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妊娠中に乳首が黒くなるって本当?妊娠による乳房の変化とお手入れ方法を紹介

妊娠すると、女性ホルモンの影響で体にさまざまな変化が現れますが、その一つに乳首の色が黒ずむという変化があります。乳房への変化は、乳首が黒くなるだけではなく、大きくなったり乳輪にぶつぶつができたりするので、戸惑う方も多いのではないでしょうか。

しかしこの乳房の変化は、赤ちゃんにおっぱいを与えるための準備になるので、自分の体の変化を嫌がらずに受け入れるようにしましょう。そうはいっても、自分の体がどのように変化していくのか、どのような準備をすべきなのかと不安な時期を過ごしている方も多いですよね。

この記事では、妊娠による乳房の変化と、妊娠中にすべきお手入れについてご紹介します。妊娠で乳首が黒くなって心配だという方は、ぜひ参考にしてみてください。

妊娠による乳房の変化

乳房のお手入れ中の妊婦さん

乳房は、変化によって妊娠に気が付くという方がいるほど、妊娠初期から変わってくる部分でもあります。乳首がヒリヒリ、チクチクする、黒ずんでくる、乳房が大きくなるなど、さまざまな変化はいつ頃訪れるのでしょうか。

まずは、妊娠による乳房の変化を妊娠初期、妊娠中期、妊娠後期に分けてご紹介します。

妊娠初期

妊娠初期の3~4週頃から、乳首がチクチク感じたり、下着に触れて違和感を覚えたりすることがあります。

さらに、ホルモンバランスの変化によってメラニン色素が増加して、乳輪や乳首が黒ずむのもこの頃です。妊娠期間を通してバストは約1.5倍大きくなるといわれていて、妊娠初期からバストが大きくなりはじめる方もいます。

乳首のチクチク感は、妊娠期間中ずっと感じる方もいれば、妊娠初期を過ぎると治まる方もいます。

妊娠中期

妊娠15~22週頃までには、母乳分泌活動が活発になり、母乳を作り始めますが、母乳のほとんどは再び体の中に吸収されて外に出てくることはありません。

妊娠中期になってくると、乳首と乳輪がさらに黒くなりはじめ、乳輪の上の凹凸やブツブツが目立つようになります。このブツブツはモントゴメリー腺といわれていて、保湿オイルの役割をするものを作り出し、授乳の際のヒリヒリ感や、感染症から乳首を守ります。モントゴメリー腺から出るオイルは、羊水のにおいに似ていて、赤ちゃんを乳首に導くのに役立っているとも考えられています。

妊娠後期

妊娠後期になると、乳首から初乳が漏れ始めることもあります。出産するまでは大量に母乳が漏れることはあまりないのですが、稀に母乳パッドが必要なほど漏れ出てしまう方もいます。

さらに、妊娠後期になるとバストがより重くなり、今までのブラジャーではきつく感じることもあります。産後に必要となる授乳ブラジャーの用意を早めに始めたり、ナイトブラやスポーツブラを着用したりして、あまりバストを締め付けるような下着を着用しないようにしましょう。

妊娠中にするべきお手入れとは

乳房のお手入れ中の妊婦さん

産後は一日に何度も授乳をするので、妊娠中から乳首や乳房全体のお手入れをすることが非常に重要です。

ここからは、妊娠中にするべきお手入れをご紹介します。妊娠中に行うお手入れは、お手入れを行う時期も重要となります。最後にお手入れはいつ行うべきかもご紹介するので、参考にしてみてください。

乳頭マッサージ

乳首が硬いと、授乳時に裂けてしまったり、母乳が出なかったりします。

妊娠中から、以下のように乳首のマッサージをしましょう。

  1. 指の腹で乳首の付け根をつかんで少しずつ圧を加え圧迫する
  2. 縦方向、横方向に指をずらしながら、こよりを作るようにマッサージする

何度も赤ちゃんに乳首を吸われても大丈夫なように、妊娠中から乳首を鍛えておきましょう。

しかし、乳首のマッサージは安定期を過ぎてから行うことと、お腹が張ってしまったらやめるようにすることが重要です。乳首への刺激は子宮を収縮させてしまうことがあるため、慎重に行うようにしましょう。

また、乳頭の形状によって、以下のような状態を目指すようにすると授乳時に困らずに済みます。

  • 扁平乳頭…乳首がしっかり立ち上がった状態を目指す
  • 陥没乳頭…乳首が外に出た状態を目指す(乳頭吸引機などを使うのもおすすめ)
  • 小さい乳頭…マッサージで刺激を与え、乳首を大きくする
  • 巨大乳頭…マッサージでやわらかくすることで、赤ちゃんが吸いやすい状態を目指す

バストが大きくなるにつれて、乳首の形状も変わることがあるので、赤ちゃんがおっぱいを吸いにくいのではないかと過剰に心配することはありませんが、少しでも心配な方はマッサージでケアするようにしましょう。

乳房全体のマッサージ

乳房全体のマッサージは、乳腺を刺激して母乳が出やすい状態に整えることができます。

乳房のケアは以下のように行いましょう。

  1. 両手で乳房の外側を支えながら上に持ち上げる
  2. 同時に胸を外側に軽く引っ張る
  3. 片方の乳房の上下を両手で包み、下は外側へ、上は中央に向けて軽く動かす

乳房のマッサージは、産院や助産院で指導してくれる場合もあるので、興味のある方はお願いしてみましょう。産後は、母乳マッサージとして乳房のマッサージをすることでスムーズな授乳を行うことができます。

乳首を清潔に保つようにする

妊娠中期ごろから、乳首から透明や黄色っぽい分泌物が出てくる場合があります。この分泌物は、放置すると固まってしまう可能性があるので、優しくふき取るようにしましょう。

コットンにベビーオイルかオリーブオイルを含ませて乳首の上に置き、10分ほど放置すると綺麗に洗い流すことができます。無理やりごしごし洗うと、乳首を傷つけてしまう可能性があるので、気をつけましょう。

締め付けの強い下着をつけない

締め付けの強い下着は、乳腺の発達を邪魔してしまう恐れがあります。徐々にバストが大きくなってきたら、授乳用のブラジャーに変えるなどして締め付けの強い下着は着用しないようにしましょう。

授乳用のブラジャーのサイズは、妊娠前のサイズから2サイズくらいはアップすると考えて購入するのがおすすめです。授乳する際には授乳用ブラジャーが必ず必要になります。普通のブラジャーだと、授乳に時間がかかってしまうので、妊娠中から授乳用ブラジャーを用意し、慣れておくのもよいでしょう。

お手入れをする時期は?

乳首マッサージや乳房マッサージは、妊娠20~39週にかけて行うようにしましょう。前述したように、乳首や乳房に刺激を与えると、子宮の収縮を起こしやすくなるので、お腹が張ってしまったり、切迫早産や切迫流産を引き起こしたりする可能性も否定できません。

胎盤が完成していない、妊娠16週以前のマッサージは行わないようにしましょう。不安な方は、産婦人科での妊婦検診時に、マッサージを行っても大丈夫かどうかを医師に確認することをおすすめします。

黒くなった乳首はもとに戻る?

乳房のお手入れ中の妊婦さん

出産を終えて、授乳期間が終われば乳首の黒ずみは自然と元にもどっていくので、妊娠中に乳首が黒くなってしまい不安な方も、心配しすぎないようにしましょう。

しかし、下着で擦れたり、蒸れたりすることで色素沈着してしまい元に戻らなかったというケースもあるので、締め付けの強い下着は控えるようにした方がよいでしょう。黒ずみが解消されるまでの時間には個人差があります。どうしても気になってしまうという方は、皮膚科で相談するというのも一つの手です。

妊娠中に乳首が黒くなるのは、これから赤ちゃんを迎えるという準備となり、赤ちゃんにとって必要なこととなります。妊娠中や産後に自分の体に変化があることを怖がったり、嫌がったりすることもあると思いますが、正常な変化でありママになるための準備と考え、自分の体の変化を受け入れるようにすることが重要です。

乳首の黒ずみは産後の授乳が終われば自然と元に戻るので、妊娠中はなんとかしようと考えずに、生まれてくる赤ちゃんのための授乳がしやすい準備を整えるようにしましょう。

まとめ

妊娠による乳房の変化と、妊娠中にすべきお手入れについてご紹介しましたが、参考になりましたか?妊娠中は初期から乳首や乳房が変化します。乳首がヒリヒリと痛んだり、バストが大きくなったりするのは、これから生まれてくる赤ちゃんの栄養を補うための授乳の準備です。

また、妊娠中に乳首が黒くなることを怖がっている方も多いのですが、この変化も妊娠ホルモンによるもので、授乳が終われば自然と元に戻るので心配しすぎないようにしましょう。妊娠中に行う乳首マッサージや乳房マッサージは、妊娠20週頃から行うようにしましょう。それ以前に行ってしまうと、切迫早産や切迫流産の危険があるため、十分注意が必要です。

適切な時期にマッサージやケアを行い、これから生まれてくる赤ちゃんに毎日行う授乳がしっかり行えるよう準備を行いましょう。

ぜひこの記事を参考に、乳頭マッサージや乳房マッサージを行ってみてください。

東京の「ミネルバクリニック」は臨床遺伝専門医が在籍するNIPT実施施設であり、たくさんの妊婦さんの悩みや不安と真摯に向き合い、笑顔になれる出産に導いてきました。妊娠初期からの出生前診断を受ける医療機関にお悩みの方は、知識・経験・実績とも「第三者から認証されている」臨床遺伝専門医が診療している「ミネルバクリニック」まで是非、ご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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