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基礎体温の高温期が短い・体温が低いなどの不安について徹底解説!

基礎体温でわかるのは月経周期

女性の身体はホルモンの関係で基礎体温がわかりやすく変化します。基礎体温を測ることで自分が今、低温期なのか高温期なのかがわかるので排卵タイミングを予測できるのです。

例えば、月経が28日周期の場合、月経の初日の1日目~排卵までの約2週間は低温期(個人によってばらつきがある)になります。この期間は、エストロゲンが分泌され、子宮内膜が増殖していきます。

分泌がピークになると、脳の視床下部、下垂体から黄体形成ホルモン(LHサージ)という排卵を司令するホルモンが出て、体温が上昇します。これが高温期です。高温期は12日から14日続きますけど、16日過ぎていたら妊娠しているかもしれません。だから妊活をする際に基礎体温を測るのはとても大切なのです。

基礎体温6つのタイプの特徴

基礎体温のグラフは大まかに分けると以下の6つのタイプになります。

  • 高温期と低温期がはっきりと変化するタイプ
  • 基礎体温の高温期と低温期がはっきりと変化するタイプ

    高温期が12~14日ほど続くとともに、低温期から高温期へ移るのが1~2日ほどで完了するのが特徴です。

  • 低温期から高温期への変化が緩やかに行われるタイプ
  • 基礎体温の低温期から高温期への変化が緩やかに行われるタイプ

    低温期から高温期への移行にやや時間がかかるのがこのタイプの特徴です。

  • 高温期における体温が安定しないタイプ
  • 基礎体温の高温期における体温が安定しないタイプ

    このタイプは高温期における体温の違いが大きく、安定性がありません。

  • 低温期が比較的長いタイプ
  • 基礎体温の低温期が比較的長いタイプ

    このタイプは低温期が平均よりも長く、これに伴って周期も28日より長くなっているのが特徴です。

  • 高温期が比較的短いタイプ
  • 基礎体温の基礎体温の高温期が比較的短いタイプ

    高温期が14日よりも短いのが特徴です。

  • 低温期と高温期の区分が確認できないタイプ
  • 基礎体温の低温期と高温期の区分が確認できないタイプ

    低温期と高温期の区別もつかないほど体温のバラつきがひどいのが特徴です。

ご自分がどれに当てはまるのかチェックしてみてください。詳細については以下の記事で解説しています。

高温期にはいつから入るのか?

基礎体温の周期は、この「低温期」と「高温期」をおよそ1ヶ月のサイクルで繰り返しています。月経が始まってから約2週間が「低温期」です。

その後、排卵がスタートすると高温期へと移ります。排卵期に妊娠が成立していると高温期のままとなり、妊娠14週くらいまで体温が高いままです。平均体温は個人差があるものの36.7度くらいで過ごすようになります。排卵期に妊娠していない場合は再び低温期へと移っていきます。

高温期に体温が低いと妊娠できない?

妊活中の女性の中には、高温期の体温が低いと妊娠できないのでは?と心配されている方がいます。流産の経験がある女性は自分を責めてしまうせいか心配してしまいがちです。

しかし高温期に体温が低いから妊娠できないという医学的根拠はありません。東京医科歯科大や国立成育医療研究センターなどが発表したデータによると、高温期である黄体期の平均体温は10代から20代にかけて上昇していき、29歳でピークを迎えます。30代は安定していますけど、42歳になると徐々に体温が下がっていく結果が出ているのです。そして地域や季節によっても高温期の体温は変化していると結果が出ています。だから平均より体温が低いからといって諦めないでください。

高温期に体温が低い原因

原因として挙げられるのが元々の体温が低いことです。平熱が35度台だと高温期でも体温は平均よりも低くなります。

体温が低いのは筋肉などの基礎代謝が低くなっているからかもしれません。年齢が高くなると基礎代謝が下がっていくので高齢出産の場合、基礎代謝が低くなったおかげで高温期の平均体温も低くなった可能性もあります。高温期に低めの体温が続くと排卵に影響が出るので医師の診察を受けるようにしましょう。

高温期が長い・短いけど大丈夫?

高温期はおおよそ10日から14日ほど続きます。もし短かったり、長かったりしたら何か体調不良を示すサインかもしれません。14日以上続く場合は先述したように妊娠しているかもしれませんが、体調不良の可能性もあるので医師の診察を受けてください。

高温期が10日以下なら黄体機能不全の疑いがあります。これは、卵巣の働きが悪くなっていて、妊娠を阻害する原因の1つです。また妊娠しても、受精卵がうまく育たない可能性があります。

その他の基礎体温トラブル

他にもいくつか気をつけないといけないパターンがあるのでご紹介しておきます。まずは高温期に入っても基礎体温の数字がほぼ変わらずに横ばいの場合です。しかもグラフが低い状態が続いているならば無排卵月経の疑いがあります。女性ホルモンの分泌が下がっており、排卵ができていない可能性が考えられます。

続いては高温期に入ったのに一時的に基礎体温が下がる場合があります。これは高温期が短いのと同じように卵巣の働きが悪くなる黄体機能不全かもしれません。

他にも基礎体温のグラフがガタガタのパターンがあります。基礎体温は多少のずれが起きるので全体的に見て判断しないといけません。その温度差が0.3℃以上あり、生理周期が28日~30日前後であれば、ホルモンバランスは問題ないといえます。

そして平熱が35℃台であったら、平熱が低い原因を確認してください。心身のストレスや環境の影響などで自律神経のバランスが崩れている場合や免疫力が低下している可能性が考えられます。放っておくと妊娠に悪影響を及ぼすかもしれませんので診察を受けるようにしましょう。

まとめ

基底温度を測りながらカメラを見る女性

妊活中の女性に欠かせない基礎体温チェックをすると排卵のタイミング以外に体調不良のサインも見つけられる場合があります。特に高温期の平均体温のパターンによっては医師の診察を受けた方がいい場合があります。また、基礎体温を測ることで生理不順の受診目安も判断しやすくなります。何かしらの理由で続けられない方もいるかもしれません。そうした方は産婦人科の医師に相談してみましょう。大切なのは一人で抱え込まず周りに打ち明けてみることです。ご自分の体調管理や妊活のためにも怖がらずに話してみてください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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