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妊娠初期の体の変化と気をつけること|下痢・腹痛・頭痛の原因と対処法

皆さんは、妊娠初期に起こる体の変化をどこまで理解していますか?

吐き気や嘔吐といった「つわり」は妊娠初期の代表的な症状ですが、下痢・腹痛・頭痛など日常生活に支障をきたす厄介な症状もあり、しっかり対処することが必要になってきます。

この記事では、妊娠初期の体の変化と気をつけることをご紹介した後、妊娠初期に起こる下痢・腹痛・頭痛の原因と対処法を詳しく解説していきます。普段から体調を崩しやすい方、そうでない方も是非参考にしてください。

妊娠初期の体の変化と気をつけること

気分不良

赤ちゃんを授かった母親の体には、身体的なものから精神的なものまでさまざまな変化が起こります。まずは、妊娠初期の体の変化と気をつけることをご紹介していきます。

妊娠初期の体の変化はいつ頃から起こる?

妊娠すると母親の体はどんどんデリケートになっていき、妊娠超初期(妊娠0週〜)から妊娠を示唆する体の変化が現れてきます。

妊娠超初期 妊娠0週〜3週頃まで
妊娠初期 妊娠1ヶ月〜4ヶ月
妊娠中期 妊娠5ヶ月〜7ヶ月
妊娠後期 妊娠8ヶ月〜妊娠10ヶ月

妊娠1ヶ月〜4ヶ月の妊娠初期はホルモンの分泌がより活発になる時期であり、腹痛や頭痛が起こりやすくなり、初期おりものや初期出血もみられるようになります。

妊娠後の体温の変化

妊娠の経過に伴い、妊婦さんの平均体温も変化していきます。

妊娠超初期〜妊娠初期 平均36.7度以上
妊娠中期〜妊娠後期 平均36.6度以下

妊娠超初期〜妊娠初期は高温期になり、平均体温が高くなることで熱っぽく感じることがあります。胎盤が形成される中期以降は徐々に体温が下がり、最終的に平均36.6度以下に落ち着きます。

この変化はホルモンバランスの変化によって起こるものであり、体温が36.7度以上あっても体調が悪くなければ特に問題はないと覚えておきましょう。

妊娠初期に起こる主な症状

妊娠初期に現れる症状の種類は多く、中には生理の症状と似ているものもあるため、すぐに妊娠だと気づけない場合もあります。

【妊娠初期にみられる症状】

     

  • 生理が遅れる
  • 生理以外の少量の出血がある
  • 日中に強い眠気に襲われる
  • 倦怠感・だるさを感じる
  • 初期おりものがみられる
  • ガスが出やすくなる
  • 便秘になりやすい
  • 胸が張って乳頭がチクチク痛む
  • 感情のコントロールがしづらくなる
  • 吐き気がする
  • 腰痛が起こる
  • めまいや頭痛が起こる
  • 肌荒れや口内炎ができる
  • 頻尿ぎみになる
  • 食欲がなくなる
  • 食欲がありすぎる
  • においに敏感になる
  • 熱っぽくなる

 

このように身体的な体の変化もあれば精神的な体の変化もあり、今まで経験したことがない生理以外の出血や妊娠初期おりものに戸惑うこともあるでしょう。初めて妊娠を経験する方は妊娠初期特有の「初期おりもの」や「初期出血」に関する知識が浅い方も多いため、どのような特徴があるのか詳しく触れていきます。

妊娠初期おりものの特徴

おりものは自浄作用によって健康を守る役割、受精を促して妊娠に繋げやすくする役割があります。生理と同じように一定の周期でみられるものですが、妊娠初期には特有のおりものがみられ、生理前のおりものとは少しだけ特徴も異なります。妊娠するとおりものの量が増えていく傾向にあり、色は乳白色や白っぽく変化します。また臭いにも変化があり、いつもより酸っぱいアンモニア臭のような臭いになります。

しかし、その変化は個人差があり、あまり大きな変化がみられない場合は妊娠初期おりものだと気づかないケースもあります。

気をつけること

妊娠初期おりものがピンク色、または茶色だった場合は妊娠初期に現れる初期出血やその他の原因による出血が原因になっている可能性があります。正常妊娠の初期出血なら問題はありませんが、何か病気を伴う出血が起きている可能性も否めないため、医師に相談することをおすすめします。

妊娠初期出血の特徴

妊娠初期出血の多くは、受精卵が子宮内膜着床する際に起こる「着床出血」になります。着床出血は妊娠を知らせる一つのサインでもあり、4人に1人の妊婦さんが経験します。そのため、妊娠を望む方が着床出血を確認できなくても落胆することはありません。

着床出血は妊娠4週目以降に起こるもので、タイミングが生理と一緒ということから出血が生理だと思って気づかないケースもあります。着床出血だと判断できる基準は、生理よりも出血の期間が短い(1日〜2日程度)、生理と比べて血の量が少ないという部分です。

生理による出血とは何か違うと感じたら、それは妊娠初期の着床出血かもしれません。

気をつけること

妊娠4週以降の初期出血が鮮血だった、または血の塊が混ざっていた場合は、流産や切迫流産の可能性があるため注意が必要です。これらの症状がみられた場合は、すぐに病院で診察を受けるようにしましょう。

妊娠初期の下痢・腹痛・頭痛の原因と対処法

腹痛

体に起こるさまざまな変化の中で、特に辛いのが日常生活に支障をきたす身体的な症状です。ここからは、妊娠初期の下痢・腹痛・頭痛の原因と対処法を詳しくご説明していきます。

下痢の原因|対処法

妊娠中はホルモンバランスが乱れやすく、自律神経の働きにも影響が出るため頻繁に下痢になることがあります。また、食生活の変化も下痢を引き起こす原因となっており、つわりがひどくてアイスやゼリーばかり食べていた場合、体が冷えることで下痢に繋がるということもあります。

対処法

下痢の対処法はしっかりと水分を補給するというものです。下痢によって体内の水分が多く排出されてしまった結果、脱水症状に繋がり、ひどい場合は痙攣や意識不明などの重い症状も引き起こします。

体温を高く保てるようにしっかりと厚着をして、下痢をした後は必ず水分を補給しましょう。冷たい水分の補給は体を冷やしてしまうため、できればぬるま湯がおすすめです。食塩とブドウ糖が混合した経口補水液は小腸の水分吸収を促すため、ベストな選択肢となります。

腹痛の原因|対処法

妊娠初期に腹痛になる原因は主に2つあります。

1つはホルモンバランスの変化によって腸の動きはゆっくりになり、お腹が張る感覚になるというものです。もう1つは、妊娠によって子宮が大きくなることで子宮の両端にあるじん帯が伸び、脇腹に痛みを感じるというものです。妊娠初期の腹痛は大体4ヶ月程度で治まりますが、個人差があるため妊娠1ヶ月程度で治まる妊婦さんもいれば、妊娠4ヶ月以降も痛みを引きずってしまう妊婦さんもいます。

対処法

ジンジンと痛みが続く腹痛はお仕事や家事に支障をきたすためとても厄介です。お腹に痛みを感じた場合、まずは腹部を温めて安静にすることを優先しましょう。

具体的な方法としては、温かい飲み物で体を温める、妊娠帯やマタニティタイツを着用する、カイロで腹部を温めるなどになります。

お仕事で安静にできない場合は、ブランケットなどで腹部が冷えないようにしっかり対策をしましょう。カイロで腹部を温める場合は、低温やけどにならないように注意しましょう。

頭痛の原因|対処法

つわりの代表的な症状は吐き気や嘔吐ですが、実は多くの妊婦さんが頭痛に悩まされています。妊娠初期において妊婦さんの6人〜7人に一人が頭痛を経験するといわれており、その原因は妊娠の維持に欠かせないプロゲステロン黄体ホルモン)が関係しています。

プロゲステロン(黄体ホルモン)は生理が始まる前の頭痛の原因となるホルモンであり、妊娠初期にホルモンの分泌量が増えることで頭痛を引き起こしてしまうのです。また、つわりがひどい人は胎児発育に必要なエストロゲン(卵胞ホルモン)が多く分泌されていることが原因といわれています。

対処法

脈を打つようにズキンズキンと痛みが感じる片頭痛は、睡眠不足や寝すぎが原因とされています。規則正しい生活を心掛けることが改善に繋がっていきます。すぐに対処したい場合は、冷湿布やタオルに包んだ保冷剤を使って患部を冷やすようにしましょう。

頭部を圧迫されるような痛みを感じる緊張型頭痛は、仕事やデスクワークによる長時間の前傾姿勢が原因とされています。緊張型頭痛の痛みを緩和させたい場合、後頸部のマッサージやツボ押しで筋肉をほぐす、温めたタオルや温湿布で後頭部を温めるという対処法が効果的です。

まとめ

妊娠1ヶ月〜4ヶ月の妊娠初期には、生理と似たような腹痛や腰の痛みが起こり、初期おりものや着床出血といった特徴的な症状もみられます。ホルモンバランスの変化が原因となる症状の中でも、下痢・腹痛・頭痛は日常生活に支障をきたす厄介なものとなり、正しい対処をする必要があります。水分補給を怠らないこと、体を冷やさないようにすること、規則正しい生活をおくること、この3つはこれらの症状全てに共通する対処法となるので覚えておきましょう。

妊婦さんは自身の体調管理に細心の注意を払う必要がありますが、お腹の中の赤ちゃんの状態も気になってしまうものです。妊娠初期からは、赤ちゃんが染色体異常症を持っていないかを高精度で検査できるNIPTを受けることができます。

大学病院レベルの臨床遺伝専門医が在籍する東京の「ミネルバクリニック」では、どこよりも早い妊娠9週目からNIPTを実施しています。赤ちゃんのダウン症候群21トリソミー)のリスクなどを安全に検査することができ、出産に対する不安や悩みも経験と知識が豊富な医師が親身になって受け止め、笑顔になれる出産へ導きます。是非この機会に「ミネルバクリニック」までご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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