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自閉症スペクトラム(ASD)には顔つきの特徴があるのか解説
自閉症スペクトラムの顔つき
自閉症スペクトラムの人の顔つきに大きな特徴は見られません。以前は賢そうな顔つきをしていると言われていましたけど、特に医学的な根拠もないので現在では否定されています。
自閉症スペクトラムかどうかを判断する基準はDSM-5による診断がありますが、素人では判断できません。しかしいくつかの特徴があるのでもし当てはまることがあれば医師に相談をするのがおすすめです。
自閉症スペクトラムの子どもの顔つき以外に見られる4つの主な特徴
自閉症スペクトラムのお子さんには複数の特徴が見られます。そのうち代表的な特徴を4つご紹介しますのでご覧になって参考にしてみてください。
表情が変わらない
人に興味がないのかと思わせるほど表情に変化がありません。通常の赤ちゃんだとお母さんやお父さんが大きく口を開けたら真似をして一緒に口を開けます。しかし自閉症スペクトラムの子どもはや表情認知の障害があると認められているせいか、顔の表情が少ないのが特徴です。
こだわりが強い
特定のルールや物事に異様なまでにこだわりを持つのが自閉症スペクトラムの特徴です。例えば、毎日同じ道順をたどる、同じ服を着ることや同じ食物を食べることを強く要求します。また、手足をばたつかせたり、ぴょんぴょんと飛び跳ねたり、おもちゃの車のタイヤを回し続けたりするなど、同じ行動を延々と繰り返すするのもこだわりを持っているために起こしてしまいます。
相手の言葉をそのままオウム返しする
例えば、子どもに「パパとママどっち?」と聞くと「ママ」や「パパ」と答えずに「パパとママどっち?」と返事をしてしまうことはありませんか?自閉症スペクトラムの子どもは言葉を覚えるのが苦手なため聞いたことをそのまま返してしまうのが特徴です。
言葉を教えても覚えられないので大人が言った言葉をオウム返ししてしまうのです。ただ、お子さんが1歳半や2歳くらいならば3歳児検診まで様子を見てあげてください。
クレーン現象が起きてしまう
クレーン現象とは、子どもが何かしてほしいときに、保護者やほかの人の手を取って対象に指を差したり、手を近づけたりする行為です。自閉症スペクトラムの乳幼児がよく取る行動の一つです。
しかし、乳幼児は自分の意思を伝える手段が乏しいためクレーン現象をしがちです。特に言葉を覚え始めた時期は、自分の意思を伝えるために色々なコミュニケーションを取ろうとします。クレーン現象もその一つですので決めつけずに他の行動も見てから疑いを持つようにしましょう。
自閉症スペクトラムの大人が取ってしまう行動
近年はアスペルガー症候群など大人の自閉症スペクトラムも認知されてきています。「もしかしたら自分も?」と疑いを持つ人も多いでしょう。そうした不安を持っている人に向けて、大人の自閉症スペクトラムはどんな行動をしてしまうのかいくつかご紹介します。ただし、当てはまるからといって自己判断は禁物です。必ず病院で検査を受け、医師から自閉症スペクトラムと診断されてからサポートを受けるようにしましょう。
コミュニケーションの特徴として挙げられるのが「相手の気持ちに立って考えられない」というのがあります。相手との距離感が掴めずに発言をしてしまい怒らせてしまうのがよくある例です。他にも社交辞令や冗談が通じなかったり、会話が続かなかったりするのも大人の自閉症スペクトラムでありがちな例です。
続いては「強いこだわり」からくるトラブルが起きることです。例えば、仕事をやる順番にこだわってしまい、柔軟性のある対応ができなかったりします。ゲームに夢中になってしまい仕事へ行くのを忘れたという例もあります。
これらの特性を理解せずに仕事をしてしまうとトラブルを起こしてしまい職場での評価も下がってしまいます。場合によっては退職を余儀なくされてしまうことも珍しくありません。そのため自閉症スペクトラムの人は自己評価が低く、二次障害としてうつ病やパニック障害、対人恐怖症になってしまうこともあります。
改善方法としては、医師から自閉症スペクトラムと診断を受けた上で自分の特性を理解することからがスタートです。特性がわかれば職場で協力してもらったり、自分に合う仕事へ転職したりと生きづらさを改善していきましょう。
まとめ
今回は自閉症スペクトラムの人には顔つきに特徴があるのかどうかを解説しました。実は1943年に発表された論文の中に特徴の一つとして「利口そうで物思わしげな顔つきと,話 せる場合には優れた記憶力によって、話せない場合には動作テスト(例セガンの型はめ板)に よって、明らかになる良好な潜在的認知能力をもつこと」と記載されていたため現在も特徴として残っていたと思われます。
自閉症スペクトラムは人それぞれ特性があります。そのため判断が難しく特徴に当てはまったからといってもお子さんやご自身が自閉症スペクトラムだと決まったわけではありません。
気になる特性が複数あるならば、お子さんの場合は小児科の医師へ、ご自身を疑っているならば遺伝カウンセリングを受けて遺伝子検査を受けてみるのがおすすめです。なぜなら自閉症スペクトラムの原因は9割が遺伝子だと言われているからです。
東京のミネルバクリニックでは、遺伝子の専門家である臨床専門医が遺伝カウンセリングを行い、遺伝子検査についてお話をした上で検査を実施しています。もしご自分が自閉症スペクトラムかもと疑いを持っているならば一度ご相談にお越しください。オンライン診療も実施していますので全国どこからでも診療を受けられますのでお気軽にお問い合わせください。
自閉症遺伝子パネル
ミネルバクリニックでは自閉症の診断や次のお子さんのリスク、カップルから自閉症のお子さんが生まれるリスクなどを総合的に評価可能な自閉症遺伝子パネルをご提供しています。早期診断は早期に療育につなげて社会性を獲得する一助になります。遺伝子検査はこの10年で飛躍的に進化を遂げ、たくさんの知見が得られてきました。不安に思っている方々を力強くサポートしていきたいと願っています。