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「えっ体温37度以上?」|妊娠初期の基礎体温は何度がいいの?平熱に下がるの?

妊娠初期の妊婦さんはご自分の身体の変化に敏感です。ちょっとしたことでも赤ちゃんに影響してしまうと思うからです。

例えば、妊娠すると普段よりも体温が高くなっていると知っていても「大丈夫かな?」と心配になってしまいます。体温が37度くらいまで上がると気が気でないことでしょう。

今回は、妊娠初期に起きる微熱について詳しい解説をします。37度にまで上がったときの対処法や風邪との見分け方について詳しく紹介していますのでぜひ最後までご覧ください。

妊娠初期は体温が高い

妊娠初期は通常よりも体温が高くなります。なぜなら妊娠をすると黄体ホルモンの分泌が盛んになり、増え続けていくからです。

黄体ホルモンとは、妊娠を継続するために分泌されるホルモンです。普段はエストロゲン〈卵胞(らんぽう)ホルモン〉の働きによって分厚くなった子宮内膜を柔らかく維持して妊娠しやすい状態を保ってくれています。分泌量が増えると体温が高くなって、中には37度近い微熱を感じる方もいるほどです。

生理前の症状でも体温が上がるのは黄体ホルモンの分泌によるものです。ただし、妊娠していないと分泌量が下がるので体温は低くなります。

体温が高くなる理由

妊娠初期に体温が上がるのは、先述したように黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が増えるからです。精子卵子受精すると卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌によって子宮内膜が厚くなり、受精卵を育てるための準備がスタートします。そして卵胞ホルモンによって厚くなった子宮内膜をより妊娠に適した状態に保ち、フカフカのベッドみたいにして受精卵が来るのを待ちます。

受精卵が卵巣までやってきて、無事着床に成功したら、妊娠を継続させるために黄体ホルモンの分泌が続き、子宮内膜の状態を維持していきます。そのため体温は高いままとなり、人によっては37度くらいまで上がってしまうのです。

体温が高いのはいつまで?

妊娠初期の体温が高い時期を高温期と呼びます。個人差がありますけど、この体温が高い状態はおおよそ妊娠13週頃まで続きます。なぜなら子宮内膜に胎盤が完成するのがそのくらいの時期だからです。

妊娠初期は、卵巣の妊娠黄体から黄体ホルモンが分泌されていますが、これは次第に減少していきます。それは妊娠7~8週目くらいから黄体ホルモンを出す役割が胎盤に移っていくからです。胎盤由来の黄体ホルモンには体温を上昇させる作用はありません。そのため体温が徐々に下がり始めていき、平熱くらいまで戻っていくのです。

妊娠中の体温変化について

自宅のソファに座っている女性

妊娠している時期は妊娠初期、妊娠中期、妊娠後期と分けられています。それは妊娠中に赤ちゃんを胎内で育てて産むまでに身体の状態と役割が変化していくからです。妊娠初期については受精卵を着床させて胎盤が完成するまでの役割を果たすために体温が上がっていました。

妊娠中期と妊娠後期になると役割や準備が変わっていきます。そこで体温がどういった変化をしていくのかご紹介します。

妊娠中期以降は37度以下に

妊娠初期の最後である妊娠15週目に胎盤が完成すると、身体の状態は大きく変化をしていきます。妊娠初期には当たり前だったつわりも楽になり始め、体調も安定していきます。週数が進むと胎動としておなかの赤ちゃんの動きが感じられる時期です。

妊娠中期は胎盤ができあがったことで体内のホルモンバランスが安定してきており、体温も下がってきます。妊娠初期には37度の熱があった身体もおおよそ平熱の36.6度くらいで落ち着きます。食事も美味しく感じられるので体温の上昇よりも体重の上昇に注意した方がいいでしょう。

妊娠後期になると、赤ちゃんの身体も大きくなっていよいよ出産へと向かっていきます。妊娠で体内の水分量が増えてきており、下大静脈が子宮に圧迫されています。そのため血流が滞って下肢がむくみやすくなったり、静脈瘤(じょうみゃくりゅう)ができやすくなったりする時期です。

体温はホルモンバランスの変化もなくなっているため、妊娠中期と同様に平熱である36.6度くらいになっています。ただし、風邪などの発熱によって体温が上がることはあるので気をつけてください。

風邪との見分け方

日常生活や健康問題のコンセプト:アジアの若い女性は風邪を引き、鼻を走らせたり熱を出したりして、自宅で休んで仕事を休まなければなりません。

妊娠初期は身体の変化によって熱が出るのはご紹介してきた通りです。他にも多くの変化が現われており、下記のような症状も出ます。

  • 喉がイガイガする
  • 咳や鼻水がでる
  • 熱っぽく頭がボーッとする
  • 倦怠感
  • 吐き気
  • 胃のムカムカ

こうした症状が出るのはホルモンバランスの変化によるものです。ご覧の通り風邪の症状に近いので見極めるのが難しいと思います。

では、どうやって見極めたらいいのかといいますと、風邪の場合、発熱に加え、喉のイガイガ・咳・くしゃみ・鼻水といった症状がどんどんと重くなっていくのが特徴です。その理由はウイルスや細菌と身体が戦っているときに出るためで症状が重くなればなるほど戦っている状態が続いています。

一方、妊娠初期の症状だとご紹介した体調の変化がずっと続くケースが多く見られます。「ほてって熱い」「寒気を感じる」と表現するママさんもいらっしゃいます。

2~3日して体温が37度よりも上になっていたならば風邪の可能性が高いでしょう。もし37度くらいの熱が続くようであれば妊娠しているかもしれません。医師の診察を受けて確定させておきましょう。

妊娠していないときの体温変化は?

通常の場合、女性は低温相と高温相の2つにわかれます。低温期と高温期の分かれ目が排卵の時期です。

排卵に向かっている卵胞期は、エストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌されるため比較的体温は安定しています。この時期が低温期です。

ところが、排卵期に入る直前に一度体温がすとんと下がり、その後排卵すると高温期へと変化します。先述したように排卵すると分泌量が増えるプロゲステロン(黄体ホルモン)には体温を上昇させる作用があるからです。

排卵が起こると、卵子が飛び出た後に残った卵胞は黄体という状態に変化し、プロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌します。高温相は、プロゲステロンが分泌されている間は、ずっと続くのです。生理前の微熱が終わるのは、妊娠を維持しなくても良くなり、黄体ホルモンの分泌が止まるからです。

妊娠初期に体温が高い経験をしたママさんの体験談

先輩ママも妊娠初期の体温が上がっていた方がたくさんいらっしゃいいます。では、どんな体験をしたのかいくつかご紹介しますのでご覧ください。

◯Aさん(37歳・1歳のママ)
身体がほてってる感じがした、頭がぼーっとしてのぼせる感じが常にありました。

似たような体験談の中で「なんとなく体が熱く、常に頭がふわふわしているような状態」というのもありました。

◯Sさん(39歳・4歳と2歳のママ)
生理前のような体が重くだるい感じがした。とても疲れやすくなった。

生理前の症状でも微熱がありますのでよく似ている経験をしたみたいです。

◯Kさん(36歳・4歳のママ)
寒気がして身体がだるいけど、手はすごく熱く感じ、頭がくらくらしました。

身体の一部がだるくてほてっている状態なのは他にも経験したママさんがいらっしゃいました。

◯Cさん(39歳・3歳のママ)
いつもの風邪なら段階を踏んで悪化していくのに、風邪の初期症状がずっと続く感じでした。

こちらも似たような体験をしたママさんが多くいらっしゃいました。風邪とは違うと判断するのは大変だったでしょう。

「ほてって熱い」ときの対処法

妊娠初期の症状は安静しておくのがいいでしょう。ほてって熱いときも同様です。無理をせずにゆっくりと身体を休めてください

どうしてもほてって熱いときは冷却シートを首やおでこに貼るのがおすすめです。おでこや首には熱を感じる神経が集中しているため冷却シートが熱っぽさを冷ましてくれるからです。

また、市販の解熱剤・漢方薬を飲むのは止めてください。薬の副作用によって赤ちゃんに悪影響を及ぼします。服用してもいいのは産婦人科の医師から処方されたものだけにしましょう。

「寒気を感じる」ときの対処法

寒気がするときは身体を温めるのが鉄則です。腹巻でお腹を温めたり、厚めの靴下を履いたりしてください。しょうが湯も身体が温めるのでおすすめです。

気分が悪くなければお風呂の湯船につかるのもいいでしょう。ただし、長時間の入浴は脳貧血を起こす恐れがあるためのぼせる前に上がってください。

薬の服用は医師に処方されたものだけです。他の薬を飲むと、ご存知のように赤ちゃんの成長を阻害する要因となります。

まとめ

オフィスで働き、患者の話を聞く医師は、彼女の症状、治療、支援のコンセプトを説明している

ここまで妊娠初期の症状の一つである体温の上昇について解説をしました。生理前の症状と同じように排卵期に分泌されるホルモンが原因によるものなので生理前の症状か風邪なのか、妊娠していたのか区別が付きにくく判断は難しいところです。妊活中のカップルならば、基礎体温を測っているので判断しやすいかもしれません。

もしこれから妊活をするのであれば、基礎体温の測定は必須といえます。忘れずに準備しておきましょう。今ならスマートフォンのアプリで、いくつかあるため気に入ったのを入れておくだけで十分です。

東京の「ミネルバクリニック」は臨床遺伝専門医が在籍するNIPT実施施設であり、たくさんの妊婦さんの悩みや不安と真摯に向き合い、笑顔になれる出産に導いてきました。ミネルバクリニックでは、妊娠9週から受けられる赤ちゃんの健康診断である「NIPT」を業界最新の技術と業界随一の対象疾患の広さで行っております。遺伝のエキスパートである臨床遺伝専門医が出生前診断を提供しておりますので、是非、お気軽にご相談ください。妊娠初期からの出生前診断を受ける医療機関にお悩みの方は、知識・経験・実績とも「第三者から認証されている」臨床遺伝専門医が診療している「ミネルバクリニック」まで是非、ご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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