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妊娠検査薬の精度はどのくらい?正常妊娠以外で陽性になる5つのケースとは

妊娠の有無を手軽に確認できるツールとして、妊娠検査薬を使用する方が増えていますが、妊娠検査薬の精度はどの程度なのか気になりますよね。

尿をかけてから数分で陰性か陽性かがわかる手軽な妊娠検査薬は、一体どの程度精度が高いとされているのでしょうか?

この記事では、妊娠検査薬の精度、正常妊娠以外で陽性になるケース、妊娠検査薬の結果が間違っていたというケースについてそれぞれご紹介します。

妊娠検査薬の精度について知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

妊娠検査薬の精度

妊娠検査薬で陽性反応が出て嬉しい女性

妊娠検査薬が陽性や陰性を判断しているのは、尿中に含まれるhCGホルモンの濃度です。hCGホルモンとは、胎児が子宮内に着床すると胎盤にある絨毛から分泌され、妊娠4週頃から分泌されたhCGホルモンは妊娠8~9週頃にピークを迎えます。

一般的な妊娠検査薬は、尿中のhCGホルモンの濃度が50IU/L以上で陽性反応が出る仕組みになっており、その精度は99%といわれています。

また、早期妊娠検査薬と呼ばれるものは、尿中のhCGホルモンの濃度が40IU/L以上で陽性反応が出る仕組みとなっており、一般的な妊娠検査薬が生理予定日の1週間後から使用できるのに対して、早期妊娠検査薬は生理予定日から使用できる仕組みとなっています。

正常妊娠以外で陽性になるケース

妊娠検査薬は正しく使用すれば検査の精度は99%といわれていますが、正常妊娠以外で陽性と判断が出てしまうケースもあることを覚えておきましょう。

ここからは、正常妊娠以外で陽性になるケースをご紹介します。

排卵誘発剤を使用していた

排卵誘発剤とは、排卵を促すために不妊治療で用いられる薬です。排卵誘発剤には以下のような種類があります。

  • クロミフェン製剤
  • ゴナドトロピン製剤
  • hCG製剤
  • GnRHアゴニスト製剤
  • GnRHアンタゴニスト製剤

このようにさまざまな種類がある排卵誘発剤ですが、hCGホルモンが含まれる排卵誘発剤を使用した場合、直後に妊娠検査薬を使用すると本来陰性であるにもかかわらず陽性という反応が出てしまう可能性があります。

そのため、排卵誘発剤を使用していたタイミングで妊娠検査薬を使用したという方は、確認のために産婦人科を受診するようにしましょう。

子宮外妊娠(異所性妊娠)

通常の妊娠では、受精卵が着床するのは子宮内膜となっていますが、異所性妊娠の場合は子宮内膜以外に受精卵が着床してしまいます。

卵管に着床してしまうケースが多いのですが、そのほかにも卵巣や腟壁、子宮頸管などに着床することもあり、全妊娠の1%程度の確率で発症するとされています。

さまざまな原因がありますが、卵管が詰まっていることによって受精した受精卵が正常に子宮内膜まで運ばれずに、卵管内に着床して子宮外妊娠が発症してしまうことが多いです。

異所性妊娠の場合も妊娠検査薬で陽性反応が出ます。その後妊娠6週を過ぎても超音波検査で胎嚢が子宮内に確認できなければ異所性妊娠の可能性が高いとされます。

異所性妊娠の場合は万が一卵管内で胎芽が大きく育ってしまうと、卵管破裂が起こり大量出血を伴う危険性もあるため、妊娠検査薬で陽性が出たら速やかに産婦人科を受診するようにしましょう。

胞状奇胎

妊娠検査薬で陽性が出ても、絨毛性疾患によって妊娠が継続できない場合があります。絨毛性疾患の一つとして挙げられるのが胞状奇胎です。

胞状奇胎は「胎盤絨毛における栄養膜細胞の異常増殖と間質の浮腫を特徴とする病変」と定義されています。

正常な妊娠は1つの卵子に1つの精子が受精して受精卵となりますが、胞状奇胎は精子と卵子の異常によって起こります。

妊娠した子宮にぶどうの房のような外観が多数存在する病変で「ぶどう子」とも呼ばれています。40歳以上の高齢妊婦に発生の頻度が高いという割合があり、日本では700~800人に1回ほど起こるとされています。

治療は流産の手術と同じように子宮内容除去手術を行うことになります。放っておくと母体が危険にさらされる可能性もあるため、早期発見のために妊娠検査薬で陽性が出たら産婦人科を受診するようにしましょう。

閉経期

女性は、性成熟期が終わると更年期になり卵巣の活動性が次第に消失します、その後月経が永久に停止すると閉経となるのです。

月経が停止した時点で、1年間以上の無月経を確認し、1年前を振り返り閉経という判断をします。50歳前後で閉経する方が多く、その前後5年間を更年期と呼び、さまざまな不快な症状に悩まされる方も多いです。

この閉経期にhCGホルモンに似たホルモンが分泌されることがあり、妊娠検査薬で陽性という判定が出ることがありますが、閉経期の妊娠はとくに妊娠検査薬だけで判断することは危険なので、産婦人科を受診して妊娠確定の診断をしてもらうようにしましょう。

hCG産生腫瘍

hCG産生腫瘍とは、妊娠絨毛が腫瘍化するものです。不正出血や尿中のhCGホルモンの濃度が高くなることが特徴で、放置すると絨毛に移行するなど、命にかかわる疾患です。

hCG産生腫瘍の場合、妊娠検査薬や病院で実施する尿検査が陽性となりますが、超音波検査で胎嚢を認められないという診断になります。

妊娠検査薬の結果が間違っていたというケース

検査を受ける直前の妊娠検査薬

ここまで妊娠検査薬の精度や異常妊娠の可能性についてご紹介しましたが、ここからは、妊娠検査薬の結果が間違っていたというケースについてご紹介します。

妊娠検査薬で陰性だったのに妊娠していた

妊娠検査薬で陰性だったのに妊娠していたというケースでは、検査時に尿中のhCGホルモンの濃度が低かったということが考えられます。

一般的な妊娠検査薬はhCGホルモンの濃度が50IU/Lで陽性反応が出るのは前述の通りです。

hCGホルモンの分泌量には個人差がありますが、妊娠3週で0~50IU/L、妊娠4週で20~500IU/L、妊娠5週で500~5,000IU/Lと変化していきます。

妊娠3週とは生理予定日の1週間前を指すので、一般的な妊娠検査薬で検査しても妊娠3週の時点では正確な判定が出ないことがあるのです。

早い時期に検査をしてしまうことをフライング検査と呼びますが、早期妊娠検査薬ではなく、一般的な妊娠検査薬でフライング検査をしてしまうと、妊娠しているにもかかわらず陽性反応が出ず、陰性反応が出てしまうということもあります。

妊娠検査薬で陽性だったのに生理がきた

妊娠検査薬で陽性だったのに生理がきたという場合は、妊娠していたことは間違いないのですが、その後化学流産してしまった可能性が高いです。

化学流産とは、受精卵が子宮内膜に着床するかしないかという時期に流産してしまうことで、妊娠検査薬を使用しなければ、生理がきたと勘違いして妊娠していたことに気が付かない方もいます。

近年は早期妊娠検査薬が発売されたことで、化学流産に気が付いてしまう方が増えていますが、化学流産は初期の流産と同じく染色体異常などの胎児側に原因があることがほとんどです。ママが何かしたから、しなかったからということではないため、自分を責めないようにしましょう。

尿をかけすぎてしまった

妊娠検査薬に尿をかけすぎてしまうと、判定が正しくでないことがあります。5秒以上尿をかけた、尿の勢いが強すぎたなど、尿をかけすぎてしまうと試薬と尿が正しく反応せずに、検査結果が出ないのです。

そのため、尿をかけすぎてしまった場合は新しい妊娠検査薬で再度検査することをおすすめします。

また、正しく判定するために朝一番の尿で検査するとよいといわれています。水分を多く摂取したときなどは、尿中のhCGホルモンが薄まってしまうため正しい結果が出ないことがあります。そのため、尿が薄まっていない朝に検査をすることで正しい結果が出やすくなります。

まとめ

妊娠検査薬の精度、正常妊娠以外で陽性になるケース、妊娠検査薬の結果が間違っていたというケースについてご紹介しましたが、参考になりましたか?

妊娠検査薬の精度は正しく使用すれば99%といわれています。説明書をよく読み、正しいタイミングと使用方法を守って検査を実施しましょう。

また、異常妊娠の場合にも妊娠検査薬は陽性反応を示します。

なかには母体の生命にかかわる疾患もあるため、妊娠検査薬で陽性反応が出たというだけで妊娠確定と判断せずに、妊娠5~6週に産婦人科へ行って胎嚢や心拍を確認する必要があります。

妊娠検査薬で陽性と判定が出たのに化学流産してしまったというケース、陰性と反応が出たのに病院で陽性と診断されたケースなどもあるため、妊娠検査薬の精度の高さだけを信じず病院で確定診断をすることが重要となります。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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