認し、できれば朝一番の尿で検査することをおすすめします。

ドラッグストアには、一箱に2本や3本のスティックが入ったセットも売っているので、妊活で頻繁に使用する方はそのような商品を買うのも選択肢のひとつです。ただし、確実に有効期限内で使い切れる本数を購入するのが大前提であることを忘れないようにしましょう。

また、最近では判定結果が見やすいデジタルタイプも販売されているのをご存知ですか?多少価格は高めになりますが、判定結果がディスプレイに+や-で表示されるので、ラインの薄さなどを気にせずひと目で結果がわかります。

まとめ

妊娠検査薬で終了線が出ない原因と、終了線が出なかった場合の対処法をご紹介しました。

妊娠検査薬は、簡単に素早く妊娠の有無を判定できる試薬です。尿吸収体に尿をかけるだけという手軽さから、最近では病院へ行く前に使用するのが当たり前になっています。しかし、簡単すぎるがゆえに間違った方法で使用してしまい、終了線が出ないことも。

中でも多いのが、尿をかける量や箇所を間違えてしまうケースです。尿の量は多過ぎても少な過ぎても正しい結果は得られませんし、尿吸収体以外に尿をかけても検査は失敗してしまうでしょう。

また、終了線が出なかったからといって再利用しても正しい結果は得られません。

捨ててしまうのはもったいない気もしますが、正しい判定結果を得るためにも、使用方法を守り毎回新しい妊娠検査薬を使用するようにしましょう。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

関連記事