そうなのかな? 「医療者の適格性疑う医師が原因」群大病院改革委

群馬大学の改革委員会が,先般起った手術事故について報告したものですが.

そうなのでしょうか?大変違和感を感じます.

医療者の適格性疑う医師が原因 って.

1人の責任で,あの件数が可能なのでしょうか?

少なくとも,保険適応のない術式だったわけだから,倫理委員会を通す必要があるため,手術の同意書もそれなりのものでないといけないはずです.
「研究だ」ということが判るようにしておかねばなりません.

術前からそのような書類があるかどうか,麻酔科や,合併症の管理をする科もチェックすることは可能だったと思います.

誰も気が付かなかったのだとすると,だれもそういう倫理委員会の手続きに対して,きちんと理解していないし,問題意識を持てないような大学病院であると言うことでしょう.

これを,一人の責任にしようと言う報告こそ,疑わしいと私は思いますね.

 

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www.m3.com/news/iryoishin/369765

 

「医療者の適格性疑う医師が原因」群大病院改革委

中間まとめ公表、医学系大学院の改変求める
レポート 2015年10月27日 (火)配信高橋直純(m3.com編集部)

 群馬大学医学部附属病院で同じ執刀医の腹腔鏡手術や開腹手術を受けた患者が相次いで術後に亡くなっていた問題で、大学が設置した「病院改革委員会」が10月26日、中間まとめを群馬大学に提出した。委員長の木村猛氏(大学評価・学位授与機構顧問、元東京工業大学長)が記者会見し、「群大独特のヒエラルキーが構築され、患者視点の対応ができていなかった」と背景を説明した上で、執刀医について「医療従事者として適格性を疑われる医師が主要構成員として存在したことにより起こった」と指摘した。

自大学出身の“純血”が多すぎる

病院改革委員会委員長の木村猛氏

 中間まとめでは、問題の背景を、(1)県内唯一の大学病院で地域医療機関に対して優位な立場である、(2)患者が増加する中で、問題を起こした肝胆膵チームは労働負担が大きかった可能性があり、加えて病院として診療実績を挙げる意識が強く働いていた、(3)群大は4学部の小規模な大学であるが、医学部は発言力も大きく大学としてガバナンスが及ばなかった――などと分析。自大学出身者が多く、先輩・恩師に対して発言しにくい風土があり、チーム医療や患者説明など、時代が要請する流れに取り残される結果となったとしており、木村氏は「今は純血(群大出身)が多すぎるので、ぜひ変えてほしいと言っており、病院長にも理解いただいている」と説明した。

スタッフ数に見合わない診療、手術

診療体制については、旧講座の一外科、二外科の教授による指揮命令系統が残り、二つの組織が独立して運営されていたことを特に問題視した。消化器外科の診療科長は、旧一外科(現・病態総合外科学)の教授であるが、内部には消化器外科(一)と消化器外科(二)の2つの診療科が混在し、消化器外科(一)は診療科長が、消化器外科(二)は旧二外科(現・臓器病態外科)の教授が掌握する組織になっていた。関連病院も異なり、「お互い無干渉という慣行があった」とし、安全管理や効率性に負の影響があったと指摘。特に肝胆膵チームは2、3人の少人数で運営され、スタッフ数に見合わない数の患者の診療、手術をこなしており、閉鎖的、属人的医療となっていたとした。

「人間の尊厳を尊重していない」

その上で「体制的欠陥と医療に従事する者として適格性を疑わざるを得ない医師が、この体制の主要な構成員であったことによって起こったものと思われる」と指摘した。「適格性を疑う」という点について、木村氏は「常識で考えれば分かる。二度続けて死亡事故を起こしたら、自分からアクションをすべき。それが欠けているので適格性を疑うと判断した」と説明。会見の最後にも「医療行為は人間の尊厳を傷つけないものであるべき。執刀医は人間の尊厳を全くと言っていいほど尊重していない。人間の尊厳が踏みにじられているような行為は絶対許すことができない」と厳しく指摘した。なお、病院改革委員会としては執刀医への聞き取りは行っていない。

組織体制の効率化不可欠

 田村遵一病院長は「厳しいが非常に的を射た指摘。早期に改革を行っていきたい」と話した。指摘された問題に対しては「これまでも認識していなかったわけではなく、外科同士で協力しないのは良くないとは思っていたが、現実的に行動を起こせていなかった。報告を受け、何とかしないといけないという意を強くした」。
報告体制の整備や病院長巡視、医学安全教育の教など、これまで同病院が行った改革を説明し、「医師からのインシデント報告が、問題発覚前の月18件から58件に、バリアンス(予期しない合併症)報告が月6件から28件に増えた」と報告。一方で、スタッフの負担増については「負担が増していること確か。今は緊張してやっているが疲労が高まってくる中でも続けられるよう、効率化が必要。病院コンプライアンス委員会で検討しており、今年度中に組織体制の工夫をしたい」と説明した。

田村遵一病院長

2015年4月から内科と外科の診療科を統合し、それぞれ内科診療センター、外科診療センターとしているが、提言の中では医学系研究科の講座構成とねじれが生じていると指摘されている。改善を強く求められており、2016年6月頃の学生募集までに組織改組をするという。

診療科長を選考中で、現在手術を停止している肝胆膵診療科については「大学から教授職を一つ増やしてもらったので、11月から手術を再開したい」とした。関係者の処分については、事故調査委員会の報告を待って行う方針という。

3つの報告書・提言へ

病院改革委員会は群馬大学学長が設置し、7人の外部有識者が委員となっている(『群大、「意識改革、組織改革が必要』を参照」)。中間まとめの正式名称は「『群馬大学医学部附属病院における医療の質保証体制の今後の改善に向けて』提言」。同じく学長が設置した外部有識者による医療事故調査委員会も調査を行っており(『死亡30例で 遺族ヒアリングの方針、群大新事故調』を参照)、2015年度末を予定している事故調査委員会の最終報告を受けて、病院改革委員会も最終まとめを公表するとしている。2015年3月に病院主体の事故調査委員会が提出した報告書(『死亡全8症例「過失あり」、群大最終報告』を参照)と合わせて、計3つの報告・提言が出ることになる。

■中間まとめの要旨

1:はじめに
診療体制や医療の質保証体制並びに医療安全管理体制の抜本的な改革、全職員の意識改革、同院独特の風土改革が必要との結論に達し、今後の改善に向けての提言をまとめた。

2:背景と課題
群大独特のヒエラルキーが構築され、当該診療科では患者視点の対応ができなかった。
(1)診療体制
・旧講座の一外科、二外科の教授の指揮命令系統で二つの組織が独立に運営され、協力体制がなかった。病院も問題視していなかった。
・旧二外科の肝胆膵チームはスタッフ数に見合わない診療をしていた。診療科長の指導力不足ともあいまって、医療の質低下を引き起こした。説明同意取得の不備の大きな理由は、説明文章が病院として統一されておらず、チェック体制、チーム医療体制が取れていなかった。
・肝胆膵部署では方針が合議によらず、閉鎖的・属人的だった。重大事案発生の理由は、体制的欠陥の中、医療従事者として適格性を疑われる医師が主要構成員として存在したことにより起こった。加えて、そのような状況を解消できない管理体制、指導体制に問題がある。
(2)医療の質保証・安全管理体制
・インシデント等に関する共通認識、システム構築などはいずれも不十分であった。
・他部署から報告がされず、問題が顕在化しない体制は、病院全体の風土から来るものと考えられる。
・医療安全管理部門が十分に機能していなかった。
(3)ガバナンス
・病院長や診療科長が指導力を発揮しなかったため、状況が改善されなかった。
・診療科の独自性が非常に強く、病院全体のガバナンスが機能せず、組織的な取組がされなかった。
(4)意識(風土)や文化
・群大出身者が多く、特異な文化が濃縮、構築され、先輩、恩師に発言しにくい風土があった。状況が固定化し、チーム医療や患者本位の医療、説明できる医療等、自大が要請する流れに取り残される結果となった。

3:改善に向けて
既に様々な改善を行いつつあるが、体制を検証し、安全性の確保と効率化を図った上で、継続的なシステムとして、高度で良質な医療を提供するための確固たる体制を構築する特段の努力が必要である。
(1)安全で質の高い医療体制の確保
[1]診療体制
・2015年4月に設置された外科診療センターは、医学系研究科の体制を変えない状態で設置されたため、病院全体の組織体制の根本的問題は残ったままで、今後十分機能を発揮できるか大きな疑義がある。
[2]医療の質保証・安全管理体制
・報告制度を根付かせるため、組織や職種を超えたチーム医療体制の構築、医療安全管理者の権限確保、病院長直下の医療安全管理部門の組織体制とする等の工夫が必要。
・学生時代から一貫した教育、研修は必須であり、全国のモデルケースとなることが求められる。
[3]医療の質向上に向けてのチーム医療の強化
・チーム医療が必須であり、誰もが提案し、共有できる風土を作り上げなければならない。
[4]継続性のある簡素な機能的システム
・新たな体制構築やこれまでの問題点への対処を検討し、整理、統合など簡素化を図ることも必要である。
(2)管理体制・組織体制
[1]講座と診療科の整合性
・医学系研究科をシンプルな構成にし、診療科と一体になって高い医療行為が行えるようにすべき。
・少人数診療体制が現在も続いている部門があるが、医師の業務負担が懸念され、対策の検討が望まれる。
[2]管理体制
・診療科長や教授の能力、資質を適切に評価し、問題がある場合には自発的に指摘、改善できる体制が必要。診療科長に問題がある場合は、病院長が正しく対応する力を発揮できる体制を備えておく必要がある。
・ハイリスクな診療を率いるトップは、秀でた診療能力と組織管理能力が必要であり、そのような人材を確保する選考体制を構築すべき。
[3]コンプライアンス体制
・病院内のコンプライアンス推進室、大学の病院コンプライアンス委員会が継続的に機能するよう努力すべき。
(3)倫理・意識(風土)改革
[1]現場の意識把握
・他部署、多職種に口を出せない文化を払拭し、病院長が職員の声に耳を傾ける意識構築が必要
[2]意識向上
・病院の理念を全職員で共有し、自発的に問題を指摘する体制を構築すべき。

4:終わりに
改善策を評価し、病院システム全体の徹底的な効率化を図るべき。改革のためのトップダウン体制の構築、現場の声をくみあげられる体制づくりが必要である。進捗状況は病院コンプライアンス委員会が定期的に精査し、速やかに社会に公表する。

 

 

 

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