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妊娠初期に出血が続くと赤ちゃんに影響ある?|原因と対処法を紹介

新しい命がお腹に宿ったと喜ぶのもつかの間、妊娠初期の妊婦さんは身体の変化を感じて「流産しないだろうか」と不安な日々を過ごしているかも。出血が続いてしまって「赤ちゃんに何か起きないかな」と心配になってしまうでしょう。

この記事では、妊娠初期に出血が続く原因と対処法について詳しく解説をしています。気にしなくていいものから、すぐに診察を受けたほうがいい症状まで解説しますので参考にしてください。

妊娠初期の出血は流産へとつながるの?

「妊娠初期の出血は流産へとつながるかも」と考える妊婦さんは少なくありません。妊娠初期は流産する確率が15%と中期や後期と比べて高いため、ママさんはちょっとしたことでも心配してしまいがちです。 しかしすべての出血が流産へとつながるわけではなく、単なる生理現象といった場合もあります。

妊娠初期は出血も多いので判断するのが難しい時期です。もし出血したとしても、赤ちゃんが無事なのか確認できたら不安に感じる必要はありませんので出産へ向けての準備をしましょう。

出血してしまったらどうすれば良いの?

もし出血をしていたら落ち着いて状況を確認してください。万が一のときに慌てないためにも対処法を知っておきましょう。

出血の色、量、においを確認する

出血の色と量で症状が違うのは上述した通りです。危険度は真っ赤→ピンク→赤茶色→茶色→薄茶色です。茶色でもレバーのような塊があるときは、先述した子宮内容物が排出された可能性があるためすぐに病院へ連絡してください。

生理の2日目くらいの出血量が目安です。それ以上の場合にはリスクが高いと言われています。真っ赤、ピンク色の場合は少量でも主治医の診察を受けるようにしましょう

病院に電話連絡して、出血したことを伝える

もし上記のどれかに当てはまった場合、主治医の診察を受ける必要があります。その際、出血したときの状態を詳しく聞かれますので状態を把握しておきましょう。また、お腹の張りや痛みはあるか?や熱はあるか?もよく聞かれます。可能であれば連絡する前に熱を測ってお腹が正常なのか確認しておいてください。

病院からの指示に従う

ご自分の状態がわかればすぐに病院へ連絡です。その際、以下のことを忘れずに伝えておきましょう。

  • ・出血の状態
  • ・いつから出血しているか
  • ・おなかに痛みや張りがあるか
  • ・37.5度以上の発熱やその他の不調があるか

出血を繰り返していたらどうする?

妊娠中の出血はよくある症状なので上述したトラブルのどれかに該当しなければ、特に気にする必要はありません。ただし、少量であっても出血を繰り返すようならば流産する恐れがあるので病院に行きましょう。腹痛がある場合は先述したように子宮外妊娠の可能性があります。夜中や診察時間外であってもすぐに病院へ連絡してください。

また、稀に少量の出血を妊娠15週頃までくりかえすことがあります。安静にすると止まり、少し動くと出血するという状態が続きます。その場合、時期が来れば出血は止まり、出産まで何も起きません。

妊娠初期に出血が起きる9つの原因

女性の身体はとても繊細にできています。そのためちょっとした刺激で子宮内部や膣からの出血は珍しくありません。それは妊娠中であっても変わらず、妊娠経験のあるママさんの20%~30%が出血したことがあるというくらいです。トイレにいった際にティッシュに血がつく程度の出血や、おりものにやや茶色っぽい血が混じっている程度の出血ならば自分では気づかないこともあるでしょう。

しかしながら、出血が続いているとなると「もしかしたら」と不安になるのは当然です。もちろん決して良い状態はいえませんので医師の診察を受けるのが第一です。 妊娠初期に起きる出血の原因はさまざまです。考えられる原因について紹介をしますので、出血の特徴や出血以外の症状も見て確認してみてください。

1.着床出血

出血量 血の色
ほんの僅かで気づきにくいケースも ピンク・赤・茶色の場合が多い

精子卵子受精したときに起きる出血が着床出血です。受精するときに絨毛が子宮壁に触れて傷つけた際に出血をします。 そのため誰にでも起きるわけではありません。1~4日以内に収まるケースがほとんどで、生理前の出血と勘違いする妊婦さんもいます。

2.絨毛膜下血腫

出血量 血の色
少ないけど血がこぶのようにはれあがったものが大きくなると出血量が増えることもある 真っ赤・赤茶色

絨毛膜下血腫とは、胎盤が作られる妊娠初期に多く見られる症状です。出血量が少ないときは気づきませんが、血がこぶのようにはれあがったものが大きくなるケースがあります。その場合、絨毛膜と子宮内膜の間から血が漏れてしまい、大量に出血してしまいますので注意してください。

妊娠は受精卵が子宮内膜に潜り込んで着床したら確定です。血腫とは、着床したときに絨毛膜と子宮内膜の間に血がこぶのようにはれあがったものが大きくなってしまったものになります。

出血は妊娠中期の15週目くらいまで止まるケースがほとんどです。超音波検査で発見されます。もし妊娠15週目を過ぎても続いていると、流産を引き起こすリスクもあるので主治医に診てもらいましょう。

3.子宮外妊娠(異所性妊娠)

出血量 血の色
少量から少しずつ出血量が増える・急な大量出血 真っ赤・赤茶色

子宮外妊娠とは受精卵が卵管や卵巣、腹膜など子宮以外に着床してしまった症状です。全妊娠数の1%程度で発症します。妊娠検査薬で陽性の反応が出るものの、妊娠6週目過ぎても超音波検査で子宮内に胎のうが確認できない場合に判明するケースが多いようです。

卵管は卵巣から子宮に向かう小さな管です。もし卵管で胎のうが大きくなると卵管破裂による大量出血の危険性が高くなります。他にも出血量は少なくても診断が遅れると、着床した部分から徐々に出血量が増えていきます。そうなると母体が危険な状態となり、手術になる可能性があるので早めの発見が不可欠です。もし子宮外妊娠だと診断されたら妊娠の継続はできません。

4.胞状奇胎

出血量 血の色
極少量、おりものに血が混ざる程度 赤茶色・茶色

胞状奇胎は妊娠成立時の精子と卵子の受精の異常によっておこる症状の一つです。胎盤を作るための絨毛細胞が異常に増えてしまったのを指します。

母親の卵子由来の核(DNA)が消失し、精子由来の核のみから発生する症状と、父親からの精子2つと母親からの卵子1つが受精した3倍体から発生する病態に分けられます。どちらも妊娠の継続はできませんのですぐに子宮内容物を取り除く処置をしなければいけません。

このような受精の異常がなぜ起きるのか原因ははっきりしていません。親から子へ遺伝する病気ではないのが明らかになっています。

5.早期流産(初期流産)

出血量 血の色
少量~大量 真っ赤

妊娠22週未満に起きてしまう流産はすべて早期流産です。先述したように妊娠12週目までに起きる流産のほとんどが切迫流産となります。

他に確率は低いですが、ウイルスや細菌により流産の場合もあります。風邪、B型肝炎、サイトメガロウイルスの場合、胎児に感染してしまい死亡してしまったり、重篤な障がいが残ったりすることも考えられます。また、性感染症による感染は炎症を起こしやすく、流産しなかったとしても母体に影響を及ぼす恐れがあるので早めに医師へ相談しましょう。

6.切迫流産

出血量 血の色
少量~大量 真っ赤・赤茶色

妊娠12週目までに流産に至るほとんどが切迫流産です。受精時に染色体の異常や遺伝性疾患によって受精卵が成長に至らず流産してしまいます。

原因は不明で妊婦さんの行動によって起きるわけではありません。ただし、妊娠12週から22週にかけての切迫流産では胎児因子によるものが減り、絨毛膜下血腫による出血、感染による子宮内の炎症や子宮頸管無力症、子宮頸管ポリープなどからの出血など、子宮に問題が起きて切迫流産になることがあります。

7.子宮頸部びらん

出血量 血の色
少量・おりものに混ざっているくらい ピンク・赤茶色・茶色

子宮口の近くがただれた状態を子宮頸部びらんといいます。女性ホルモンの影響に起こる現象のため病気ではありません。赤ちゃんに影響はしないと言われています。

子宮頸部びらんが起きると、性交や内診をしているときにも出血してしまうケースがあります。量はごく僅かでおりものに血が混じる程度です。炎症を起こしている時は出血しやすくなっており、症状がひどいと膣内洗浄や抗生物質などの処置をする場合もあります。

8.子宮頸管ポリープ

出血量 血の色
少量・おりものに混ざっているくらい ピンク・赤茶色・茶色

子宮出口付近の頸管内にできる突出したイボのようなものが子宮頸管ポリープになります。良性の場合が多く、悪性への変異も起こしにくいです。

赤ちゃんの成長に反応をする恐れはありませんが、ポリープが大きくなって炎症を起こすと流産のリスクが上がるので注意してください。

ポリープはもろくて柔らかいため、簡単に出血するのが特徴です。量は少なく、すぐに止まります。

9.子宮頸がん

出血量 血の色
少量・ティッシュにつく程度 真っ赤・赤茶色

年齢が若い女性でも比較的かかりやすいがんが子宮頸がんです。妊娠初期の子宮頸がん検診で発覚するケースがあり、ごく少量の出血から徐々に量が増えていくのが特徴です。

妊娠の継続は病状によって異なります。もしがん化する前の状態ならば、経過観察する場合もあるので医師に相談をしてください。

妊娠初期に出血が起きた場合チェックするポイント

女性医師

妊娠初期に出血した経験を持つママさんは約30%いると言われており、特に珍しい症状ではありません。出血は何かしら異常を知らせるサインではありますが、妊娠初期だと異常がなくても起きる場合もあり、慌てる必要はありません。

しかしながら、もし出血が何かしらの疾患を知らせるサインだったら早めに診察を受ける必要があります。そこで出血の色から見分ける方法をご紹介します。

真っ赤の場合

色が真っ赤な血が出たら切迫流産、子宮外妊娠、子宮頸がんなどの可能性があるためすぐに主治医の診察を受けてください。早めに処置を受けられたら妊娠が継続できるかもしれません。

どの症状も出血量は少ないのが特徴です。真っ赤な色をした出血の場合は病院に連絡をしましょう。

ピンクの場合

ピンクのおりものは、子宮頸管が充血しやすい妊娠超初期によくある出血です。少量であれば着床出血や絨毛膜下血腫の可能性が高いでしょう。

すぐに止まるようならば、そのままにして問題ありません。ただし出血が続く場合、病院に連絡をして診てもらいましょう。

茶色でレバーの塊のような場合

レバーのようなかたまりは子宮内容物が出てきてしまった可能性があるため病院に連絡をしてください。もしかしたら流産しているかもしれません。

子宮内容物の一部が残っている場合は、流産手術が必要になります。

出血が続いたら無事に出産できるの?

検査結果に喜ぶ患者と医師

妊娠初期は、硬いお通じをきばって出したり、自転車やバイクに乗ったりするだけでも子宮の入り口が傷ついて血が出てくることがあります。もし血が止まらなくても量が少なく、色も赤茶色でゆっくりしていたら止血するようならば赤ちゃんの成長に影響を及ぼす可能性は低いと思われます。ただし、腹痛やお腹の張りがある場合は医師の診察を受けてください

妊娠初期に出血が続いたママさんが無事に元気な赤ちゃんを出産した例はたくさんあります。出血が起きても慌てないことが大切です。ご自分の状態がどうなっているのか把握することに努めてください。

まとめ

妊娠中は出血しやすい時期です。特に妊娠初期は、ちょっとしたことで出血しやすくなります。まずは出血しても慌てずに血の色や量、においをチェックしましょう。もし診察を受けるような症状に当てはまったならば、すぐに連絡をして医師の指示を受けてください。もし安静に過ごすよう指示を受けたら、最低限の食事と入浴を済ませてお好きな本を読んだり、映画を見たりして過ごしてください。ちょっとした運動も厳禁です。

東京の「ミネルバクリニック」は臨床遺伝専門医が在籍するNIPT実施施設であり、たくさんの妊婦さんの悩みや不安と真摯に向き合い、笑顔になれる出産に導いてきました。ミネルバクリニックでは、妊娠9週から受けられる赤ちゃんの健康診断である「NIPT」を業界最新の技術と業界随一の対象疾患の広さで行っております。遺伝のエキスパートである臨床遺伝専門医が出生前診断を提供しておりますので、是非、お気軽にご相談ください。妊娠初期からの出生前診断を受ける医療機関にお悩みの方は、知識・経験・実績とも「第三者から認証されている」臨床遺伝専門医が診療している「ミネルバクリニック」まで是非、ご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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