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無痛分娩体験談|無痛分娩の痛みはどれくらい?体験したママさんに聞く

出産するときに無痛分娩にしようか悩んでいるママさんがいると思います。ネットで検索してみると「痛くなかった」という声と「痛かった」という声の両方あってなかなか決めきれないかもしれません。今回は、無痛分娩と自然分娩の両方を経験した先輩ママさんのお一人にお話を聞くことができました。両方を経験しているからこそわかることをお話ししてくれたので判断材料の一つになればと思います。では、最後までゆっくりとご覧ください。

私が無痛分娩を選んだ理由

ママと赤ちゃん最初の女の子は自然分娩で産んだんです。その時に痛みとつらさを経験しているので二度目ということもあって「少し楽をしたいな」と思って無痛分娩を選びました。無痛分娩は産後の体力の回復も早いし、二人目だから肥立ち(出産した女性の身体が日増しに健康を回復すること)がいいのも選んだ理由です。

無痛分娩が産後の回復が早いというのは自分で調べたんですね。スマホやネットがまだ普及していないときでしたので妊娠百科や妊娠関連の雑誌を読んで知りました。海外は日本と違って出産に関するサポート的な治療が結構進んでいたのも知りました。シンガポールは帝王切開が普通というくらい無痛で出産するのが当たり前だったんです。だから迷うことなく無痛分娩を選びました。

無痛分娩を選んだからといって出産の前に特別なことをしないといけないなんてありません。普通分娩の人と同じように食事に注意して運動をするように言われるだけです。

無痛分娩は本当に痛くないの?

普通分娩のときは、刺すような痛みを感じたんです。それがものすごく痛かったのを覚えています。でも、無痛分娩にしたら刺すような激しい痛みはなくって、鈍痛といったらいいのしょうか、子宮口が開いていく痛さを感じにくくなりました。鈍い感じのわずかな痛みです。

例えば、つねられたら痛いですよね? でも、つねられているかもしれないみたいな感覚でした。もちろん、個人差はあるので人によってはまったく痛くないレベルではないかもしれません

無痛分娩を選んだけど痛いという人は、恐らくですけど、何も感じずに出産できるというイメージを持っていたのかもしれません。陣痛は波があるんです。痛さが強くなっていって収まっていくのを繰り返していきます。この波は無痛分娩でも起きるのですけど、その波が強いときの痛みが鈍痛のような感じです。それを痛いと感じるのかもしれませんね。

麻酔注射をするときの痛みはどれくらいですか?

麻酔の準備をする医師
私の場合は、硬膜外麻酔で痛みを軽くしました。麻酔をするときに痛い思いとか怖い目にあったとかありませんでした。硬膜外麻酔の前に局所麻酔をしたのですが、ほとんど痛みはなかったです。硬膜外麻酔は腰に注射をするから針を刺すところは見えませんし、局所麻酔も針の痛みはなかったです。針を刺すのが痛いのは麻酔科医の先生によって違ってくるかもしれません。献血でも注射が上手な人は痛くないですよね?それと似たような感じだと思います。

麻酔注射をしてから麻酔薬が効いてくると子宮が収縮して刺すような痛みがが鈍痛に変わっていきます

私は、計画分娩でなく自然分娩での無痛を選んだので陣痛が始まってから入院をしました。陣痛が始まってもすぐに麻酔をするわけじゃないんです。モニターを付けられて、看護師さんが巡回をしてモニターを見ていました。何らかの目安があるんでしょうね、そのタイミングで内診があり「先生呼んできますね」と言われて、そこから先生が来て麻酔をしました。

無痛分娩にして良かったことはありますか?

笑顔の女性
普通のお産では、先ほどもお話ししたように刺すような痛みがあるんですけど、それがなくなっただけでも良かったと思います。痛みがない分、冷静でいられたので看護師さんの声も落ち着いて聞くことができました

出産するときは看護師さんが「もう少しですよ」と子どもの状態などを教えてくれるのですが、しっかりと聞けたし、恐怖心もなかったです。出産は陣痛がどれくらい強くなるのか?という怖さがあるんですけど、自然分娩と比べたら不安が少なかったです。

最初の子のときは、初めてだったから陣痛の波が強くなるか収まるかもわからないから余計に怖かったんですが、無痛分娩で痛みが感じにくくなっていたのもあって冷静でいられました。

無痛分娩で出産にかかった時間は?

出産は初産よりも二人目のほうが早く生まれてくるのですけど、私もかなり早くて4時間くらいで生まれてきたんです。もしかしたら時間の経過について初産の人は参考にならないかもしれません。

分娩にかかる時間は人にもよりますけど12時間から長い人なら2日くらいかかるみたいです。そんなにかかっちゃうと「もう産みたくない」なんて思う人もいます。でも、それくらい出産は大変なんですよね。

一度出産しておくと、次からは何となく陣痛の波がわかってきます。これくらいの痛みなら耐えられるとか、この波が収まったらお手洗い行っておこうとかがわかってきますね。

無痛分娩のデメリットは?

やはり通常の分娩よりも費用がかかる点です。通常の分娩であれば約40万円から50万円くらい(東京都の場合)で済みますが、無痛分娩だとプラス10万円前後かかります

実は3人目の子どもも無痛分娩にしようと思っていました。でも、陣痛が始まって病院に行ったのが休日だったため麻酔科医の先生がいなくて通常の分娩になってしまいましたね。

妊婦さんに伝えておきたいこと

笑顔で話す女性
痛みが怖くて経済的に余裕があるなら無痛分娩にしたほうがメリットが多いと思います。ただ、普通分娩が悪いというわけではないので、そこは人それぞれの考え方だと思います。出産は一人でするわけではなく助産師さんなどたくさんの人からサポートを受けます。今は選択肢がたくさんありますし、自分が何を求めているかによって病院を選ぶことができますのでよくお考えになって決めていただけたらと思います。

二人目の子を無痛分娩で出産して退院した後は、上の子がいたからすぐに元の生活に戻らないといけませんでした。でも、主人が上の子の面倒を見てくれたり、二人目の子にかかりきりで外出もできなかったから買い物をしてくれたりしたのは助かりました。妊娠中に出産した後のことも考えておくといいかもしれません。

関連記事(外部リンク):無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA)
「無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言」(PDFファイルが開きます)

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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